« 全ての道はローマに通じる(2/2) | トップページ | 目立ゃあいいねん、CMだし »

柳陰の自作を試みる

カクテルは近所に飲ませるお店もあるのだが、女性と飲みに行く事もない(妻は酒を飲まない)こともあって、最近はあまり飲む機会がない。時々チューハイやホッピーは飲んでるなあと考えた。とはいえ定義上は

カクテル:主にベースとなる酒に、他の酒またはジュースなどを混ぜて作るアルコール飲料。混酒。複数の飲料を混ぜることで独特の味、フレーバーを作る。ベースとなる酒には、ウィスキー、ブランデー、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラなどのスピリッツ類を使うことが多い。最近ではリキュール類もよく使用される。厳密には複数の酒を混ぜたもののみがカクテルであり、酒とソフトドリンクを混ぜたものはハイボールに分類される。

ということ。私はスクリュー・ドライバー、カンパリソーダとか電気ブランになってしまうのは安易な流である。
-----------------------------
知人に、こういう話がある。
コンビニも近所にない時代、金も無い貧乏学生が寒い夜、酒がのみたくなったのだがあいにく酒が切れている。台所に行くと煮物に使う本みりんがあった。そのため台所でごそごそ飲んでいたら、やってきた知人に見られてしまったというのだ。
過日この人(貧乏学生も今はある会社の幹部になっているのだ)にあったが、「そーゆーこともありましたねえ」なんて言いながらビールをぐびぐび飲んでいた。
ブログランキング・にほんブログ村へ

まんざらありえない話でもなくて

1.純米本みりんに糖類やアルコールを加えてある本みりん
日本酒よりもコクがある。口当たりも甘い。但しずっと口に入れていたら、苦味を感じる。
2.もち米と米麹と本格焼酎で造られる純米本みりん 
薄茶色に熟成。料理にもいいけど、飲んだ時の最後の一杯には甘味酒になる。
3.本みりんにブドウ糖、砂糖、アルコール、発酵調味料、化学調味料などを含んだみりん風調味料
一口目はいいけど、二口目から飲むのはちょっとつらいね。料理にはいい(塩分が高くなっている)。
4.焼酎にもち米と麹を入れてこした本直し(節税安価焼酎飲料)
酒税法ではみりんだけど、若干甘味のある焼酎。料理には無理そう。(その後、発泡酒同様の「節税焼酎」として1990年代末期には飲用酒としての販売量が増加したものの、大蔵省は2000年の酒税改正にて焼酎を多く加えた飲用みりん(アルコール分23度以上、またはエキス分8度未満)については焼酎と同じ税率となり、直しへの需要は急激に廃れた。)今は本来の意味での甘味の強いみりんに焼酎を加えて甘味を抑え、飲みやすくしたものと言う形で限定して売られている。

