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大丸屋宗三郎と惣流アスカラングレー

江戸時代中期に、京都の初代露の五郎兵衛や大阪の初代米沢彦八が道端に舞台を設け、自作の噺を披露して銭を稼いだ辻咄や軽口が落語、特に上方落語の起源といわれている。昭和後期から平成に入って、落語、漫才などいわゆる「お笑い」に対する世間の関心は下がらなかったが、1980年台の「MANZAIプーム」以降、お笑いの主舞台は舞台芸である寄席から放送メディアに移る。演劇も舞台ということが少なくなった。
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上方落語の中心として江戸時代に確立した「旅ネタ」は、「東の旅」「西の旅」「南の旅」「北の旅」の四つに分かれる。「東の旅」は全てをきちんと演じると優に半年かかるという落語でかなりの技量を要するネタもある。
* 東の旅:「三十石」などで構成される。伊勢神宮参詣道中。 * 西の旅:金刀比羅宮参詣が主題。 * 南の旅:「紀州飛脚」(バレ話である) * 北の旅:「池田の猪買い」
旅ネタには、冥土の旅・海底の旅・天空の旅・異国の旅というSFもびっくりなものもある。奇想天外な内容ではめもの(後述)を用いた派手な演出が見られる。
江戸落語には多い人情噺は、上方落語にそのものずばりはない。ただし落ちがある人情噺らしきものはあるため落とし話に含まれてしまう。ただしこれも最近は崩れつつある。なおこのなかには講談・歌舞伎が遠くとも元であったり、その基礎知識・素養が必要なもののがある。中にはその原典が当時の事件だったりするものがある。
芝居噺というのは、歌舞伎をテーマにした落語であって、上方落語には
1. 歌舞伎の芝居をそのままに演じるやり方:(トレースすることでわかりやすくした)
2. 普通の落語から芝居になるやり方:(パロディーをこめる)
の2種類に分別される。江戸の芝居噺の演出は人情噺の途中から一転、衣装を引き抜き背景に書割(絵で書いた舞台美術)を設けるが、上方は道具や演奏などの工夫がある。

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落語では一般的に扇子や手拭を小道具として用いる。上方落語でしか用いぬ小道具として以下のものがある。

* 見台:演者の前に置く小さな机。書き物机や湯船、布団や床、果てはキーボードや箪笥といったものに見立てる。使わない人もいる。
* 小拍子:小さな拍子木。鳴らすときは左手で小拍子を持ち、見台を打つ。噺の合いの手、場面換えなどに使ったり、雰囲気を変えるために使ったりする。また、舞台の袖でお囃子や鐘の音など効果音を出す裏方に合図を送るためにも使う。パソコンのマウスに見立てて使用した例もある。
* 膝隠:衝立。

演者の名前を書いた名ビラ・メクリは明治時代まで、出囃子は昭和初期まで、上方の寄席のみ使った。
上方落語は口演中に演出としてお囃子(はめもの)を盛り込む。お囃子奏者は、三味線奏者と太鼓・笛などの鳴物奏者で構成される。情景描写に使われる事が多いが、擬音に用いられたり、下座音楽となったり「音曲噺」では演者と掛け合うミュージカル仕立てになる。コンピューターの機械音を用いるのも一変形である。

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さて、廓話などやいまでは通らない話題で行うときには、落語家は枕に苦労するらしい。(意外と楽なのはバレ話・・艶笑落語なのだそう、まあ古今東西これはかわらないと(以下自粛))環境以前にそれまでの基礎的知識がわかっていないと難しいのである。線香で時間を計るとか、おいらんの口調なども理解しにくいものがある。おなじことは歌舞伎の話をベースにしたものだある。最近では歌舞伎ねたも難しいようである。
反対に、大ネタの「大丸屋騒動」のような例もある。

