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+-×÷で変わる(1/3)

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http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/d_zemi/11/10.html
● デザインのダイナミズム・「組み替え」  財団法人日本産業デザイン振興会 青木史郎氏
デザイン愛好家的ジャーナリストが書いた記事や書籍には、デザイナーが自らの苦しみの中から全てを創造していく様が、ドラマチックに描かれている。素人受けする話ではあろうが、そこには創造性についての甚だしい誤解(過度の期待)が見られるようだ。
デザインに限らないと思うが、無から有を生じさせるような創造に出会えることはまず無い。
ただし、「その手があったか」と感激できる場面にはしばしば遭遇する。全く新しいとは言えないものの、要素を組み替えて新しい意味や用途を切り開いて見せたという場合である。デザイナーに期待されているのは、「如何に要素を組み替えられるか」という創造性である。
デザイナーは、こうした「組み替え」に備えて発想を鍛えていく。「拡大・縮小」も、既成の概念を越えていこうとする発想方法の一つだが、デザイナーはその初期的段階で、「地口(言い換えによる駄洒落)」遊びをしてみることがある。例えば「発想」を発送、発走、八層へ、はては八艘と置き換えれば義経の八艘飛びとなる。ここで発想はぴょんぴょんと飛び越えていくといった軽やかなイメージとなって視覚的に捉えられる。「燃え」が「萌え」となって、新しい価値(良いかどうかは別として)が発見されたのも、こうした言葉遊びの効果なのかも知れない。
また、子供に身近なものをいくつか与え、分類させる創造性テストがあるという。子供は「お父さんが使うもの、お母さんのもの」「食べられるもの、食べられないもの」「振って音がするもの、しないもの」「痛いもの、そうでないもの」とかなり自由に分類していくという。既成概念に凝り固まった大人ではこうはいかない。特に「振って音がでるもの」といった分類はまず発想できない。こう分類すれば、キャンディボックスも、ペットボトルも、泡立て器も、置き時計さえも同じ仲間となる。デザイナーは、こうした「仲間探し」も常に試みる。
創造性を語るうえで「術語的同一性」という難しい概念も見逃せない。簡単な例で言えば、「私は処女である」「聖母マリアは処女である」「よって私は、聖母マリアである」という論法である。狂人の発想と蔑むのはたやすいが、ある発見が行われたことは事実であり、またこの様な発想をすることによって打開できる局面もあろう。ことによったらデザイナーは、こうした発想が得意なのかもしれない。(中略)
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あらああ、これはデザイン創出の場合であるが、おんなじことをするんだなあと驚いている。(ただしデザイナーであってもこれを芸術家と同意と考えるのは危険であろう。これは改めて論じたい)
というのは、製品構想をする場合、それに関与して知的所有権を創出する場合もそうだし、逆に知的所有権を創出することが前提として考え、ということにはおなじことがわかる。

かつて、ソ連軍の特許技術者をしていたG.S.アルトシュラーは、過去の諸国の特許を分類し、特許となる発明行為はかなりの部分で発明原理という40個の行動によって変形されることで技術の視点をかえることで着想ができることに気がついた。この技術は

TRIZ
(ロシア語 Teoriya Resheniya Izobretatelskikh Zadatch
(Теория решения изобретательских задач) )

