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君が代という出囃子

ぼちぼち五輪の時期である。国際大会で君が代を聞くと感動するお方もおおかろう。勿論、とかく過去の経緯から君が代が国歌であるべきでないという議論もあるが、そこを保留すると、有る意味、選手たちの出囃子という考えかも出来る。国歌を出囃子と一緒にしていいかなという意見はスルーしてくださいね。
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出囃子は、落語家が高座に上がる際にかかる音楽で、一種のテーマソングともいえる。寄席や落語会では、落語家に限らず、芸人が登場する際の音楽全てを指すことがある。演奏に使用されるのは主に三味線、太鼓、笛、当り鉦など長唄用の楽器である。演奏者を下座、お囃子、ヘタリと言う。
現在は、落語家ごとに使われる曲目が異なっている。通は曲を聴いただけで、どの落語家が出てくるかを知る。考えればプロレスラーや格闘家の入場テーマの元祖とも言える。たとえば「野崎」の出囃子がかかると「文楽だ」「春團治や」と期待する。漫談・コントでも同じようなことを期待するが、出囃子に用いる曲は、自分の好きな音楽、自分が由来する楽曲にする場合が多い。例えばケーシー高峰の「ベン・ケーシーのテーマ」など。中には、キングコングのように名前のイメージや芸風で出囃子を決めたり、オリジナルの楽曲を作成する芸人もいる。逆に女性お笑いコンビアジアンの出囃子が「木遣りくずし」だったり。劇場ごとに出囃子を使い分けたり、その日のネタによって出囃子を変える芸人もいて、寄席・舞台の雰囲気を作り出す効果がある。
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落語家は、出囃子を自身の雰囲気や芸風にあわせて決める。長唄を元とする事が多い。出身地に因むもの(林家こん平・『佐渡おけさ』)や、自身の曲(桂雀三郎・『ヨーデル食べ放題』)もある。但し、あまり有名でない曲、その落語家しか使っていない長唄、長唄以外の洋楽やポップスなどを出囃子にしている落語家は、有名な長唄を代用曲として演奏してもらうようで、三遊亭好楽・・普段:『づぼらん』代用:『元禄花見踊り』、三遊亭小遊三・・普段:『ボタンとリボン』代用:『春はうれしや』などがある。もちろんテープを使う人もいる。(落語家の場合は出てくる間を演奏で時間調整する事もあって、テープと行かない事もあるようである。)
というわけで、長唄由来以外の曲を使っている場合、ヨナ抜き音階を使い、お囃子さんが演奏が出来るようにしているものに*を付けてみた。

自分専用の出囃子を作ってる
圓太郎囃子:8代目橘家圓太郎
新曲浦島:2代目笑福亭松之助(かなり変則的アレンジが入っている)
ヨーデル食べ放題 :桂雀三郎
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有名な日本の曲を題材にしている
*あの町この町:立川左談次
*三味線ブギ:川柳川柳
*檄!帝国華撃団:三遊亭とん楽(厳密には違うが、少し編曲している)
*宮さん宮さん:林家木久扇 (元々この曲は・幕末の行進曲に由来する)
*野球拳:三遊亭右紋・春風亭勢朝
*我は海の子:三遊亭歌之介(厳密には違うが、少し編曲している)
*ああそれなのに:月亭可朝
*芸者ワルツ:月亭可朝
月光仮面 :桂文福(ヨナ抜きのところのみ使ってるようである)
*魔法使いサリー:笑福亭笑瓶(前奏のみを繰り返すため)
*青い目の人形:2代目快楽亭ブラック
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有名な海外の曲を題材にしている
デイビー・クロケット:春風亭昇太
白鳥の湖:三遊亭白鳥 (使う部分はヨナ抜きである)
オクラホマミキサー:笑福亭仁智(使う部分はヨナ抜きである)
抱きしめたい:桂三若 (使う部分はヨナ抜きである)
レディ・マドンナ:桂三若
ミッキーマウスマーチ:桂小枝
*イエロー・サブマリン:川柳つくし・桂かい枝(厳密には違うが、少し編曲している)

