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用途は色々ですが・・・ねえ

社会保険庁の不正がどうこうといわれているご時勢、もちろん職員の順法精神についての考慮は問題になるべきであるが、なかには職務遂行と実態の狭間にあって、こういう判断をしたのではと思う中身もある。
たとえば、日数を下一桁にかんして省略したということ自体は、本人確認に非常に問題になった項目であるが、当時の大型電算機のメモリーでも無理して容量を落とさなければ、メモリーを増加させなければならないということをある汎用コンピュータの技術者は言っていた。問題はメモリーを増加するコストが必要ならそれを訴求していかなければならないのだが、その問題点も提案することができなかったというプレゼン技能の不足は感じる。それ以上に「トップランナー方式」という形で最先端を技術に取り込むといっても、合わない事象があるということを宣言することは、実務上なかなか難しいとも思う。(もちろん環境経営の中でトップランナー方式は有効であるが、それをネガティブに考えなければ技術的に困難な場合もあることは、再生紙偽装問題などを考えると判るであろう)
当時の大型電算機は、とにかくメモリーを削減できる構造とプログラム構成が至上命題であった。コンピュータの黎明期は、特にメモリ関係の費用負担が重いためメモリを節約するプログラムが要求され、たとえば年号を下二桁で表すリソース節約は、当時は当然のテクニックだったた。2000年問題と同じ問題が本質的にあったのだから、プログラマーの常識かつ必須条件が相容れなかったというのもある意味わからなくはない。
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たしかに、社会保険庁のコンピュータは、「レガシーシステム」という一般的に30年以上も前から使われている基幹業務システムである。この古さが・・なんてことを言う人もいるのだが、それ本当にいいんですかね。
パソコンが普及し始めた1985年以前は、大型汎用機と専用端末によるオンラインシステムが主流で、このデータベースを引き継ぐことが前提であるし、そう書き換えすればデータの信頼性を崩すこともある。今でも金融機関のバンキング・システムのうち基幹業務系では、同じ形態のまま使われている。ユーザーとの取り合いのところは、パソコンとサーバーを使った部分として比較的更新しやすくしている。
30年前のコンピュータはデータに関しては引き継ぐ・・というかむしろ仕様からなにまで引きづることが前提条件なのである。だからXPがなくなって・・・次はWINDOWS7かなあというようなくるくるかわるOSを使うわけにはいかない。むしろ枯れたOS・基幹システムを使うほうがいいぐらいであるし、もともと基幹業務システムのデータ部分はレトロフィットが前提である。ユーザ取り合い部はパソコン端末への振り替えをすることでコストパフォーマンスをよくしているが、基本部はそうそう変更できない構造が多い。未来永劫にデータを蓄積して利用する使命のある業務基幹システム(銀行の基幹システムもそこが大きい)とデーリーの運用(というかマン・マシーン・インターフェースですな)をいかにうまくするかというのは、似ている様でまったく違うものであるが、判りにくいのは確かにあるようだ。にわか勉強を始めた国会議員や評論家とて、コンピュータシステムに対する勉強が足りない以前に、技術者がいう技術的知見が技術者による自己保身という見方になる場合は、大所高所からの視点で語ることを求められるため聞き入れることも出来ない事情がことを複雑化していると考えている。、更に基本的に理解しにくい技術である。技術がますます世間で言う「識者」に判りにくくなっていくため横断的視点をとると玉砕するのだろうなあ。
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さて、これとは異なることに、社会保険庁の不正行動といわれるもののなかに、こういうものがある。
年金記録問題発生の根本原因として、
o 年金記録のを正確な作成・保管・管理の使命感などの欠如
o 年金記録の正確性を確保認識が不十分
o 年金記録の正確性が裁定時基本的資料となるはずだが、「裁定時主義」という考えですすめた。

