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目的地に行くには

お手元に時刻表を置いて、巻頭に在る首都圏拡大図を見てみましょう。・・とかくと、また鉄道の話ですかあといわれるかもしれませんが、実は技術経営(MOT)の話です。
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今あなたは、湘南モノレール湘南深沢駅から国会議事堂まで行こうとします(国会議事堂前駅または同一駅扱いの溜池山王駅でないことに注意)としましょう。いったいどうしましょうか。
皆さんどういう風に、乗車しようとしますか。(但し、切符を買うわけでなく、パスネットやスイカで出来高払いで運賃を払える自由度があるとします)
それと最近の首都圏鉄道の常ですが、「雪で電車が来ない」「大雨でレールが水没しそこにつっこんだ電車の電動機がフラッシュオーバーで焼けて運休、(以前水が付いた駅構内にに通過電車が入ってきて、目の前でこれを起こしすごいモーター損傷(ワニス焼け)の上、止まってしまったのを見ました)」「運用上の運休や部分運休が良くある」「挙句の果てには宇都宮地区の踏切事故の関係で横須賀線が2日後も間引き運転をしとる」・・とかホントに多いですよね。いや「落雷で変電所のトランスが焼損し間引き運転」というアクシデントだってありましたし、忌まわしきテロと言うのもまさに在る。意図しない問題が生じることがあるんですよね。とにかく目的思考で国会議事堂にたどり着く事を考えて見ましょう。具体的には、貴方が国会の運営に関わる人物で、なんとしても国会にいかなければならぬという意識で遊んでみましょう
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まず駅にたって、「モノレールが来ません。車両故障です」というのがどこかから情報としてきた場合(この駅、無人駅ですからまずその情報収集が必要になります)そこであなたは考えるのですね。
駅の下に行けば、大船行きのバスもある。藤沢も、江ノ島方面も来るはず。そうして「どうかしてJRの駅に出る」ということになれば、さっさとバスに乗れば済むわけです。(事実、モノレールの真下の道路に京急バスが頻繁に走っている)あと場合によっては、さっさとうちに帰るというのもありかもしれない。
では、大船駅になんとか行ったとしましょう。ここからは根岸線で大廻りするという選択肢もあります。これなら確実に座れ、ぐっすり眠る事もできる。順当に東海道線でいけば早くつくというメリットがあるが、座れないので疲れる。こんなときにグリーン車もいいですが、別料金が掛かるようなことがつらい財布状態だと(とほほ)この選択肢はまずい。横須賀線だと座れるが、都内で地下深くに到着するので、そこが面倒である。
ここで優先順位と目的の明確化がしていないと、大船駅で構内をいったりきたりする結果、最近複雑化したエキナカ商店街の中に入ってしまい、余計な出費とか、無駄な歩行を行うようになっちまうのですね。そこでの自分の問題意識をどうもって、国会議事堂に到達するべきかと言うことを明らかにしておけばいいことになります。
では問題解決の方向性を設定してみましょう。

「最優先要件は、早急に到達できること」
「次の要件は、廉価で到達できること」
「その次の要件は、乗り換えに要する時間はすくなくすること」
「その後に求められる要件は、多少疲れてもかまわないので着席を条件としないこと

