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抜本的改革を受け付けない

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20080707/154426/?P=2
気になるものづくり系ベンチャー企業のお話  2008/07/07 17:51 丸山正明=産学連携事務局
日本のIT(情報技術)ベンチャー企業で唯一高い株価を維持し,2007年度の売上高で約300億円,経常利益で100数十億円と好業績を上げるディー・エヌ・エー(DeNA,東京都渋谷区)。同社をご存じない方は,お子さんや20歳代の若い社員に「モバゲーて何だ」とお尋ねいただくとして,話を先に進めたい。その代表取締役の南場智子氏が,あるコンファレンスでこう語った。「日本は,ソニーとホンダの登場以来約60年間,グローバル市場で活躍する製造業系ベンチャー企業を輩出していない」と。
 これに対して米国は,例えばものづくり系ではヒューレット・パッカードやシスコ・システムズ,デル・コンピュータなど,IT系ではマイクロソフトやグーグル,アマゾンなど枚挙に暇がない。南場氏は,米国と違って日本ではグローバルなベンチャー企業が育たない理由を「日本企業は,ある程度の市場規模を持つ日本市場内に留まり,冒険をしないから」と分析する。やはり日本では世界的なベンチャー企業が育たないのかなどと思いながら,私は講演を拝聴していた。
 南場氏が講演したのは,日本では珍しい独立系VC(ベンチャーキャピタル)の日本テクノロジーベンチャーパートナーズ(本社東京都千代田区)主催のコンファレンス。(中略)
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と言う見方も有るが、日本人は経験を積み重ねて物を創出していく傾向が有ることは、反面このような側面がある。資本形成に対してもそうである。
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日本の市場形成が極めて日本固有のベースにある・・・というのはケータイ市場が日本語メール・キーボードシステムの普及のため海外からシーラカンスとまで言われていると言うことに典型例がある。以前なら日本だけでも特徴的市場がなりたったのだが、非関税障壁とかいう以上に既にあるものの上に積み重ねることが、日本市場に膾炙する前提であろう。そこでスケールメリットというと生産する会社が海外から参入することがリスクが多すぎるということも多いらしい。例えばモバゲーの場合、携帯電話のキーボード等の操作が器用であるということが前提になるようだ。アメリカではそこから普及させなければならないと思う。その意味では、「日本の国民が,日本市場内に留まり,あまり冒険をしないから」ともいえる気もする。だからこそ地道なところを積み重ねていく志向があるともいえる。南場智子氏の視点は経営コンサル的視点が強くなっている(この人の出自から考えると当然である)し、ディー・エヌ・エー社自体が情報産業で商事的視点が大きいからさも当然である。それを考えるとこの発言は製造業的視点ではないということは意識していいかもしれない(とあれ、南場さんの能力を評価するべきであるのだが)。
日本の製造業でも、技術開発全体もニーズが総花的になっていることで離散的経営投資になるところが多いのも特徴である。例えば、携帯電話の機能を技術的に全てくっつけて、あまりにも煩雑になっても、製作者としては、全てのニーズに対応できるスケールメリットがある。私個人はケータイに話す以外の必要性を得ていないし、モバゲーをしようとする希望もない(一度他人のでやったが、元々ゲームをする事もないので)。なかにはこういうのもいる。そこで、「話せて安けりゃいいやん」というのと「話せばいいやん、薄ければ」・・とか志向がまた膨らむ。ところが、用途別に製品化をすることで価格的に見合う製品化が成り立つのかと言うと、製造側のコストが見合わないものが出来てくるということと思う。というわけで、商品化を検討する意味で余分なものを削ぎ落とした基幹部品を供給するという形が、製品化できにくいということなのだろうと思う。パソコンが、HD メモリーなど融通することが出来るように、自由な組み付けが可能なのが一つのモデルであるが、反対に全部パッケージ化しないと一般販路に乗らない携帯電話のようなものは確かに、製造側の低コスト化手法と商品企画手法、さらに市場要求の幅広さが相容れないため、製品化しにくいともいえる。むしろ携帯電話各社のサービス自体の訴求のほうに差別化を見出してることが大きいであろう。このような市場であるからこそ、既存のプラットホームに乗らない製品を作る必要がある。しかし逆に新規製品を開発する原資確保が難しいということがのしかかる。
