« あーそれ、そんなの関係ねぇ | トップページ | 快速牝馬 »

退場は早いもの勝ち

ばんけい観光バス 路線バスから撤退 札幌の2路線、燃料費高騰で(04/14 15:59)北海道新聞
 札幌・盤渓地区で路線バス事業などをしている「ばんけい観光バス」(札幌)は、現在運行している全2路線3系統を20日で廃止し、路線バス事業から撤退する。燃料費の高騰などが理由で、貸切バス事業やスキー場、レストラン経営は継続する。
 廃止となる路線は円山線(盤渓-円山公園駅)と発寒南・真駒内線(盤渓-発寒南駅、盤渓-真駒内駅) 円山線は1日11往復、発寒南・真駒内線は同6往復運行し、冬期間はスキー客が利用するため増便していた。(注:11月~3月の冬季は倍増)北海道運輸局によると、2006年度の輸送人員は両路線合わせて延べ約19万2千人。同社によると、両路線合わせて年間700万-800円の赤字を出しており、「他の事業の売り上げで補てんするのは難しくなった」としている。
 これらの路線は地域住民や通学児童にとっては重要な交通手段。一部区間には代替路線がないため、札幌市は21日から当面は無料で貸切バスによる代替輸送を行うとともに、新たなバス事業者選定に向けて関係機関と協議する。
----------
ブログランキング・にほんブログ村へ

唐突廃止「早く後継を」 ばんけい観光バス 市が当面代替(04/15 14:08)北海道新聞
 札幌市中央区盤渓地区を拠点に路線バスを運行している「ばんけい観光バス」が、燃料費高騰などを理由に、現在の全2路線3系統を20日で廃止することになった。今後は、後継が見つかるまでの間、札幌市が当面、無料で貸し切りバスによる代替輸送を行う。しかし、唐突な廃止の決定と先行きの見えない状況に対して、利用者からは不安の声も上がっている。
 「ばんけい観光バス」が路線バスを始めたのは1977年。(中略) 路線バスは盤渓地区と地下鉄を結ぶ、地域とっては重要な足。それだけに沿線住民は驚きや不安を隠せない。
 学区外からの通学が可能な特認校である市立盤渓小は、全校児童113人のうち、110人が廃止対象の路線バスを利用。14日、同校は保護者向けに、市教委からのバス廃止を知らせる緊急の連絡文書を配布した。
 同校の稲実順校長は「廃止の知らせを聞いたのは今月10日。急なことなので驚いた。市が代替バスを運行するということだが、児童への影響がないようにしてほしい」と話す。
 五年生の息子を持つ西区の主婦出口英恵さん(41)は「発寒南駅からバス一本で学校へ行けるという点で、盤渓小を選んだ。不便にならないようにして」と切望する。
 毎日、通院のため路線バスを使う盤渓地区の主婦(68)は「当面は代替バスが運行されるということだが、この先どうなるのか心配。早くきちんと後継を決めてほしい」と求める。
 同社は今月12日から、盤渓地区の住民に対し、戸別訪問で廃止を伝えている。住民への周知から廃止までわずか8日しかないことについて、同社の我満嘉治社長は「利用者に不安を与えないよう、廃止後の具体的な対応を決めるまで周知しなかった」と釈明する。今後は住民向け説明会の開催も予定しているという。
 「路線バスは運行開始当初から赤字だった」と話す我満社長。近年の燃料費高騰や利用者の伸び悩みなどもあり、路線バス部門では年間700万-800万円の赤字を計上していたという。
 これまでは、スキー場経営など売り上げの良い部門で経営をカバーしてきたが、これ以上の補てんは難しいと判断。昨年12月に路線バス廃止の検討を始め、今年3月に市に意向を伝えたという。
 同社は路線バス撤退後も、貸切バス事業やばんけいスキー場やレストラン経営は続ける。(郡義之)
------------------
ばんけいバス 21日以降も継続 廃止方針変わらず(04/16 08:52)
 今月20日限りで札幌市内2路線の路線バス事業からの撤退を表明していた「ばんけい観光バス」(札幌)は15日、事業存続への支援が受けられるようになったとして、21日以降も当面、バス運行を継続すると発表した。ただ、同事業廃止の基本方針は変わっておらず、今後も札幌市などと連携し、後継事業者を探す。
 同社は、「支援者は道外在住者」とし、詳細は明らかにしていない。支援期間は最長で今年10月までで、支援額は路線バス事業の年間赤字額の半分に相当する最大約400万円になる見込み。
 14日の廃止表明から一転、運行継続になったことについて、同社の我満嘉治社長は「廃止報道を受けて、14日夜に支援の申し出があった。関係者には大変ご迷惑をかけた」と謝罪している。
 廃止対象の円山、発寒南・真駒内両路線は札幌市中央区盤渓地区の特認校・盤渓小学校の児童らの通学にも使われている。
-------------------
この会社は上記のように元々スキー場へのアクセスと言うところからスタートした会社です。盤渓地区は元々入植地だったそうです。でこの路線を運行した理由も・・・