というわけで、みりんは元々高級な酒であったらしい。但し今の料理用本みりんは飲用向けではない。そして焼酎と味醂を醸造過程でミックスするのが本醸造柳陰(旧来の意味での本直し)であるが、焼酎に味醂を加えたカクテルも柳陰と言ったらしい。有名なところでは、落語にある。
青菜:ご隠居が出入りの植木屋さんに暑い日酒を振舞うところから始まる。
■来てもろたんはほかでもない、よかったらこんなことの相手でもしてもらおと思いましてな
●何でございます? わたしがここでお酒を頂戴するのでございますか? そら厚かましございます。
■なに厚かましぃことありゃせん。言ぅて何じゃがあぁ~たのためにしつらえたわけやない。わたしも少し早よぉに体が空きましたんでな、暑気払いにちょっとこんなことをと思いまして、よかったら相手してもらお思て。
●ありがたいこっておます。頂戴するのでございます
■そら結構、いきましょか……。そぉじゃ、言ぅとかんならん。暑いあいだはな、お酒ちゅうやつは妙に体が火照(ほめ)いてどもならんでな、柳陰といぅやつを井戸で冷やしていってますのじゃが、どや植木屋さん、あんた柳陰ちゅうのん呑んでかえ?
●旦さん、何とおっしゃったんで? 柳陰。ヒョ、ヒョェ~、贅ぇ沢なもんお上がりになって。なんでございますよ、どこでも誰でもといぅわけにまいらんのでございますよ。柳陰てなもんはヒィ~ンヤリとえぇあんばいに冷えんことには具合悪ございます。ございますよってに、そんだけ深い大きぃ井戸がございませんことにはすっくりまいらんのでございます。当今はともかくも、昔は「大名酒」と申しまして、お大名より上がらなんだもんでございます。それをご当家で頂戴できるなんて、こんな結構なことはございませんのです。頂戴をするのでございます、へっ……。うわっ、こぼれたら勿体のぉございます。柳陰、色が違いますです。涼やかな色しております……、頂戴するのでございます。何とも言えんえぇあんばいに冷えてございますもんですから、体じゅ~に出とりました汗がシュ~ッと一どきに消えて無くなりました。ありがたいことです。旦さん、これ味醂が少し入ってございましょ。柳陰ちゅうもんはそぉちょいちょい頂くわけやございませんねんけど、うちのお婆んがいける口でしてね、天王寺さんへお参りした帰り、一心寺の前の甘酒茶屋で飲んでましたんでございます。わたいが子どもながらに「お婆ん、ちょっとねぶらしてぇな」言ぅて飲ましてもらいましてね。「味醂て、お酒や言ぃ条甘いもんやなぁ」ちゅうのん、未だに覚えとります。結構でございます。旦さん、酒といぅのは面白いものでございますねぇ。せんど頂きましてもえぇあんばいにならんことがあると思いますと、少ぉし頂きましても嬉しぃなぁといぅことがございます。ちょ~ど、今がそれでございます。(後略・原典は桂枝雀のもの)

参考:

ゴマすっていますが、まあ日本酒と違った意味で暑気払いなどに珍重されていたようである。
つまりカクテルとしてはみりんを焼酎で割った柳蔭は、米麹を使っているなとわかるお米の香りがして、お酒としては甘いが高級な酒だったらしい。甘いだけではなくて酸味もあるし、後味は本醸造のお酒のようにキリッと締まる。飲み物としての存在価値が高い。
-------------------------------
そこで到来ものの飲用本みりん(http://kanda-izumiya.com/cook/lst_mirin.htm)・・・もち米と米麹と本格焼酎で造られる純米本みりん・・・があったので、甲種焼酎を持ってきてカクテルにして氷を入れて飲んでみた。みりんは養命酒や陶陶酒・保命酒(広島県福山市鞆の浦名産の薬用酒)に使っていることもあり、これらのメーカーはたしかにみりんも製造していることが多い。養命酒はみりんに生薬を加えたことから生まれ、現在も養命酒の原酒は「みりん」を主体にしている。
また保命酒のメーカーでは
蒸したもち米(糯米)と米麹(粳米)と焼酎が原料。米として広島県産ココノエモチ(糯米)を、麹米(粳米)は県内産の中生新千本(なかてしんせんぼん)を使用。
糖類・アミノ酸・酵素剤等は一切加えず、昔ながらの手作業による製法。
伝統的な製法で仕込み、50~60日の熟成後、酒袋にもろみを入れ、桜の木の「槽(ふね)」という道具を使い、じっくりと搾る。
料理を味醂本来の独特な香りで芳醇で贅沢な味。又直接飲んで頂くとその良さが納得頂ける。アルコール分約14%。1升瓶換算2000本の限定販売と致します。

でどうだったか・・って、確かに女性に飲んでいただくにはいいもので、意外と本みりんはカクテルの材料として使えるのではと思っている。梅酒などをお好みの方にはお勧めで、最近はクラブソーダ(これが近所の100円コンビニにあるんですな)なんかをさらに加えるといいかもしれない。但し甲種焼酎は少し選定を要する。(http://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/homemade/index.htm ホワイトタカラ35度を使ったのは直接的には失敗だったが、炭酸を使うならこれになる)こういう工夫も面白い。
また、こういうものもある。意外と世間に知られていないものであるが奈良市内で売られている。
「あられ酒」
かき餅、またはもち米を薄く伸ばしてからあられのように切ったもの(一説には南都6寺への納入のあまりの米を保存用にあられやかきもちにしたものを払い下げたものを使ったとか)を、焼酎に漬けては引き上げて日に干し、これを数回くり返した後、上みりんとともに瓶に入れ、密封して20日ほど熟成させたもの。江戸時代初期に、奈良の漢方医・糸屋宗仙が、池に浮かぶあられを見て、思いつき作ったものといわれる。当時の文献に“都の貴顕や戦国武将たちは、あられ酒を贈答品としてたいへん重宝した”とある。あられ酒は飲用を目的に本格的に醸造された甘美酒で甘みの主成分は醸造された葡萄糖で、みりんより爽やかな風味。
■アルコール度数13.5~14.5度■エキス分16度以上 税法上はみりん扱い