という経験的技法で「技術的ブレークスルーの40パターン」という。もっともソ連にて宇宙開発にはこの心理学と設計工学との活用はよくされたのだが、当時のデータの処理速度ではあまりにも時間がかかり、教育訓練の活用のほうが多かった。(40×40というように膨大な出力を扱うので人力では難しかった・クラシカルTRIZという)ソ連が崩壊した時にかなりの技術者が国外に出て行ったときにこの軍の秘密技術が流出したため、米・欧ではこの理論をコンピュータのデータベース解析に使っていく技術がITとの組み合わせて追加証明をして活用し始め注目された。(コンテンポラリーTRIZという)
この原理は以下のようなものを組み合わせてなる。
【01】 分けよ
【02】 離せ
【03】 一部を変えよ
【04】 バランスを崩させよ
【05】 2つを併せよ
【06】 ほかにも使えるようにせよ
【07】 内部に入り込ませよ
【08】 バランスを作り出せ
【09】 反動を先につけよ
【10】 予測し仕掛けておけ
【11】 重要なところに保護を施せ
【12】 同じ高さを利用せよ
【13】 逆にせよ
【14】 回転の動きを作り出せ
【15】 環境に合わせて変えられるようにせよ
【16】 大ざっぱに解決せよ、一部だけ解決せよ
【17】 活用している方向の垂直方向を利用せよ
【18】 振動を加えよ
【19】 繰り返しを取り入れよ
【20】 よい状況を続けさせよ
【21】 短時間で終えよ
【22】 よくない状況から何かを引き出し利用せよ
【23】 状況を入り口に知らしめよ
【24】 接するところに強いものを使え
【25】 自ら行うように仕向けよ
【26】 同じものを作れ
【27】 すぐダメになるものを大量に使え
【28】 触らずに動かせ
【29】 水と空気の圧を利用せよ
【30】 望む形にできる強い覆いを使え
【31】 吸いつく素材を加えよ
【32】 色を変えよ
【33】 質を合わせよ
【34】 出なくさせるか、出たものを戻させよ
【35】 温度や柔軟性を変えよ
【36】 固体を気体・液体に変えよ
【37】 熱で膨らませよ
【38】 「そこを満たしているもの」のずっと濃いものを使え
【39】 反応の起きにくいものでそこを満たせ
【40】 組み合わせたものを使え

G.S.アルトシュラーは1956 年の論文で、産業史とあわせて以下のように述べているのだが、この根底にマルクス経済学が影響しているとはいえるものの、面白いことをいっている。そういえば毛沢東の著書に矛盾論というのがあるが、矛盾生成を(訳語の影響を排除したいなら相反条件の解決といういいかたもあろうか)根拠にしているのは共産主義的(≠マルクス経済学)ということになろう。ほかにも、言い回しに共産主義的な言い方が残る。また衆知をあわせて天才に立ち向かうことを旨とすること自体はあまり欧米的ではない。(全体主義的とさえいえる)
発明的創造の心理学について 
自転車の発達をごく駆け足で概観しただけでも、次の結論を下すことができる。
1. 機械、機構、工程の個別要素は、常に密接な相互連関の下にある。
2. 発展は不均等に生じ、一部の要素がその発展の過程で他の遅れた要素を追い越す。
3. システム(機械、機構、工程)は、進んだ要素と遅れた要素との間に矛盾が発生し、激化するまでに限って計画的に発展させることが可能である。
4. 矛盾は、システムの全体的発展に対するブレーキとなる。発生した矛盾の除去こそが、発明である。
5. システムの一部分を根本的に変更すると、その変更が必然的に求める条件に従って他の部分に一連の変更を加える必要性が生じる。
したがって、新たな技術課題を創造的に解決するには、それがどの技術分野に属するかにかかわりなく、次の3 つの基本的要件が求められる。
1. 課題の設定すること、および当該の技術分野に既知の通常の方法による課題を解決することを妨げている矛盾を明らかにすること
2. 新たな、より高度の技術的効果を実現するために矛盾の原因を除去すること
3. 対象システムの構成要素のなかで変更されたものと他の要素との間の整合を実現すること(新たな質に適合する新たな形がシステムに与えられる)

カードにしたり応用演習的なところは日本らしく、そのようなコンサルさんもあるんだが実は日本国内ではかなりこのあたりがひん曲がって伝えられた。
1997年 TRIZ は日本で日経 BP 社は「発明術」という名前を紹介した。ちょーネーミングミスだったわけで TRIZ に飛びついた多くの企業がいたずらに成果を出せないと言い「使えない」という一時的誤解が広まった。製品知識・業界知識・技術の知識を保有しない企業は、上の40項目の基礎的データベースがないんだから、TRIZ を使って画期的な問題解決策を生み出すわけない。
当時の文献や学識経験者も多くは発明術と言っていて、当方はなんとなく最初は眉唾だと思ったことがある。詳細文献を読んでから本当の使い方がわかってきた。TRIZ は思考を支援するツールで、支援のための縦断的検索機構を備えたロジカル問題解決思考ツール・ないしは知識データベースの検索エンジンである。TRIZの思考支援とは、利用者に問題解決のステップを明示すること、および利用者の早合点・思いこみの排除をシステマチックに行うツールである。
というわけで、日本以上にIT環境のいい韓国では日本以上に普及している。その反面現在のTRIZ は、IT 分野への拡大・研究が一時期盛んになり。さらには、まだ実現段階とはいわないが、マネジメント理論だとか、創造性能力開発分野への言及もあるようだ。(続く)

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