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あなたと違うんです(1/2)

最初はこういうのから。

話題になっていますねえ。
あるBLOG(http://ray-fuyuki.air-nifty.com/blog/2008/09/post-28e4.html)で、こういう見方がされていた。
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「あなたとはちがうんです」って、どう英訳します?  今年の流行語大賞候補に早くも挙がっている、福田首相の「あなたとはちがうんです」であるが、これ、どう英訳されているのか、ちょっと興味が湧いて、ニュースサイトやブログを調べてみた。いくつか、例を挙げよう。   I can see myself objectively, as opposed to you. (telegraph.co.uk)   I can see myself through an objective perspective. I am different from you. (Asia Times Online)   I am able to view myself objectively and that is my strength. (Business Week)   I am able to look at myself in an objective manner. I am different from you in that respect.  (Asian Gazette)   I can see myself objectively. I'm not like you. (Reuters > Yahoo! News)  面白いのは、アジア系の媒体では、福田首相の「ちがう」という言葉を、different と訳しがちなことである。欧米的な indivisualism が無意識にでもベースにあると、AさんとBさんとが different であるのはあたりまえのことであって、different では「おれはおまえより上等な人間なのだ」という倣岸なニュアンスが出ない。しかし、英語を外国語として学習したアジア人が読むと、たしかに福田さんの言いたいことは different でわからんでもない。おれはアジアのほかの国の言葉をよく知らないが、他と“異なる”ということに、個別には積極的な価値を見い出さないとか、そこに階層的な差異を見い出してしまうとかいったものの感じかたがベースにあるあたり、同じアジア人だなあと思う。アジア人にとっては、同一階層にある者同士が different であることは悪いことであり、different であることを誇示してもよい対象は異なる階層(とくに下の階層)にある者なのだろうな。(後略)
そこに持ってきている視点はなかなか面白いですね。ちなみにこの人は日本で積極的に取材活動を行い、日本文化や風習を知っているロイター(Reuters)が一番いいのではという意見である。

『福田首相は辞任会見で「会見がひとごとのようだ」と(中国新聞・・広島市の)記者から指摘され、「私は自分のことは客観的に見ることができるんです。あなたと違うんです」と気色ばんだ。(中略)「まさか辞めるとは思わなかった。記者の質問にカチンと来て、思わず本音が漏れてしまったのでしょう」と話した。
「客観的に見ることができるのに、こんな時に辞任ですかぁ…」
「最後になってようやく官房長官時代のキレを取り戻しましたね。自身の辞任会見で逆ギレするのはどうかと思いますが」
「政(まつりごと)をする人間というのは、これくらいの自信がなければやっていけないでしょうね」
「投資も全く同じ。他人になんと言われようと、『私はあなたとは違う』と言い切れるくらいでないと」
と議論が色々有るという』(asahi.comによる)
勿論、最後に捨て台詞をいうのはじつは政治家では(マナーは悪いともいえるが)決して珍しいことではないし、それまでの経緯から考えるとどうも首相になってから、自分の意図したことを国内でも海外でも従うことをさせられずという、軋轢の中に置かれた立場も多少は感じる。官房長官時代は能吏のキレを存分に発揮した人だが、政治は能吏だけでできるものでもないところ。だれも優秀な政治家と見なされる小泉元首相が官吏なら、仕事が出来る人材という評価はしないであろう。
さて「会見がひとごとのようだ」というのは政治記者の印象である。もともと冷酷に表現する人物でもあろう(官房長官時代の彼は熱意を出す小泉氏に対し、見事に官房長官としての冷静な視点を見せていたと思う。)それに対してそれは違うという言い方をしたとて、誰も聞かない情勢を福田氏は感じていたのかもしれない。そこで冗談で流すこともあったのだがそれは能力的に無理だったのだろう。このような逆切れ的コメントになってしまったのは、有る意味これ以上やっても引き際がきつくなるし政治も推進できないしという見方も成り立つ。
この発言を引き出したのは、報道記者としては視点を望外の出来だったとは思う。そこは高く評価したい。しかし、聞く相手は新聞記者である場合、一般には新聞記者は新聞記事を書く時に主観的に書くのではなく客観的に書く修練を記者になった時からするとはいえるらしいが、果してこのような意見を喚起する場合客観的な評価を主観的視点を排除するとしても、なされているのかは注意する必要がある。
もっとも、新聞記者は新聞記事を書く時に主観的に書くのではなく客観的に書く修練を日本ではするのだが、必ずしもそうとは言えないし、客観を意図する行動のモチベーションになるのは主観である。それを知って記者に『あなたとは違うんです!!』なんて言葉を浴びせたなら、意趣返しの意味合いもあると私はほくそ笑む。けど、普段から政治記者として活躍しているわけではない地方紙の記者だとすると、質問した記者の面目を潰したといわれても仕方がないのかも知れぬ。
だから、こんな番組までできるんですな(爆)。(客観偏差値バトル08 芸能人は己を客観視することが出来るのか!?)