荒井山線-盤渓発着便: 現:ばんけい観光バスが運行する路線。路線番号(西14)。
 かつては、旧市営バスにより運行しており、旧番号(45)荒井山線。(現在もジェイ・アール北海道バス荒井山線と一部の経路は重なっており、ダイヤ調整しているようだ。定期券の共通乗降区間がある)
 市営バス時刻表には「ばんけい観光西14 荒井山線」と、なぜか市営バス以外なのに時刻が掲載されていた。この路線は市営バス路線として昭和52年まで運行され、平日7往復・日祝日10往復で円山公園(のち同駅前)~盤渓を結んでいたが、1日当たりの乗客は定期券利用客を含め約100人、昭和50年度は740万円の赤字を出し、中央区内の路線なのに、国・北海道からの地方バス路線維持補助を受けるほどの過疎地域並みの不採算路線だった。
 当時、「ばんけい観光」が「スキー場、レジャー施設利用者のサービスとして同じ経路で無料バスを運行しており、肩代わり経営したい。」と、市交通局に申し入れた。交通局も地区住民も受け入れ、昭和51年2月、札幌陸運局(当時)に市営バス路線廃止と6月からのばんけい観光の営業認可を申請するも、当時のことで認可が得られず1年延期してばんけい観光による運行となった。
なお、発寒南・真駒内線(盤渓-発寒南駅、盤渓-真駒内駅)は後年の新規路線。

ということですから、「路線バスは運行開始当初から赤字だった」というのはわからなくもないようです。これでは、引き取り手がないでしょうね。そもそも札幌市営バスは赤字のため撤退し、路線は既存バス会社(この地域はジェイ・アール北海道バス)に委譲されいます。しかも、ジェイ・アール北海道バスは地方路線を削減撤退を繰り返した会社ですから、この辺りの収支見通しの算定基準も厳しい可能性があります。となると、もし引き取る会社があるとしたら既存の路線バス会社でないでしょうね。
さて、いきなり県外からの支援というところですが、これは我満嘉治社長の成り立ちから考えなければなりません。ばんけいスキー場を活動の基点においていた全日本スキー連盟のデモンストレーターというかなり有名なプロのスキー選手なんですね。
元デモンストレータとして活躍されていた、我慢嘉治さんhttp://www.gamzcrew.com/が2007.09.23日付けでばんけい観光バス株式会社の社長に就任さた。ばんけい観光バス(株)はスキー場、バス会社、焼き肉レストラン我夢主を運営する会社。2年続いたグループ全体の赤字決算を打開するべく、我満新社長が古巣ばんけいにもどってきた。