ということで、国会議事堂に行くのに、電車の着時刻などの比較を極めてすばやくか、携帯でそのようなサイトを見てデータを集めることで、横須賀線の電車に乗ったということにしましょう。
ここで、あなたは一応行程のあらかたの画を頭の中で書いてるんですよね。(いわゆる開発における大日程策定です)
大船-(横須賀線)-新橋-(銀座線)-溜池山王駅-(徒歩)-国会議事堂
大体一時間でと言うことになりますよね。
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ところが、ラブ・ストーリーは突然に・・じゃないですが、リスクは突然振ってくるものです。ここで新川崎駅直前で先行列車のトラブルにより、運行予定が未定になったということになったとします。そのとき新川崎駅でどうするかとすると、最優先は早期に国会議事堂に行くことですから、どうするかを思案します。逆戻りして横浜駅に戻るというのもありますし、じつは南武線鹿島田駅が至近(300M)なので、南武線に乗り換えてそこから、
①鹿島田-武蔵小杉-(東急)-渋谷-(銀座線)-溜池山王駅-(徒歩)-国会議事堂 
②鹿島田-川崎-(東海道線OR京浜東北線)-新橋-(銀座線)-溜池山王駅-(徒歩)-国会議事堂
(追加)③鹿島田-武蔵小杉-(目黒線・南北線)-溜池山王駅-(徒歩)-国会議事堂
という選択肢もあるわけですな。
でこの時にまた新たなリカバリー行為(改訂日程策定)を自然にしてるのですよね。
で、信号故障の逆に横浜駅に戻る可能性が少ないということを判断するか、見切る(これはむだな選択肢で疲労するよりさっさと動いたほうが余計なリスクを負わなくて済むという側面も含んで)ことで、ここではさくさくと川崎駅に行って京浜東北線に乗ったとしましょう。
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さて新橋に付いて銀座線乗り換えはそう面倒ではないのですが、駅前に出ると、
系統名:橋63  行き先:小滝橋車庫前 (東京都交通局)    
http://tobus.jp/cgi-bin/pcsection.cgi?act=sectl&kcd=TE29011101&scd=139905310000 
が待っており、すぐ発車しそうです。情報があれば、銀座線の駅から歩くより国会議事堂のまん前の「国会議事堂前」バス停でおりてもっとも短時間で到着することが出来るようになります。(バスの本数が多くないのでこれは一例と考えてくださいね
こうやって初期の目的が、色々な隘路に阻まれながらも決着するわけです。
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結構こういう行動って鉄道マニアでなくても、無条件でしてるものです。特にタスク(早急に到着という最優先課題)って良くあることですから分かるでしょう。もちろん時間があって、無駄な努力をしたくないという状況(課題)があるなら別選択(ゆっくりと開通まで待つとか、グリーン車でのんびりとか、タクシーを飛ばすとか)も各々にあるんです。
ところが経営に責任をもって関わる人が国民のほんの少しであるからかもしれませんが、こういう活動自体がじつは経営の本質・・バランスを取って近視眼的最適化と長期的な最適化ということと、じつは非常に似た行為だということは気が付かないもののようですね。いや私も経営に直接関与した経緯があるわけではありません。しかし技術経営と言うところ、特に開発行程管理という側面から見るとこのような「列挙すればマニアの行動だが、じつは日ごろよくやってること」が技術経営の方向性と近いところがあるんですよね。で技術経営の話にこの行程がどういうことを示しているのか、話したいと思います
まず先行動向調査は、大船駅まで行くところでして、漠然と東海道線方向に出ればよいということだけが分かっていての調査過程に例えられます。この時見方を代えれば大船で無く藤沢に出て小田急線という全く違う段取りになるかもしれませんが、最速かはともかく国会議事堂にたどり着くことは問題ないですね。
そして、ある程度ルートが見えた段階(・・・大船駅ですね・・・)で開発方針確定と大日程計画を立てて置くのですが、かならず選択肢を複数作っておく。更に予測できない事項が起きるなら逃げが出来るように、自分の立ち居地を客観的に見ながら話を進めるわけです。
勿論、途中で技術的に難しい問題に直面し、にっちもさっちもということもありますよね。そこでじっくり間口を開くこともあるんでしょう。それを全て捨て去ることをすることにするのもまた危険なんですが、次善の策にどう「乗り換えの経路を見出すか」(鹿島田駅) というのが判断になるわけです。
そして最後に最後の着地点をどうするか。これが商品化工程です。見てますと必ず最終ターゲットと微妙にずれるものですから、いちばん近いところに向けて軌道修正を図る(・・・新橋駅で地下鉄からバスにして目的地至近に着く・・・)ことで商品化となるというものです。
あと開発行程には(軽重はあるが)必ず商品企画という内容が含まれていることは、技術者がみんな忘れてしまうことです。あえて申し添えます。
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自戒を込めますと、研究職的志向を持つと、このルートがすべて最適だと、大計画を引いた段階で思い込んでしまう。じつは研究段階ではそのような思い込みこそが巌も通すというところがありますし、だからこそ研究と言うものの成果も在る。また難しいということを明確にし、大きく示すことが成果となることが大切なんです。ところが技術経営という側面になると、泣いて馬謖を斬ることなんか日常茶飯事と言うことさえあるのですよね。
複雑化した時代にあって、この使い分けをピュアな研究者にしていただくことが本当に有効な人知の使い方でしょうか。そうではないんですよね。だから最近は研究者のほかにマネージメントリーダというものを置く研究施設が増えました。これは研究施設が最終商品化まで世話せよという、ある意味研究者と開発技術者の違い、能力の過大評価というところに起因する病因も見えますが、そこが見えにくいのは仕方がないかもしれませんし、世のなかの研究施設に対する認識が、こうなってしまったともいえましょう。そこは人的ネットワークでカバーすることというのが今の趨勢ですね。(ベストの解となるかは今後の課題です。)
まだ大きなところは、人脈でかわす手法が使えます。(ごくたまに、札束で顔を叩く手法でという輩のも見かけますorz。)私が一つ気にしてるのは、少人数で立ち上げるベンチャー企業・ニッチ技術で成果がある中小企業で研究開発をするという場面に良くある問題です。要するに陣容がどうしても限られますから、このような研究者と言う形と、開発技術者という使い分けを自分一人の中で切り分けなければならないということの認識自体、なかなかもつことが出来ないというむずかしい命題に突き当たるのです。じつにここでつぶれていった先行開発的な企業・ベンチャー企業は死体累々と横たわっているんですよね。(つぶれなくても大企業の社内ベンチャーの中にもこのために自滅し、会社はともかく人材が潰れたというものもあるようです)
ゴーマンかましますが、累々となる死体と化さないための、ベンチャー形技術開発者への私の提言。
複線的開発方針を持って、適時切り替え、乗り継ぎをしながら必ず複線・3複線の開発をすること。」(ガントレットになると最悪です)
「時に引き返す勇気さえも必要であるが、引き返さないようにするために、乗換え・相互乗り入れが出来る技術の経路を想定していくこと」
「いつも掲示を見て比較しながら進める事を怠らない心がけをもつこと。」
「自分の立ててる仮説が次々つぶれていくときのシミュレーション経験を持つこと」
「最後の到着地点を厳密に考えず、むしろあわせこむ余裕を取っておく形で、旅程/大日程を決めておくこと」
「経験は重要である。しかし神話に化けるものでもある。神話になったら素性を洗って経験に据え直せ
「開発費用は、じつは予想の3倍は掛かるぐらい、ブレが生じて当たり前だと見なすこと。少なく済めば儲けもの