新聞に限らず他人の著作物を読むときに注意したいのが、「主観的記載」だ。主観的報道ともいえようか。
「主観的記載」と「客観的記載」がある場合、「誰が、いつ、どこで、どうした」と、事実をありのまま正確に示し、その事実の善し悪しの判断は読者に任せるというのが「客観的記載」だ。
この場合、「情報の価値」を引き出すのは読み手側にある。だから一見簡単そうに見えて、「情報とその意味」を読み取るのは意外に高度なはず。一方「主観的記載」は、ライターがある一定の主張主義を持ち、その観点から事実に関する情報を伝えるやり方で、新聞の記載では記名記事になってるのが多くなった。勿論社説は主観的記載である。
「主観的報道」は、書き手の分析や主張が有るぶん読むほうには楽で、「ざっくり判った」気になるが、頼ってばかりだと、気づかないうちにその書き手の主張主義に入り、自分の考えで社会の動きをつかむ力が育たない弊も有る。
実は記名記事の多い、アメリカの新聞記事は読んでいて小説のようでおもしろく理解できるが,どこまでが事実でどこまでが虚構なのかがわからないというらしい。だからこそ記事が記名記事になるともいえる。実際に欧米の有名な新聞でも,事実とは異なる報道がなされたり,また,事実を超えて著者個人の感情的な意見が前面に掲載されていることさえある訳で、それが容認される読み方をするわけだ。逆に言うとアメリカの新聞はごく限られた新聞でも事実でどこまでが虚構なのかが判る人を相手にしてる、「予定調和的報道姿勢」が潜むわけ。「主観的記載」と「客観的記載」の判別は読者のスキルに任されるか、新聞社の姿勢(例えばタブロイド紙では主観的記載が多いとか)を習慣的に判読する。それが出来ない人は新聞を読まないのだろう。これを、「客観的な事実の伝達を主とする科学的文章」と「主観的な事実の伝達を主とする文学的文章」と考えよう。
客観性を重んじる、昔も今も品質一番の新聞は科学的文章で記載されている傾向が高く日本の新聞は信頼度が高いので受け手がそのまま情報を信じていてもいい内容が多い。(勿論そう認識させる文章になる)文学的文章で記載されているアメリカの新聞では事実と虚構の区別が不明確なので,受け手である読者に批判的に新聞を読む能力が必要とされる。
日本の新聞記事には書き手である記者の主観や意見をまじえるなという教えがあり、だからこそ、著名記事が少なかった。アメリカの記事には書き手の意見がてんこ盛り。国柄の違い、国が違う上でのジャーナリズムというものの捉えかたの違いだ。とはいえ結局、人間が書くものだから、日本の新聞記事にも新聞記者にも主観が入っているところはいくらかはあろう。方向性を決めずしてモノは書けない。ある事柄をポジティブに書くかネガティブに書くかで、すでに主観は入っているのだろう。BLOGはこのような文化の下で始めて価値を出す・・という側面を持つところがあるし、日本の報道で私見がまざるぐだぐだなゆるーい報道系番組を「ブログ放送」「居酒屋放送」(後者は勝敗が決まってしまったり、見せ場のない野球中継でのトークが始まり)なんて言う人もいるぐらい。けどその側面が日本の新聞にないかというと皆無ではない。

次ぎは演習です(爆笑)。
ご参考

(続く)

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