全体の経営改革自体が必要だということのようです。逆にいうと、社長の名前があるから、スポンサーがついたということなのかもしれません。
------------------------
最近は、バス会社の路線に対する退出が比較的認められるようになりました。また新規参入も多くなっていますが、当然ながら儲かる可能性のある所に入っていくわけです。そこでこのところ、突如路線運行の退出をすることは、ちょこちょこあるようです。(後継業者の用意が間に合わないとか)、その状況は全国いたるところで見られます。また都市部でもバス会社の路線退出を他の会社にお願いしようとして、業者公募をしても成り立たないというので、かなり紛糾している横浜市の例(後述)があります。
以前は免許下唯一の事例ですが、倒産によりバス運行を中止して、問題になった茨城観光自動車という事例があります。それ以降は会社更生法・産業再生法の適用はじつはおおいのです。更に任意整理などを起こしたり第二会社による債務精算などを行った事例は枚挙にいとみません。例えば、
-----------引用-
<福島交通>東京地裁に会社更生法の適用を申請  2008年4月11日(金)20時57分配信 毎日新聞
 福島県内を中心に鉄道、バスを運営する福島交通(福島市、武藤孝志社長、資本金27億円)は11日、子会社の「福交整備」とともに東京地裁に会社更生法の適用を申請し、保全管理命令を受けたと発表した。負債総額は福島交通が約73億9000万円、福交整備が約7億1700万円。過疎化による需要低迷や規制緩和による価格競争激化などで収益が悪化したという。鉄道やバスの営業は継続し、新スポンサーは「有力な候補がある」(代理人の弁護士)としている。
 福島交通は、経営難に陥った旧福島交通の受け皿会社として86年7月に設立。福島市を中心に路線、貸し切りバスと鉄道(飯坂線)事業を手がけ、93年9月期には117億1900万円を売り上げた。しかし、少子高齢化などで利用客が落ち込み、不動産の売却や不採算路線の廃止を進めたが、業況は好転せず、07年9月期には売り上げが約59億5100万円まで落ち込んだ。
 国土交通省によると、バス会社の同法適用は京都交通など全国で6番目、私鉄としては水間鉄道(大阪府)に次ぎ2番目という。【西嶋正法】
----------------------
これなんかは、一度会社整理を行っていたわけですから、資産を整理するなどしており、それなりの経験や、状況把握をしているわけです。それでもその後のあまりにも急激な産業構造の変化には付いていけなかった。これを先に公表すると、債務回収などの問題が出てきて、再生の可能性を全くなくしてしまう。継続して業務を行うことを意識している以上、早く公に出来ないという事情もあるんです。
ばんけい観光バスの場合も、残存する業務(スキー場や食堂)がある以上、早めに発表というわけにいかない。それでも、地元に対し説明をするとか、それなりの行動をしてるところは納得できる方法であります。
まず市には早くに伝えていた。この段階で受け皿営業先を探していたと思う。ところが、今は公共交通を引き受けること自体が事業の採算性に乏しいものとなってしまっている。従って引き受け先がないままに期限が近づいてしまったというところではないのでしょうか。
参考:http://www.kahoku.co.jp/news/2008/04/20080426t62024.htm