量販店の店頭では,発売直後は新製品として大量に売れても,1年経てば陳腐化し営業的バックアップや補修などの付加価値がなければ売れないのが通例だが、この販売パターンはベンチャー企業には向かない。他社にはない独自の製品を開発し,大手企業と正面切って勝負しないビジネスモデルをつくろうと苦悩するようだ。これはものづくり系ベンチャー企業に共通した課題といえるが、ほとんどこの段階でベンチャー企業が成り立たなくなる。そこのため、M&Aで資本投下を行う大企業の傘下に入るという選択をする事例が確かに多い。(製造系でない場合は、資本投下が低く取れるからか、M&Aと言う形にはならないようだ)
このように、あるプラットホーム(政府投資・法規・既存インフラ)を固めて、その上に乗っかっていく、ないしはアンチテーゼということで進める(失敗学がそれ)ということは、既存の企業を強くし、そこに資本投下をすることで、ベンチャーを育成するという海外の企業モデルとは明らかにことなった製造業特有のシステムになるのだが、これを考えると日本では世界的なベンチャー企業が育たないが、一方ベンチャー企業の志向が旧来の企業に強くあるといえる側面もあるかもしれない。ただその制度疲労はある。極めて高い安定化志向と既存インフラ(資本もそうだが、倫理感まで含めた知識一般に関する項目全体が過去からの蓄積を極めて遵守する)が、志向を異ならせているわけで、製造業の品質等の優位性が高いことの特徴である代わりに、投資・回収等のノウハウのように流転するもの、技術が確立していないものには、お金も集まらず成功もしないという、両側面があるといえよう。
また、挑戦の事後評価よりも成功の事後評価(その手法が良し悪しあるのを問わず)を偏重するとも言われる。
----------------再開
ものづくり系ベンチャー企業を出現させるには
 今回のコンファレンスの最後に開かれたパネルディスカッションに,東京大学関連のベンチャーキャピタルである東京大学エッジキャピタル(本社東京都文京区)の代表取締役社長の郷治友孝氏が登場した。新進気鋭の若手キャピタリストである郷治氏は,「当社の投資先の40%ぐらいはバイオテクノロジー系ベンチャー企業だが,ものづくり系や材料系のベンチャー企業にも一定規模で出資している。特に,ものづくり系ベンチャー企業は事業化までに多くの資金と多くの時間を必要とするが,独自性の中に将来性という楽しみが見える」と語る。
 実は,ものづくり大国日本を支える新しいものづくり系ベンチャー企業が多数誕生するかどうかは,VCなどの投資に加えて,いきのいい若手人材の確保にかかっている。ベンチャー企業には,大企業とは異なり,多くの仕事を任せてくれる,自分の知恵を盛り込みやすいといった良さがある。私は記者活動を通し,若手人材がベンチャー企業を目指したくなるように知恵を絞りつつ情報提供していくことで,ベンチャー企業を支援していきたい。21世紀の“ソニー”と “ホンダ”の誕生が,再び日本を大きく変えると考えるからだ。
----------------終了
ものづくり系ベンチャー企業にハイリスク、ハイリターンということは今の世の中非常に大きいファクターではある。但し、投資と言うことに関しては農耕民族の特性、かつ利害関係調整というこれまた農耕民族的安定感から、事業化までに多くの資金と多くの時間を必要とするが,独自性の中に将来性という楽しみが見えるというモデルである。問題はそれを気長くもっていること自体が世界の企業にとってはリスクと見なされることと、社会のインフラが企業自身であるという概念が日本独自とも言えるかもしれない。企業内ベンチャーという発想は、海外の企業ではむしろ労務対策という意味で成り立つようであるが、日本はむしろ企業再生(第二創業ともいう)に視点があるというのも、日本以外では意外な視点だろうと思う。
資本の集積を重んじる経営を考えると財閥(非常に大きい独占的な資本家または企業の事であるが、持株会社が中核、支配している諸会社(子会社)に多種の産業を経営させている企業集団。)と言うものになるが、日本的銀行など資産管理団体をメインにしたものは、日本・韓国・台湾・香港にある。中国本土も昔はあったし、最近またその傾向はあるようだ。ところが、そのほかは複合企業とくっついたり離れたりするシステム(コングロマリット:直接の関係を持たない多岐に渡る業種・業務に参入している企業体。異業種企業が相乗効果を期待して合併を繰り返して成立。)になりがちである。しかし流動する現実に対してこのコングロマリット自体も最近は行われなくなっており、(同業の併合はかなり多いが)資本の中心となる銀行が取り込まれてるのは、よく考えると日本・韓国・台湾・香港なんですよね。
なるほど、財閥解体が、GHQが「侵略戦争遂行の経済的基盤」解体で、第二次世界大戦以前の軍国主義・経済体制の壊滅が目的とされる政策というのは、一つの明晰な判断結果のようである。

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現時点で日本におけるモバイル市場の最重要キーパーソンといえば間違いなくDeNA代表の南場智子氏でしょう。モバゲータウンを利用しない人にとってはピンとこないかも知れませんが、トラフィックはmixiモバイルを遥かに凌駕するもので圧倒的なシェアを確立しています。... [続きを読む]

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