安永年間(1775)京で起こった事件(大丸屋4代・正太郎、乱心し人7人殺傷、自刃)がモデルで、講釈ネタを落語化したため、人情噺風の落とし噺のかなり長い話である。芝居噺風の演出、歌舞伎の『縮屋新助(幡祭小望月賑という河竹黙阿弥作の歌舞伎狂言)『油屋騒動(1796年6月9日夜、伊勢古市の妓楼・油屋で、医師・孫福斎が酒に酔い、仲居ら数人を殺傷した事件。事件をモデルに歌舞伎「伊勢音頭恋寝刃」が作られた。つまりこれ自体がニュースショー的であるな)』のパロデイ。
はめものとの調整が難しい上に歌舞伎や風景・風俗に精通しなければならない高度な技術を要する。このため、戦後は長く演者がいなかった。しかも、主人公伏見大手町(商店街・通りの名前として残る)の酒商大丸屋宗兵衛の弟、宗三郎(商売・名前も変えている)は・・・というように微妙に設定を触っているが、後の大丸のはなしらしいのである。(大丸の創業時は呉服商を伏見町(現在の伏見区京町北・・現在の大手町とは500mほど離れている)で営んでいたのが起こり)
非常に難しいネタで、初代森乃福郎・2代目露の五郎兵衛・5代目桂文枝・3代目桂米朝も得意とし。文枝はこれで芸術祭賞を受賞した。最近はなんと月亭八方が演じているという。
おちは、下手人の兄は傷一つ負わない。役人「こりゃ。その方は何やつか。」兄「へい。私めは、切っても切れぬ伏見(不死身)の兄にございます。」

参考:http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakug212.htm

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となると、こういうのがひとつの事例でもあるのですな。
(1)有名な演劇や小説などを舞台にし、それを踏み台にしてパロディーにするという展開。
(2)音や舞台装置を用いる。コスプレもある

となると、こういうのは最近の物まね芸(ただし当人は漫才師である)にも案外ありますな。

桜(さくら):稲垣早希と増田倫子の2人で組む、女性お笑いコンビ(もとはタレント活動をしていた)。
稲垣早希はボケ担当。立ち位置左。アニメ新世紀エヴァンゲリオンのファン。特に登場人物のアスカ(惣流・アスカ・ラングレー・・あらあ見事に艦艇の名前が並んだな・・・)が好きで、中学生の頃からアスカの声まねをしていた。名探偵コナンの遠山和葉、浅倉南(タッチ)、涼宮ハルヒ、ミスマル・ユリカ(機動戦艦ナデシコ)、小倉優子、清水よし子(ピンクの電話)のレパートリーがある。

一人エヴァンゲリオン」と称し、アスカに加えて綾波レイや碇シンジの声マネを交えて演じる、エヴァンゲリオン漫才という持ち芸がある。在阪テレビのアシスタント(もともとはこちらが本職)や、リポーター、イベント司会もしている。


一番オーソドックスなところで、これを。
ちなみに衣装は惣流・アスカ・ラングレー(中学生)の服装+猫耳である。この場面は、どちらかというと物まねなのだが、実はこえをベースにした漫才もあるようだ。

若井 おさむ:元漫才コンビはちみつメロンのボケ役。2003年3月、ピン芸人としてデビュー。 機動戦士ガンダムの主人公アムロ・レイのモノマネコントをする芸人。ガンダムの有名なセリフを使いコントを進めていく。アムロ・レイの声優古谷徹が演じる星飛雄馬やペガサス星矢のモノマネもする。コントのブリッジに「アムロ 行きます」というのを使う。もちろんこのコスプレはアムロ・レイ。
こちらはそこまで濃くない程度に薄めている。 ---------------------------------------

興味本位で面白いというのもいいが、その構成は実は落語の時代とまったく変わらず、歌舞伎や講談がバックにあるか、テレビアニメがベース化の違いであるのだな。

(PS)ただし、うーむ、知識の希薄さを逆に感じることもある。

新世紀エヴァンゲリオンの舞台は第3新東京市という、 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原の芦ノ湖北岸付近に位置するブラジリアみたいな架空の都市を設定している。壊滅した東京都に替わり、長野県松本市を暫定的な首都機能を持った第2新東京市と改称して遷都し、その後動いたたということになっている。ところが当初企画書では第2新東京市は長野市松代町ということだったらしい。

こら却下されるはずだなと私なんぞには思う。松代大本営という、太平洋戦争末期、日本(大日本帝国)の国家中枢機能移転のために長野県埴科郡松代町(現在の長野市松代町)などの山中に掘られた地下坑道(防空壕)跡。御座所や宮内省(現在の宮内庁)として予定されていた建物もある。だからこれはあまりにも生々しいはずなのだが、これとて「わからぬ人にはわからない」んですよね・・・orz。

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