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虎は死して皮を残す(1/2)

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夕張学生映画祭、今年から秋も開催(2008年1月29日 読売新聞)
夕張国際学生映画祭の実行委員会は28日、夕張市内で開催概要を発表し、今年から冬のほか、秋にも映画祭を開くことを明らかにした。
実行委によると、2月22~24日の映画祭は、国内外の学生の応募作品の中から大賞を選ぶ「国際学生アワード」に、すでに約300の作品が寄せられている。期間中は会場で夕張高校の生徒の作品も上映する。
秋の映画祭は10月、「ユウバリウッド・フィルム・アワード」と銘打って開催。作品の応募対象を学生に限定せず、夕張の観光マスコット「メロン犬」を題材にしたアニメ作品を一般募集する。自治体や学校からPR用映像を募集し、四つの賞でグランプリを争う。実行委は北海道と東京都の学生らで構成している。
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夕張の映画祭3月に復活[共同通信:2008年02月05日20時46分]
 北海道夕張市が財政破たんした影響で、06年を最後に中止されていた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が3月に復活することが決まり、実行委員会が札幌市内で5日、上映作品などを発表した。開催日は3月19-23日。金城武さん主演の「Sweet Rain 死神の精度」やジャック・ニコルソンさん主演の「最高の人生の見つけ方」など12本の招待作品を含む計約50本が上映される。
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産業遺産を研究していると炭鉱の跡地に限らず、鉱山跡地は色々話題になります。炭鉱としてなら北海道各地の産炭地域もそうですし、松尾鉱山(硫黄鉱山) 沼尻鉱山など他にもあります。鉱山という形でなくても自然環境を収穫するというところで議論すると寿都(にしん)とかいえましょうね。ああそうだ軍艦島もあったか。海外ではいまやナウル共和国なんかそうなってるんでしょうか。