公共交通の退出と言うのは需要マスの収縮ということが最近わかってきました。今までは自動車転移ということになっていまして、コスト低減によって運賃を低廉にするとかの策で対処できるということになっていましたし、、それで算術上はなりたっていました。しかし、このところ自動車移行自体はあるが、それでガソリンが良く売れるということもなく、自動車の販売台数が増える事もなく、ただ需要が限りなく減っていくだけという現象が出てきています。単に減るだけならともかく、輸送量の維持が出来なくなるところがあるといえましょう。これはいままで海外でも顕著にはなかったことです。(アメリカでかなり前にもあったことでしたが、これが研究されたのは最近です)
このようにバス事業者の退出を自由化し、加えて新規参入障壁をなくすことで、最適な交通が得られる「最適化原理」という考え方が規制緩和の元になったといえる。確かに都市近郊ではこのモデルがはまったところもある。ところが、規制緩和は出来るものの、それを基板として創られてるシステムや行動に関して責任を取ることを求めるという、心理的な反発がここまで日本人に強いというのは予想されなかったようです。
なぜか、人間の発想を変えることが、ご飯を食べることに関与すると、とたんに融通が利かなくなるし、身体を張って維持に回るという行動で、生産性がないが、「確実に」食べられることを守ることが、創造できない。これは1世代で変革することを3年で変えろということに世間が変わっていることで、追従がムリと言うことになります。
また既成システムの改革ということで入っていった会社の中には、独自モデルを振りかざしたことが、旧来のビジネスモデルに慣れている人の意識改革を変えていきたかった・・・ものの、それは、習慣上や案外なところの利害関係が顕在化し、狭い地域でのもめごとに発展していることが、ちょくちょくあるようです。
欧米ならこのようなことがあった場合は、諦めが早いものなのだそうです。また、規制緩和を見込んで日本に入ってきた新たなビジネスモデルの中には、この日本人の重層型の経済システムを見て、無限大責任を負わせられるという認識をしたため、早々に撤収したものがじつは多い。元々新たなモデルを日本の流儀にあわせるという発想がない業者は撤収するほうが早かったようです。それはあわせることで企業のアイデンティティがなくなることを憂慮するというのもありますが、もっと算盤の世界で、「そのための会社の立ち上げコストが膨大になる」という結果を持って引き上げることもおおいようです。
-----------------------
去るも地獄、残るも地獄、ということはどんな企業にもあります。以前はそれを何回も繰り返した上、老舗になった企業が良い製品・良いサービス・良い倫理行動を取ると思われてきました。けどこのばんけい観光バスについては、やることをやっているにも関わらず、社会環境の変化により路線バス事業については、できるだけの誠意はだしても退場するしかない。本当はその上にのっかった重層的資産の喪失まで会社は面倒見切れないということを、誰しも認識する余裕がないので、いざという状態であわてふためくのだと思います。
------------------------
PS)横浜市営バスの内、路線を整理することになり、近郊地域の路線は廃止できるものは廃止し、併行するニーズがある所は路線を相手先に譲渡し、また新規の参入者も募った。そこでいくつはは事業者に委譲した。しかし、地元がインフラとしてる路線で残すことを切望している路線でも誰も運用希望が現れなかったり、運用希望者が想定されていても、その会社が既に市場退出を切望し、整理を進めている状況になってせめぎあいになっているということになっている。なによりも、新規の参入業者が現れないということもある。そのため投資もされたようだ。

平成19年4月4日 
日本政策投資銀行・神奈川中央交通(株)に対し、「公営事業民間化等促進(PPP)」融資を実施~横浜市営バス路線の民間移譲を支援~
日本政策投資銀行は、このたび神奈川中央交通株式会社(社長:髙橋 幹、神奈川県)が行う横浜市交通局からのバス路線譲受に対して、公営事業民間化等促進(PPP:Public Private Partnership )融資を実行しました。
近年、国の政策においても公的事業の効率化や地域活性化等の観点から、民間活用の積極化(PPP)が謳われており、加えて、地方公共団体においても、財政制約等を背景に、地方公共団体が行う事業の効率的実施や民間活用のニーズが高まっているところです。
「公営事業民間化等促進(PPP)融資制度」は、このような状況を踏まえ、民間の資金や経営能力、技術的能力等を活用しつつ、地方公共団体が行うバス等の公共交通や水道・ガス等の公共インフラを始めとする公営事業の民営化等を支援するための制度であり、本件が、公共交通として首都圏第一号の適用事例となります。
神奈川中央交通株式会社は、大正10年に設立され、神奈川県を主な営業区域としており、(注:東京都も主な運行地域:町田市・多摩市・八王子市)日本最大の規模を誇る数少ない上場バス会社の1社です。(注:バス単独の会社では ほかに(結果としてだがorz)新潟交通がある)
現在、横浜市交通局は、負担軽減や収支見直しの観点から、民間バス会社への路線移譲を進めており、本件は、同社がその経営能力・バス路線運行ノウハウを活かし、地域社会にとって不可欠な公共交通機関であるバス事業の、円滑かつ継続的な実施を目指すものであり、当行としてもこれを支援すべく融資を実行したものです。
当行は、引き続き地域金融機関等と連携して地方公営企業の民営化、公営事業の民間化等を促進する事業を対象に出融資を行っていく方針であり、当該出融資を通じて、地域住民へ提供される公的サービスの向上、効率的かつ効果的な実施を実現し、地域活性化に寄与してゆく考えです。

|

« あーそれ、そんなの関係ねぇ | トップページ | 快速牝馬 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/40905684

この記事へのトラックバック一覧です: 退場は早いもの勝ち:

« あーそれ、そんなの関係ねぇ | トップページ | 快速牝馬 »