の三点を主因とした発表があるが、あくまでこの報告自体が「実は出来えない膨大なデータを当時の技術で管理しなければならないという問題点を、認識できない状況にあった。」ともいえるかもしれない。もともとここまで大きな「保険システム」を運用しているところは、実はない(保険会社の管理内容は、むしろ電算システムにあわせて簡略化するからでもある)ただ、労働組合が、「オンライン化反対闘争等を通じて業務合理化に反対し、自分たちの待遇改善を目指すことに偏りすぎた運動を展開した。」という指摘もされている。是非はあろうが。
自治労国費協議会と社会保険庁との「覚書」として、オンライン化導入に、「コンピューター入力の文字数は一日平均5000字まで」「端末の連続操作時間は45分以内」「45分働いたら15分休憩」「ノルマを課してはならない」などの内容を含む「覚書」「確認事項」を結んだことが問題になった。社会保険庁改革では、その後の業務の変更で必要がないものも多く破棄となった。
ところで、端末操作時間やキータッチ数の規定(「窓口でのパソコン作業では、キーボードを45分操作したら15分休憩」「キーボードへのタッチは1日当たり平均5000以内」)など「内容が非常識である」との指摘は、1979年に社会保険業務を全国でオンライン化する際に交わされたもの。そもそも当時キーボードを扱うオンラインシステムが一般社会に普及しておらず、頸肩腕障害の社会問題化などコンピュータによる健康面への影響が懸念された時代の「機器操作にあたる職員の健康管理にかかるルール」である。したがって当時としてはこの規定を設定すること自体が最先端の業務を行うことの前提となっていることは考える必要がある。更に、この内容に準拠することは、現在の厚生労働省ガイドライン(VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン)に入っていることである。ただし、そのようなことが成り立たないぐらい機器のユーザーフレンドリー性能が向上したともいえるのだが、それをさかのぼれないような硬直した事情でもあったほうが問題だったのだろう。
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実は私も以前の勤務先では長時間VDT作業者の扱いを受けており、そのため長い間検査を年1回やっていた。当初はパンチャーさんから移行したオペレータさんだけの仕事が、労働基準監督署の指導をしたがってやっていくと、全員がVDT検査の対象になってしまうことになる。実験の監視をする人もモニターをみて運転調整をする段階でコンピュータ使用者になってしまう(工場設備ではなく実験従事者というくくりになる)ため、業務上負担になっているのも事実であった。とはいえVDT検査はそれなりにやるべきだと思う。ただ、時間制限とまでなると、うっかりCADも出来ないという困ったことになっっていた。(しかも毎回毎回私は乱視の為一言注意をうけていたのであるが、これ大学のころからなのね・・・・)
ただこの手の指導は労働基準監督署の指導によって現場では時々刻々変化する。しかも現在の厚生労働省による「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を遵守することを徹底させる労働基準監督署の指導が実施されることになると、民間企業の実態と相容れないものが出来上がる。逆にその意味では、社会保険庁は優等生なのである。
あるとき労働基準監督署の指導内容が署長の異動により代わったらしく「コンピューター入力の文字数は一日平均5000字まで」「端末の連続操作時間は45分以内」「45分働いたら15分休憩」というのを徹底することになった。ところが、これを遵守しようとすると、研究者でデータ処理をする人間、CADを操作する人間にとっては、仕事にならなくなってしまう。

「コンピューター入力の文字数は一日平均5000字まで」--------CADなどではそもそも定義が出来ない。
「端末の連続操作時間は45分以内」「45分働いたら15分休憩」-------------交代勤務体系を撮るしかなくなり実用上難しい。

というわけで当初「コンピューター入力は一日平均8時間まで」「端末ごとに55分ごとに休憩をさせ、5分休憩」という前提規定で運用しようとしたが、これまた、労働基準監督署に納得されなかったため、総務部は一計を案じた。
つまりPC1台ごとにコード式の日立製ハンディー型電動マッサージ機を配置することにした(たまたまPCが日立製だった上に、総務部の立場として日立製が入手しやすかったのだとか)休憩を時々とって、その際にこれを肩に当てて肩こりを防止するように・・・ということで、労働基準監督署に対し姿勢を示したらしい。
ところが、「45分働いたら15分休憩」のときに各々の机(PC毎に与えられてるんだからそうなりますよね)でマッサージ機を使う状態だと、あっちで「ぶんぶん」こっちで「ぶんぶん」、休憩してるのか何かもわからず、PCを見てはならないからマッサージで片手をふさがれて本も読めず「ぶるぶる」では職場の雰囲気もだれますわな。結果、労働基準監督署が異動になるまでマッサージ器の配置はあったが、ほとんど使われない状態になっていたのである。
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これだけでは、まあいいのだが、その後この日立製ハンディー型電動マッサージ機がとんでもな状況になっているのである。
以降、性的な表現や記述が含まれます。