産炭地がエネルギーの変革に追従出来ず(というかそもそも自然由来である以上追従すること自体が難しい)ということは多いようです。産炭地など鉱山地帯が終掘後自治体として維持された成功例は、世界的にも極めて稀であります。たとえば、福岡県は炭鉱が多い地域ですが大牟田ではエンジニアリング会社などの成立はあったものの、雇用の継続的確保とその熟成には時間を要したし、また筑豊炭鉱地域も自動車産業の成立までは時間がもっと空いてしまうことになった。(とはいえ、福岡・北九州地域の住宅地域(ホームタウン)だとかセメントというところで多少は産業があった・・・麻生セメントが有名ですね・・・のだが、福岡県は生活保護世帯の割合がとても多い地域としてその後しばらく統計上載ってしまう。)
以前も述べたが、私は幼いころ筑豊の炭鉱離職者の集団移住地域に住んでいたことがあり、当時の事情は耳にしている。生活苦から給食費が払えないとか、靴下さえ履いてこれない同級生もいくらかいました。そしてこの親たちが主に働いていたのが隣町にある自動車工場だったんです。(工員さんもいたし事務職も多かったですね)この工場は最近大幅に事業を縮小したのですが、変わって九州に自動車のラインが作られてるのは皮肉ですね。
特に、鉱山の特性上業態変更が難しいというのはよく言われている。隠れた小さな炭鉱は、非常に経済的影響を感じずに消えていく場合もあるが、(たとえば青梅市のここなんぞ)たとえば松尾鉱山(東証1) 沼尻鉱山(日本硫黄 東証2)クラスになると一寸社会的影響が大きい。
よく話題になるのは、日立グループが常磐炭田・大雄院鉱山の旧炭鉱労働者の大部を吸収したということ。いわき市は、常磐炭砿の事実上閉山後、大規模合併を期に工業化を図る。湯本地区の温泉やリゾート施設、海岸部の灯台・水族館あるいは海水浴・サーフィンを中心とした観光にも力を入れている事例が語られる。たしかに世界的にも極めて稀である。
但しこれだけで議論するのはさすがにムリがある。たとえば、常磐興産は、炭鉱の斜陽化による収益の悪化を観光業に転換することで生き残りを図った。(いまや観光施設企業である)かつては炭鉱の坑道から温泉が湧出し、労働者を悩ませ、いわき湯本温泉を湯枯させてしまったが、その温泉を利用して常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)を建設し成功を収めた。(2006年公開の映画『フラガール』は、閉山前後のこの地域を描いている。)また鉱床をボーリングしていわき湯本温泉の安定した源泉を確保した。さらに地場の大企業である日立製作所関連企業が石炭産業従事者の大部分を吸収し、自治体としての基盤の維持に貢献した。
事実日立製作所自体が鉱山の補修部門からのスタート(スピンアウト的な成り立ちもある)などの状況もあるからであろう。事実製造子会社が、「日立・日産グループ」(これは日立Grとはニュアンスが異なる)は原ノ町付近まで常磐線沿線に順序良く並んでおります。なお、石炭化学由来の産業がいわき地域に元々(たとえば呉羽化学)等も副次的に有り、小名浜港の漁業もあったわけだからこれだけを議論してるのは偏ってる気もする。 大雄院鉱山地域に関しては、多少当ってるところもあるようだが、一律な判断はしないほうがよさそうだ。
この事例のように、「他の産炭地域の人口の激減・地域振興策の失敗による無惨な状況に鑑みれば、奇跡的とすらいえる。」と言う判断は一面的ではある。ただソフトランディングという事例研究をすると、これは必ず出てくる話題である。
反対にハードランディングという形を取った(というかあまりにも移行が早くそうならざるを得なかった)のは、硫黄鉱山である、原油精製時の副生硫黄が安価で急速に鉱山を駆逐してしまったという事例。松尾鉱山は倒産したが、ほとんど地元に人は残らず、残った資産は二束三文の価値の上に鉱石の溶解する廃液処理が残る。で結果的にここは観光に活路を見出すのだが積極的活用と言うより結果論として活用できたともいえよう(但し、岩手県の産業勃興過程において松尾鉱山の存在は無視できない)特に注意しなければならないのは、人々がことごとくきわめて速やかに退去したということである。
沼尻鉱山のほうも、完全退去に等しいがここも観光開発に活路を見出している。(鉱山会社の日本硫黄は、鉄道部門が残ったため鉄道会社「磐梯急行電鉄」と社名変更し観光への移行を計るが、後に倒産する。)この鉱山会社自体の資産は、それまでから活況を呈していた地元の温泉街に寄与することは、スキー場とその管理機材へ寄与という場面は大きいが、大量雇用の定着と言う形とはなりえなかった。従って産業の定着とはまた違う。
草津鉱山も同じようであるが、ここは草津・軽井沢・白根という観光地があまりにも存在が大きく顕在化しなかったようだ。よく考えると硫黄鉱山の場合、ほんの少しの地元民以外は、退去が非常に早かったようで、かつ大概温泉併設(苦笑)と似ていることもあったから、この問題は少なく、速やかに市場経済から退去「できた」という事例であろう。
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ようするに
ソフトランディングしている事例:産業の創出がほかにもあった。移行先は工業+観光。
ハ-ドランディングしている事例:見切りが非常に早い、ごく微量の雇用は観光にて維持できるがそのほかは雇用先や政治に雇用保持を始めから期待していない。
では日本以外ではどうかというと、安楽死してる事例のほうが圧倒的に多いといえるようだ。狩猟民族はよかれ悪かれ、見極めてさっさと捨て去る雰囲気がありそうですね。アメリカなんぞは多そうです。だからこそ石見銀山が世界遺産として評価されるのだろうと。
さて北海道の産炭地域は、見切りがあまり出来ないという特性があったようだ。それでもかなりの人材は見切って外に流れたわけだが、雇用を他の産業で吸収できる余力が元々無いとなると、衰弱するか地域を安楽死するというのがあるわけである。別に古代の都市(飛鳥京・長岡京)というものも形が崩れていく歴史があったわけで、何一つ不思議なことでない。残渣が飛鳥京や 藤原京に残ったから訴求できてるだけである。とはいえこの安楽死という表現は都会の、都会による、都会のための政治という側面にたった視点なのであって、今の世の中に普及すべきことでもないともおもう。
このように、炭鉱が亡くなった後の地方の活性化をどうするかと言うこと自体は、じつはなにをやっても上手くいかないハードクラッシュ事例のほうがむしろ普通である。速やかに全員退却ということをしない限り・・・といってもそれをいうこと自体にムリがあるのではないかと思う。
(続く)
参考:北海道新聞HP
http://www5.hokkaido-np.co.jp/yubari/seisui/index.php3
http://www5.hokkaido-np.co.jp/yubari/seisui/02.php3
http://www5.hokkaido-np.co.jp/yubari/seisui/03.php3
http://www5.hokkaido-np.co.jp/yubari/seisui/04.php3
http://www5.hokkaido-np.co.jp/yubari/seisui/05.php3
http://www5.hokkaido-np.co.jp/yubari/seisui/06.php3

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