尚、開発費用に予想の3倍は掛かるぐらい、ブレが生じて当たり前だと見なすことというのは、じつは公的融資の場面ではむしろ、ターゲットが絞れてない・・投資回収能力が低い開発と見なす論拠になってしまうのもまた現実です。ここをどうリカバーするのか。そこに、技術的ストーリーを作っていくプロの技術経営専門職(中小企業診断士と言う事もありますし、技術の専門家という「技術の目利き」という場合もあります。)の腕にかかっています。
そうなると究極のリカバリーの「ゲーム」であるゴルフが経営者に好まれてるのは、そもそもそういう素質があるからとっつき安いという人材だからこそ経営者になるという証左なのですかね。私は逆に日ごろそういうリカバリーゲームを仕事以外で抱え込みたくないと思うたちなんですから、まだ単純なものの方がいいんですが。とはいえ、当方も若いころは「JTBの大型時刻表」などを見ながら旅行計画のシミュレーションに夢をはせ、時に当てのない旅に出ていました。で、本質はじつは一緒なのかもしれないと正直認めましょう。ハイ。

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コメント

③鹿島田-武蔵小杉-(目黒線・南北線)-溜池山王駅-(徒歩)-国会議事堂
に1票!

> 少人数で立ち上げるベンチャー企業・ニッチ技術で成果がある中小企業で研究開発をするという場面
わははは…(汗々)

投稿: TX650 | 2008年3月 6日 (木曜日) 20時18分

>③鹿島田-武蔵小杉-(目黒線・南北線)-溜池山王駅-(徒歩)-国会議事堂
あそうかあ。そのほうが降りてから近いな。いただきました・・・(爆笑)

>わははは
大学発とか、大学の先生などとなんらかの交流がある場合は、まだそういう専門家が最近配置されることが多くなってきましたからいいのです。以外なのは、地方自治体などが関わるベンチャー開発者のセンターなどに属していても、このようなサービスの必要性の検討さえしてない人がいるんですよ。

投稿: デハボ1000 | 2008年3月 6日 (木曜日) 20時44分

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