家庭用マッサージ用として売られているハンディー型電動マッサージ機を大人のおもちゃとして利用する場合があるらしい。日本では専用の品(防水性能保障品・・・ただし医療品扱いにならないように意匠を施している)が売られているから、まあ、不健全なものではなく、肩こり防止のためよく使われているしメーカーもたくさん多い。ところが・・・・・米国ではもともと電動マッサージ機自体が珍しい。かくて日立製はハンディー型電動マッサージ機がそれ用途に普及してしまう。(かくてこんなのがある!)そのなかでも30年以上販売され、力も強く(おい)安定した実績を誇る定番品として信頼性も高く(なんのこっちゃ)ということになってしまったらしい。
とゆーわけでアマゾンのHPを繰って見ると・・・・
http://www.amazon.com/Hand-Held-Personal-Massager-Attachments/dp/B000K8ALI8/ref=pd_bbs_sr_1?ie=UTF8&s=hpc&qid=1231518375&sr=8-1
Hand Held Personal Massager - Hitachi Magic Wand Vibrating Massager by Vibratex Deluxe Package (Attachments Colors May Vary)
List Price: $65.99
Price: $48.88 & this item ships for FREE with Super Saver Shipping. Details

(抄訳)
本品は、筋肉にマッサージを施す電気マッサージ機ないしはバイブレータとして知られる。医療機器として1970年代に現われたが、今は、大人のおもちゃとして広く使用される。長さ9インチのハンドル・直径 2.5インチの円形の柔軟なヘッドが特色。2レベル(5000・6000rpm)は手元SWにて振動速度ををコントロールする。コンセント式。マッサージ機として、傷筋肉および神経を和らげ緩めて筋肉のリハビリテーション・筋肉マッサージ機として使用することができる。装置での集中的な筋肉振動運動は、感覚をよくするための血液供給を促す。
大人のおもちゃとしてもよく知られる。この場合、生殖器・肛門に通常用い男性、女性およびカップルによって使用することができる。医師が生殖器感度増加、覚醒のために推奨。

北米日立ではこれは定番製品からはずしており、販売は商社に委託している。ところがアダルトバイブレーター会社のVibratex, Inc.に委託され、そこで「Two Attachments G-Spotter and Wand Personal Massager Attachments for Hitachi Magic Vibrators」なんてのを組み合わせてアマゾンなどで売っており、商品名の普及からかOEMとしても社名をはずせず、たまらんことになっている。。最近はネット販売で110V仕様の逆輸入まであるらしい。いわく
あの『日立』製なのですが、実は欧米では、最も有名なバイブレーターとしてナンバーワンの人気を誇ります。なぜか日本市場ではほとんど出回ることがなく、ひそかにあこがれていた女性も多いはず!欧米で人気の理由は・・・
・驚愕のパワー
・ハイテク
・デザイン
・ボリューム

数あるバイブの中でも、類を見ないパワー!電源式ですので、コードレス式のバイブでは絶対に実現しないパワーと長時間の使用にも耐えられるだけのハイテクモーターを搭載しています。二段階の速度調節で自分に合った速度を選べます。しかも見た目はアダルトトイなどとは見える筈もなく、(そらそうだろな・・・)堂々と所有できます。。(後略)

orz・・・・・。家庭用コンセントに直差しされたコードから伝えられるAC電源の駆動力は小型乾電池数本で動く一般のローター、バイブレーターとは比較にならず、非常に強い快感を得ることができるのだとか。多分日本国内からは販売を撤退したのであろうが・・・いくら「モートルの日立」でもこれはねえ。
ちなみに、聞くところによるとハンディー型電動マッサージ機につけるツール・ディルドは、日本でもいろいろなものが簡単に入手できるらしい(確かにそういうサイトもある)あーあ。
私のパソコンライフを返せ!!・・・・って違うかぁ

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コメント

こんばんは。
「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」なんて存在をはじめて知りました。確かにこんなのに従わなければならないとなると、多くの会社が仕事どころではなくなりますね。
日立のマッサージ機に関するamazonのカストマーレビューの絶賛ぶりには笑いました。日立も気の毒に。。。

投稿: kunihiko_ouchi | 2009年2月12日 (木曜日) 00時18分

>確かにこんなのに従わなければならないとなると、多くの会社が仕事どころではなくなりますね。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/04/h0405-4.html
このガイドラインは今でも推奨されておりまして、一応労働衛生の上では(旧労働省と旧厚生省が一緒になりましたから)あるていどコンセンサスがあるのです。しかも社会保険庁の業務は、厚生労働省の管轄で、この業務も「ショーウインドー」となる必然性があります。それを守ることが前提の官庁と、これを如何にかいくぐるのに配慮するし頭をなやます民間企業。今の社会保険庁の問題には社会に対し官庁も含めた企業体の存在意義がいかにあやふやなものかを語ってるかもしれません。
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>「日立も気の毒に」
いい製品というものも大変ですねえ。なお世界におけるこの手のコード式バイブレータは耐久性もあり優秀なものは日本製(日本企業の中国製などを含む)しかないんですって。

投稿: デハボ1000 | 2009年2月12日 (木曜日) 01時06分

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