じつは、これに気が付いて、サクラ大戦のテーマ(檄!帝国華撃団)を改めて聞くと、主旋律は概略ヨナ抜きで筝曲のアレンジが入っているですね。三味線でファ・シが弾けないわけではないんだそうですが、多少技量がいるんだそうです。また、浅草演芸ホールで三遊亭白鳥の高座を見たときには出囃子に確かにぶっ飛びましたが、前奏については確かに三味線でも(間の取り方が難しそうだが)こなしていました。(但しこの前のNHKでは、上記の理由からか代用の出囃子を用いてましたね)なお、この曲のうち著作権が発生するものは、申請をするそうだが、事由が事由なので費用発生はないことが多いらしい。それにしても、意外とビートルズの楽曲が多いことにきがつきませんか。
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ヨナ(47)抜き音階・ニロ(26)抜き音階 近代以降の日本固有の音階。
音階名:ヨナ抜き長音階 音階:C, D, E, G, A, C 備考 呂音階と同じ
音階名:ヨナ抜き短音階 音階:A, B, C, E, F, A 備考 陰音階の主音をAに変更
音階名:ニロ抜き短音階 音階:D, F, G, A, C, D 備考 陽音階と同じ
音階名:ニロ抜き長音階 音階:C, E, F, G, B, C 備考 琉球音階と同じ
ヨナ抜き音階は西洋音楽の長音階に当てはめたときに主音(ド)から四つ目のファと、七つ目のシがない音階のこと。西洋音楽関係者が日本音階の特徴として名付けた。雅楽の呂旋法がこれに当たる。ニロ抜き音階は短音階を西洋音楽の短音階に当てはめたときに主音(ラ)から二つ目のシと、六つ目のファがない音階のこと。(但し、呂旋法以外の古典邦楽はヨナ抜きではない。)
明治以前から伝わる日本の童歌や民謡のうち、陽旋法の物はすべてヨナ抜き長音階と同じ音程を使う。但し唱歌はヨナ抜きという印象だが、ファやシが入っている洋音階のものも多い。(「村祭り」「ふるさと」)意外だが、スコットランド民謡で使われる五音音階はヨナ抜き音階と同じ音階の曲が多い。明治以降に作られた日本の唱歌には、外国の曲に詞をつけた物がかなりあるが、「螢の光」や「故郷の空」は、スコットランドの民謡のヨナ抜き長音階と同じもの。また、ラテンアメリカのフォルクローレでも同様の音階が一般的で、世界各地に同様の音階が見られる。アイドル歌謡、フォーク、ニューミュージック、J-POPのなかにも曲の一部、あるいは全体がヨナ抜き長音階でできているものがある。(「上を向いて歩こう」、「木綿のハンカチーフ」、「昴」等)。「島唄」は珍しくニロ抜き長音階。演歌は圧倒的にヨナ抜き短音階の曲が多いが、「北国の春」、「夢追い酒」、「箱根八里の半次郎」のようにヨナ抜き長音階のもの、「リンゴ追分」、「りんとう峠」、「達者でナ」、「津軽平野」のようにニロ抜き短音階のものもある。
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となると、少しスコットランドの影響をうけた楽曲が、落語の出囃子に使い易いと言うのは、邦楽用楽器の旋律に乗りやすいということを推論することが出来る。ビートルズの楽曲が多いことはまさにその点であろう。また日本でつくった唱歌もこの翻案が多く、更にそれを出囃子に使うこと自体もその援用ということであろう。
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さて、色々と問題がある国歌だという声は多い。立憲君主制を謳う以上、君主を立てることは当然ともいえるし、反対にそれが、大東亜戦争という概念を前に出す結果ともいえるからこそ、違う歌と立てろという事もある。このことについて私は、立憲君主制ということを維持する以上、決して君が代は否定されるいわれはなかろうという立場である。ただ、国の出囃子とも言える国歌であるが、海外の国歌には戦略性を強く持つ国歌も決して少なくはない。義勇軍行進曲にさえその傾向はあるし、それを否定するとかなりの国で自己反省の責務がいるということではありそうだ。そのようなことを考えると、好戦的歌詞でもなく(解釈は種々あるが)主君の忠誠を古歌に託すという形であるならば、よくも悪くも元々は太平楽な国歌だともいえよう。その意味で、洋楽器でも和楽器でも演奏できるという考慮はなかなかな発想である。(但し津軽三味線・三味線・三線で君が代を演奏しているのは見たことないですねえ。)もっとも心情として排除するべきと言う人がいることを考えなければならないのだが・・・・総意と言うものは何にせよその要素がある。もっともスポーツ大好きな人には、君が代の曲の長さがさほど長くないことも、選手の気勢を削がないと言う意味でよいと言えるかもしれませんねえ。
さて、ネットの上でみた噴飯物の意見に、
(A)対外的に問題があるという意味で意見がまとまらないのなら、むしろ国際的な国歌の傾向にあわせるのも一つでは。
(B)では国際的に著名で、勇壮なサクラ大戦のテーマなど・・
(C)もしそうしたら帝國華撃団というところを大日本帝国に変えまして・・
というのを見ましたがね・・・・・・・おいおい!けどかつての「義勇軍進行曲」(これは元々映画の主題歌)が第一国歌で、「東方紅」(民謡由来)が文革時の臨時国歌と言う使い方をした中華人民共和国の事例、中華民国国歌(三民主義)と、世界大会で中華民国の選手が出場するときに使う国旗歌の使い訳もある。他にも、国歌のほかに種々の事情で愛唱歌をもうける事例はありますよね。意外と解決策はあるかもしれないです。

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コメント

こんばんは。
>有る意味、選手たちの出囃子という考えかも出来る。
選手たちの出囃子に向いてそうな勇壮な国歌は結構ありますよね。もともと国歌は軍歌をもとにしたものが多いですから。フランス国歌なんか歌詞もすごいです。
そんな世界の国歌の中でも「君が代」はかなり異質な存在で、あのメロディーはちょっと選手たちの出囃子向きじゃないと思いますけど。。。
しかし、君が代以上に出囃子向きじゃない国歌もありますね。ずばり、イスラエルの国歌です。
http://www.medianetjapan.com/10/travel/vladimir/russian_house/hatikva.html
特にコーラス付きバージョンで聞くと、なんだか悲しくなってきます。

投稿: kunihiko_ouchi | 2008年6月 9日 (月曜日) 22時51分

>イスラエルの国歌です。特にコーラス付きバージョンで聞くと、なんだか悲しくなってきます。
うわー・・・・重い!!!ある意味君が代ににたものがあるようですね。なんとなく民族と言うものの経過を一身に背負ったように見えます。

フランス国歌なんか歌詞もすごいですが、あるいみこれを風刺的に使うコラージュも時々あるから平滑が取れてるのかな。

投稿: デハボ1000 | 2008年6月 9日 (月曜日) 23時34分

>君が代

律音階を都節に変えると
より雅で、いい感じだが
五輪向きではないだろうw

投稿: 通りすがり | 2011年1月25日 (火曜日) 16時27分

>より雅で、いい感じだが
ふんふん。そうですねえ。戦意が高揚する・・・てことはちょっとないだろうなあとおもいます。

投稿: デハボ1000 | 2011年1月26日 (水曜日) 22時23分

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