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ドリルは鉄

タングステン(英語:Tungsten ドイツ語:Wolfram)は電球のフィラメントだけでなく、高速度鋼やWC-Coなど超硬合金に多量に使用されている。

* 電球のフィラメント
* ドリルなどの高速度鋼
* 切削工具などに用いられる超硬合金
* 生体試料の微細な解剖用具(タングステン針)の材料
* 高強度の鋼材  
* X線遮蔽用金属
* 戦闘用弾芯
* 真空蒸着用工具
* 溶接溶断の電極
* 金の延べ板の偽造(おい)

タングステンの産出量は、中華人民共和国が世界の産出量の83.7%。ついでロシア、カナダ、オーストリアなどである。工業的に重要なだけに戦略物資になりがちで、そもそも地殻存在度が低く産出地にも偏りがある。国際情勢急変に対する安全保障策として、日本では国家備蓄の規定がある。
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(1)高速度鋼:代表的な合金組成は0.8%C-18%W-4%Cr-1%V(残り76%が鉄Feになる)、鋼にクロムCr、タングステンW、モリブデンMo、バナジウムVが使われる。マルテンサイト中に多量の炭化物が分散した材料組織を有する。この中でタングステンは硬い炭化物の形成に寄与し、耐摩耗性を向上させる。
「ハイス」と呼ばれる高速度鋼は英語でhigh-speed steelといい、それで「ハイス」「HSS」「高速度工具鋼(high-speed tool steel)」とも呼ばれる。切削のときに生じる高温下での耐軟化性の低さを補い、より高速での金属材料の切削を可能にする工具の材料なる。焼入れ等の熱処理後、研磨・切削砥石で成形(工具グラインダーとかを使う)して使用する。なお金型に部分的に埋め込むことも行われる。(最近はコーティングで対処する場合も多くなったが、地金が弱いとコーティングの元から崩れるという弊害もあるんですね・・・)
後述の超硬合金(硬質の金属炭化物の粉末を焼結して形状をだして作られる合金)と比較すると、耐摩耗性において劣るが靭性に富む。「JIS G4403」の「SKH」がそれで、Steel、Kougu(工具)、High-speedのそれぞれ頭文字を取ったものである。(Steel、Tool、High-speedの頭文字だったらSTK(アイドルに対するストーカー(stalker)の略語)になってしまうんだな・・・)
(2)超硬合金(硬質の金属炭化物の粉末を焼結して形状をだして作られる合金):WC-Co(炭化タングステン・タングステンカーバイト)。コバルト中にタングステン炭化物が分散した組織だ。炭化タングステンWCは非常に硬く、耐摩耗性が向上する機能である。混合して焼結するにはコバルト(Co)はタングステン・カーバイドにたいする結合剤(まあ、うどんのグルテンみたいなものですなあ)となるo炭化チタン(TiC)や炭化タンタル(TaC)を加えることもある。このあたりがノウハウであろう。
最近では更に摩耗に強くする為に、工具表面に窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)、チタンアルミナイトライド(TiAlN)、アルミクロムナイトライド(AlCrN)などの硬質物質をコーティングした切削工具が多くなった。もちろんスリーアウェイ(≒使い捨て)チップという工具にも使われる場合も多い。
1923年にドイツで開発され、1927年にはドイツの鉄鋼・兵器の会社クルップが「ウィディア」と名づけた。1929年に現在の東芝の前身が「タンガロイ」と称し市販した。(タンガロイ社は現在はオランダIMC International Metalworking Companies社傘下)日本では住友電工の「イゲタロイ」・三菱マテリアルの「ダイヤチタニット」が有名である。
ちなみに超合金というのはバンダイが発売したキャラクター玩具の総称だが、当初は「超合金は亜鉛合金です」なんて箱に書いてあった(実際は亜鉛ダイカスト)。超合金はスーパーアロイというのもあるが、こちらは, ガスタービンのブレードなど耐熱性が必要な部位に用いられる合金で、超硬合金とは別物である。
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今日では、ハイス材を用いて粉末冶金法により組織の微細化やさらなる高合金化を図った「焼結高速度(工具)鋼」(粉末ハイス)や、表面へ窒化チタン(TiN)等の高耐磨耗性被膜の形成をする。つまりハイブリッドなわけで、金属加工工具、ドリルやエンドミル、金属用鋸刃に使われている。
だから、
「鉄に穴を開ける、ドリル自体も鉄~」
といわれても「そうかもね」もいえるが、そうだともいえない面白い存在なんである。

税金を払う為だけに 俺達は生きてねぇ
何度も同じ事を繰り返し 身につけた技術
1000分の1ミリの鉄の段差を 手に触れるだけで分かる男
鉄の部品を磨き続けて 鏡のように仕上げる男
同じ作業を繰り返し過ぎ 手にへんなタコができた男
雑音の中耳をすまして 鉄の削れる音だけ聞く男

臭い油にまみれて 危険と隣合わせて
安い弁当を食う 安い弁当を食う
安い弁当を食う 安い弁当を食う!

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コメント

こんばんは。
これはw
鉄工所をネタにする芸人がいたんですね。しかしあまりお笑いにしてはいけないような。

投稿: kunihiko_ouchi | 2009年1月17日 (土曜日) 00時59分

>鉄工所をネタにする芸人がいたんですね。
かれの実家は東大阪市の鉄工所だそうで、当人も結果的にフォークとか運転できるそうです。鉄工所ねたはおおいですよ。もともとラップは貧困者の政治的な発言という側面もありますからね。(そのいみでブリティッシュロックがあるともいえる)

投稿: デハボ1000 | 2009年1月17日 (土曜日) 01時35分

タングステン偽金塊を見破る超音波のSUBALですdollar
X線管内の電子ぶつけるターゲットもタングステンで、X線写真の中で白く写る代表的欠陥がタングステン巻き込み。
えーと、戦前ジェットエンジンの情報を得るために日本側からナチスドイツに渡されたものが生ゴムとともにタングステンだったのですね。

てなことはともかくとして、このラップ面白いですね。思わず私のところでもブログネタとしていただきました。

投稿: SUBAL | 2009年1月17日 (土曜日) 11時41分

>タングステン偽金塊を見破る
豊田商事事件ののときに、事務所に模造金塊が飾っている姿がありましたね。もっともあれは比重を考慮していないとのことでしたが。
>戦前ジェットエンジンの情報を得るために日本側からナチスドイツに渡されたものが生ゴムとともにタングステン
兵器業者で今はは高級鉄鋼メーカーのクルップがからむということは、特殊材料という意味でタングステンの用途にかなり注目していてもナチスドイツは材料入手が出来なかったということでしょうね。
ただ日本国内でタングステンがでる鉱山があったのかというと疑問です。生ゴムにせよ当時の信託統治領の産物といえそうですから
外地や満州国だったのでしょうか。

投稿: デハボ1000 | 2009年1月18日 (日曜日) 15時55分

おもしろいですね。
「とろける鉄工所」というマンガもあるそうなのですが、品切れの書店ばかりでまだ入手できていません。

投稿: KADOTA | 2009年1月18日 (日曜日) 19時03分

>マンガもある
どこかに関連があるんでしょうか、「なっちゃん」にしてもそうですが、モノつくりの面白さに絡む漫画も多いと思うところはありますね。至極当然だろうと思います。

投稿: デハボ1000 | 2009年1月18日 (日曜日) 21時05分

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