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なにを持って軽いというのか(1/2)

別にITに魅力を持つのは、問題がないのだが。それがなぜ若い人においしく感じるのかを興味持つ必要があるかもしれない。日沈むからこないのか、ないしは一時の農学のように近視眼的に魅力が見えないのか、それよりも「ないものねだり」をしているのか。
--------------引用-----
外資系企業に就職した卒業生からのメール 濃密な人材育成戦略プログラムの内容とは… 2008年5月2日 
宮田秀明 教授(東京大学 大学院 工学系研究科 環境海洋工学専攻 兼 システム創成学科 知能社会システムコース http://triton.naoe.t.u-tokyo.ac.jp/index.html研究内容:シミュレーションによる設計 計算工学とシステムデザイン 技術マネジメント 社会システム工学 「理系の経営学」 )日経BPオンライン(抄)
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卒業生のN君からメールが届いた。米国系のある有名企業にこの春入社したばかりの新入社員だ。
 「入社後1週間は研修でしたが、先週の火曜日よりFinancial Management Programの1stローテーション先として、○○社に赴任しています。○○社では来年の1月末まで働き、その後は半年ごとに他のグループ会社をローテーションして再来年の7月末までの2年間で計4カ所の会社を回り、プログラムを終了することになります」
 「僕は○○社のFinanceのなかのControllershipチームの一員として働いています。と言えば、なんだかカッコいいですが、経理の中でいちばん経理経理、簿記簿記している、経理部の王道のようなところで働いています。でも、Financeの基礎を身につけるにはとても恵まれた良い環境のようです。チャレンジすれば何でもできるような環境なので、まずはFinanceの基本を学び、毎日の業務をいち早くこなせるようになり、その後は業務改善などプロジェクト的なことを自主的に少しずつ行っていけたらと思っています」
 「とりあえず、今のところ仕事はとても楽しくやっています!(研究室で鍛えられたExcelやPowerPoint、データベースに関するSkillがものすごく役立っています! 次はプロジェクト思考を発揮したいです!)」
 「ちなみに今のプログラムではFinanceスキルの育成以外に、リーダーシップ育成を目的としており、その一環として、世界各国の○○社のリーダーの方たちに会って話すことができる機会が頻繁に与えられます。なので、日常業務以外の面でもとても刺激的です! 今日も、○○社のCFOの方とのRoundtableがありました。ただ、英語はなかなかきついです。しばらくは仕事で忙しそうですが、少し慣れましたら、そのうち研究室にも皆で顔を出したいと思っています! それでは失礼いたします!」
-------------------中断
うーむ濃密ですねえ。
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機械系の研修というと、現場実習・設計部門や研究部門の巡回を行うのが普通。その段階で実務を行うということの価値観を学ぶところがある。それ自体は本質的には変わらないのですが・・・管理のための技術と言うことに徹しているようだ。但し、製造業の研修と違うのは、あくまで一種の帝王学を学ぶようである。「リーダーシップ育成を目的・・・・世界各国の○○社のリーダーの方たちに会って話すことができる機会・・・・・・日常業務以外の面でもとても刺激的・・・・○○社のCFOの方とのRoundtable」
うーむ、基礎から積み上げる形の製造業と違って、このように優秀な人が、優秀な人のための、優秀な事業研修ということらしいですね。プロレタリアには面白くないでしょう
技術経営理論を考えるとき、経営者が技術の外殻的な視点を持つことに腐心する余り、その成り立ちなどを理解せずに構築することは、最近極めて多いようだ。いや、技術としても、企画にしても以前はお互いの人事流動があったのだが、最近は各々が専門家になることで、相互不干渉ということになってしまうことが多いことが気がかりである。
ところが、海外ではこのようなことはむしろ当然であって、その意見をお互いが丁々発止することで意見のやり取りをおこなって決することをするというシステムになっている。相互理解などを始めから想定していないのである。だからこそ個人の素質育成を重視しある程度まで載せてから・・・あとは・・・ということであろう。
