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High and Lowの経済の中で(2/2)

(承前)
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地域再生めざしアートイベント「黄金町バザール」  2008.11.15 11:09 産経新聞
 横浜市中区の「黄金町(こがねちょう)」といえば、かつて違法な特殊飲食店が軒を連ねる風俗街だった。京急電鉄「黄金町」駅から「日ノ出町」駅にかけて、最盛期は高架下を中心に200を超えたという違法店は、約3年半前に一掃された。が、特定のイメージは簡単に消えるものではない。
 そんな街でいま、地域再生を目指したアートイベント「黄金町バザール」が開かれている。市が新設・改築した3つのスタジオと、周辺に多く残る空き店舗が会場だ。現代美術、写真、デザイン、ファッション…と多彩なアーティストが参加し、作品の展示販売やワークショップなどを展開している。
 実行委員会でディレクターを務める山野真悟さんは「まずソフトによって街を再生しようという実験的取り組みです」と語る。最近は、間口一間ほどの小さな風俗店跡を生かしたカフェや飲食店も徐々に増えている。周辺住民さえ「怖くて近づけなかった」という元風俗街に、親しみやすいアートやファッションなどを持ち込むことで、明るさや活気を呼び戻したいという。
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 限定ショップ「田宮奈呂(なろ)+me ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)」には、色鮮やかなフェルト素材の巨大人形が所狭しと並ぶ。イッセイミヤケの店舗ディスプレーを手掛けてきたアーティスト、田宮奈呂さんの作品で、今回は特別に販売している。三宅デザイン事務所の恩田眞理子さんは「下見に来たときは正直、街の雰囲気に驚きましたが、意義のあるイベントだと思い、参加した」と話す。

 街に刻まれた記憶も、アートはその表現に取り込んでいく。狭い間口をくぐり、シャワーを横目に階段を上がれば、三畳ほどに区切られた小部屋…。そんな空間を逆手にとった美術家、北川貴好によるアートインスタレーションなども、見応えがある。
 イベントは30日に閉幕するが、会場はその後もアーティストのアトリエやショップ、カフェなどに活用される予定。淫靡(いんび)なエネルギーを発していた地区は、少しずつ新しいエネルギーを蓄え、周辺の街に溶け込み始めている。(黒沢綾子)
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もともと戦前は問屋街(脇の川・・大岡川・・の水運というのも条件としてあったらしい)であった黄金町から戦後50年後、売春が一掃された代償として皮肉にも人の往来も途絶えた。街の再生の歩み・健全な街の取り組みともかく、健全だけでは人は集まらないし、活性化は図られない。街の真ん中(高架下)に新たに伊勢佐木署の大型交番(歓楽街総合他施策現地指揮本部)があり、警官の巡回は頻繁である分治安は安定しており、立地はいいことから残るは街のイメージ戦略であると考えている。そのなかで、いくらかの芸術系のアトリエ・大学の建築系を核としたコンソーシアムが設置され店舗転用のモデル事業としてアーティストが滞在して若者たちが黄金町にカフェ・飲食店をつくったり、創作活動を行う場として活用されているのをみた。
街には2つのアートスタジオが新しく誕生した(この中には喫茶店の要素もあるし、高級なカフェもある。衣食住にわたる新しい経済活動を導入しながら、街の在り方を見直すアイデア、イベントなど多彩な分野を取り入れて全体を構成している。ただし、確かにいくらかの建築物は、ソフトによって街を再生され、かつ新たな芸術肌の若者が闊歩しており、下手すると阿佐ヶ谷かしら・・・とか(嘘)。
とはいえそれだけではこの膨大な店舗群・新しい住居が成り立つわけでない。高架下は工事後(巻き替え工事。実はこの工事内容は同年代の高架の補修工事が、コンクリート吹きつけ処理をしていることも多いのに比べ、ちゃんと鉄筋を排筋しなおすなどきわめて良心的な工事をしている)も囲いをそのままにしている。また老朽化した家屋のあった地域もかなり解体されており、コインパーキングになっている。
そして、国内の多くのこのような地域の建物とおなじなのは、これらの建物を寮に使っている事例があるということである。元遊郭の建物が旅館やアパートに使われた事例はあちこちであるが、このように築5年、冷暖房やシャワー完備、洋室ということになるとそれなりに使えるともいえる。事実建物をデザイナー店舗に改造している事例もあるが、これがなかなかいいものである。
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ただしこれはもっと面白い使い方を秘めている。そこで提案してみたい。
黄金町地域のうち残存する比較的経年が低い建築物に関しては、運用を工夫し起業者のオフィスにすることができないか。名義上官庁がまた貸しする形にはなるが、インキュベーションセンターの一種(私はほかのインキュベーションセンターの分室扱いがいいのかと思っている)にするということである。賃貸保障や管理は旧来のイメージ一新からコストをかけずに公的機関が名目上間にはいることで管理名称にすることもできよう。建物名称としてインキュベーションタウン黄金町第一棟A-21とかね・・・。
横浜市では産業振興の目的もあって、SOHO横浜インキュベーションセンターという建物を、ニュージャパン火災事件の影響で使わなくなった公共的建築物のホテル跡地(シルクホテル)を活用して展開している。(横浜港大さん橋入口近くにある、横浜港における生糸・絹産業及び貿易の振興並びに観光事業の発展を目的とした「シルクセンター国際貿易観光会館」がそう。横浜市の所有地に神奈川県が建設したため、県の副知事が経営陣にはいっている。シルク博物館・船会社、港湾会社等のオフィス・郵便局、神奈川県観光協会観光案内所・食堂などの商店街等が入居)ただしこの施設は上述のことから宿泊が出来ず、別にSOHO用の建物を持っているぐらいである。とはいえ、これらのSOHOでは車の駐車場はないとか種々の制限があり特にモノつくりの事務所、モノを扱う事務所は成り立ちにくい。市内ののSOHOのなかでは事務は出来、コピー機などの共用は出来るということをすると、用途を絞れば使えるのではないかと考えている。このHP(http://www.rentaloffice-navi.jp/map/bizdir_140000.html)のようなものを見てみると現物を扱うSOHOオフィスは高いものばかりであるな。
現在のところ地元不動産業者はこの建物を炊事場+シャワー室+6畳室3つで1日3,000円(光熱費込み)で貸す商売をしているようだが、月ぎめなどで借りるとそれなりの用途別に特化したものが出来るのではないか。(ただしSOHOという形で住居兼用になるのは不向きであろう。旧来の商売の延長になる可能性が残るからである)いま1.5畳のレンタルオフィスが月30,000円以上、ちゃんとしたオフィスだと90,000円以上掛かる。そうなるといいかもしれない。
黄金町地域は、作り直した京急線高架下が駐車場になりうる可能性もある上(以前はそうなっていたところもあった)、以前の特殊飲食街の一部が建物の老朽化で解体され駐車場になっているところも多い。このことからメンテナンスサービス(たとえば水道工事業)や商社など実物を扱う上に緊急性が求められるベンチャーオフィスには向きかもしれないと考えている。
問屋街だったまちが60年たって元に還る。あえて古いまちのままガラパゴス化する町もありだが、先駆性を考えると非常に興味ある存在である。新しくビルを建てるばかりが街ではない。長期的視点も必要かもしれないが、短期的視点も必要なのである。

PS
類似のものに、水辺にあるという意味でも似ているオランダ・アムステルダムの「飾り窓」地区という700年の歴史を誇る「文化財的地域」があるが、こちらもその約3分の1が閉店するという。大手売春宿のオーナーが、保有事業全体を不動産会社に売却する。なお後は、高級ブティックにする計画という。

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