ボイラー・メーカー(Boiler Maker)という、ビールベースのカクテル(ビール+バーボン・ウイスキー)がある。爆弾酒もカクテルである。韓国でウイスキーをビールで割って作った酒、またそれを飲ませる慣習のことで北でも南でもあるらしい。但しバリエーションはいろいろあるようだ。アルコール度数が比較的高く、ビールの炭酸がアルコールの吸収を早めるので酔いやすいとされる。日本でも、焼酎をビールで割ったものに「爆弾」の名称を用いるというのだが、この事例では大ジョッキになみなみと注いだビールの中に、ウイスキーを入れた小さなグラスを落とし、通常は一気飲みする。爆弾酒を一気に飲み干した後、ジョッキを頭上に掲げて振り、カラカラと音をさせて残らず飲み干したことを座に示す。ウイスキーがない場合に代用として焼酎を用いる場合もある。目上の人が作って飲ませる場合には、無条件で一気に飲み干さなければならない。儒教秩序・情文化の両方が影響しあって生まれた飲酒文化ともいえるが、日本でも地域によっては同じような事例があるため本質はヒエラルギーの問題になるようだ。
さらにはかの地では反日感情も強くあるからか、あるときは炭酸を強くしたスパーリング性の『原子爆弾酒』をこともあろうかTV中継と駐韓日本大使の前で披露したことさえあったらしい。http://jp.youtube.com/watch?v=gX-JbBYkiZ8(爆弾酒を飲んで、醜態を晒す韓国の指導層を告発している番組。ちなみにTVは駐韓大使の不愉快そうな顔を抜いている。よくそのときは怒らなかったものだが、後に駐韓日本大使が相手(議員)に抗議したという。これが国民のコンセンサスであるからこそ指導者層が成り立つ側面はあるだろう)文化的土壌やパワーハラスメントとしての側面を含んで根絶が難しそうである。儒教思想の色濃い地域では、このヒエラルキーを重視する同思想の関係から目上の者が目下の者に飲酒を勧めた場合、社会通念上でも固辞することをタブーのように捉える・あるいは固辞されると面目が潰されたと感じる傾向がある。が、一種のアルコールハラスメントとも取られかねないのだかそれ自体が既存文化の破壊という解釈になるため難しい。
ところで、上述の養命酒や陶陶酒・保命酒を飲むのには薬くさくてということを聞く。確かに我が家にも到来モノの養命酒が来ていたが料理に使えないのには閉口し、水や湯で薄めて飲むことが多かった。考えればこれは、ベルモット (Vermut、Vermouth 白ワインを主体とし、香草やスパイスを配合して作られるフレーバードワイン)と似ている。ベルモットは食前酒として飲まれるほか、カクテルの材料や料理に良く使われる。だから確かにビールに混ぜるのは一つの飲み方ではあるのだが・・・有る人に言ったら「それでは爆弾酒ですな」・・・ううむ。
------------------------------
要するにカクテルというのは、自分で視覚的にせよ、味覚的にせよ自分で変化させることが出来、それを第三者に評価してもらう為のツールとして面白い。元々は海外でもまずい酒をうまく飲んで(場合によっては浮世の憂さをわすれて)もらうことがその趣旨であろう(ボイラーメーカーもスクリュードライバーもそのような由来がある)が、開発や製品化、研究と言う意味ではその知見が生かせやすいという意味では愉しいものである。身体を壊さない程度には嗜んでみたいものと思っている。
といって世界でも例がない、ノーアルコールビールと焼酎のカクテルを飲む・・・ってそれホッピーちがうんかーい!ルネサンース!

|

« 全ての道はローマに通じる(2/2) | トップページ | 目立ゃあいいねん、CMだし »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/42923128

この記事へのトラックバック一覧です: 柳陰の自作を試みる:

« 全ての道はローマに通じる(2/2) | トップページ | 目立ゃあいいねん、CMだし »