-------------------再開
就職先として、なぜ外資系企業が人気なのか
 最近の悩みは、私たちの研究室から社会へ巣立っていく学生の就職先の半分が外資系企業になってしまっていることだ。学生時代に鍛えられた、優秀でコンピテンシーの高い学生ほどその傾向が強い。N君も典型的な1人だ。
 彼らが外資系企業を選ぶ理由を集約すると、次の2つになる。
 (1) 入社後5年程度の期間に、やりがいのある仕事を任されてスキルアップできる。つまり成長の機会を与えられることが保証されている。
 (2) 給与が高い。
(中略)
 私たちの研究室で学生たちは卒業論文や修士論文を書いて卒業していくわけだが、論文を書くことを目的にした研究は行わないようにしている。新しいビジネスモデルを作るための民間企業との共同研究開発プロジェクトに加わって、成果を上げ、社会で実装されるようにマネジメントすることを経験する。そして、プロジェクトに加わった学生は、成果を整理した結果として卒業論文や修士論文を書くのだ。
-------------------終了
学生の就職先の半分が外資系企業になってしまっているというのは、研究室の特性からすると、有る意味あるかなあともおもう。それは有る意味タフな、いつまでも闘争心を失わない(と思っている)人間が始めからこの研究室に集まってきているような気がする。学生時代に鍛えられた、優秀でコンピテンシー((cómpetency :能力, 資格; 権能、権限; 十分な資産; )の高い学生ということが、この研究室の評価基準がそちらになっているということのような気がする。それが今の外資企業の判断基準であるからなお更であろう
但し、彼らは「ExcelやPowerPoint、データベースに関するSkillがものすごく役立っています! 次はプロジェクト思考を発揮したいです」と言っている。そこでさてこの基礎的データを前置条件として議論するわけだが、このデータのその出発点を彼らが遡って議論することを、この職務で担えるのかなという問題点が残ってしまう。帝王学を若いうちに養成するのは才能の発掘と言う意味では分からなくはないが、このなかで全体を見渡すことを軽んじるという「職分」であると割り切る・・勘違いする・・人材は意外とおおいのではないか。
語ることは立派だが、下地が薄い議論にあきれる経営幹部に会うことは、意外と海外企業に多い感じをもっている。勿論朴訥で言いたい事も伝わらないという幹部が日本には多いというのも問題。どっちがどっちということも言えるが。
となると継続雇用をメインにかんがえる日本企業と違い、仕事を作ってなんぼという企業体質ですから。
 (1) 入社後5年程度の期間に、やりがいのある仕事を任されてスキルアップできる。つまり成長の機会を与えられることが保証されている。 ・・・・・・・・・というのはその部分で習得できない人には、別の道に導かれると言うことだと言うことでしょう。しかもこの志向は「取り纏めの専門家」と言う、非常に抽象的技術が待っているわけで、横展開できるかと言うと・・・・(今後この志向は強くなるでしょうが)。
 (2) 給与が高い。・・・これはどうしようもないですね。その分ハードかつドライな生活なんでしょう。
さて、「論文を書くことを目的にした研究は行わない。新しいビジネスモデルを作るための民間企業との共同研究開発プロジェクトに加わって、成果を上げ、社会で実装されるようにマネジメントすることを経験する。そして、プロジェクトに加わった学生は、成果を整理した結果として卒業論文や修士論文を書く」というのは確かに教授効果と言う意味では高いモデルとは思います。但し、実はかなりの研究室では、民間企業との共同研究開発プロジェクトというスポンサーを求めることに腐心していることもあるのですよね。経営のためにはアドバイスを求めるが、技術は外に依存しないことを旨にする。こういう会社ばかりではないですが、技術投資の抱えこみで充実させることを会社の価値として抱え込むことは、有る意味日本の強みでもありますが、人材の集積が困難という問題があるようです。
要するに、投資志向が工業とて農業とて「より良く使われるための能力に過ぎない」という割りきりが一断面ではあって、それで満足しなかったりというところがあるのかもしれないです。そういえば以前は簿記業務を丁稚技能といって揶揄する人もおりましたが、この点を確立することが経営の改善に役立つと言うことでいまはそんなことはまずいいませんし、バランスシートが読むことが出来る身近な人材という場合さえあります。こういう時流による遷移はあってしかるべき。たまたまいまはそういう星の流れなのでしょう。
(続く)

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