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洛陽の紙価を高める(1/2)

知的財産権に対する概念は、国というか国民の形成されるコンセンサスによってかなり違うのだろうと思う。とくに二次的著作権と言う問題は、いろいろな判例が出ていて難しい。
日本の法律で「知的財産」とは以下のように定義される。

発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報。

となると私自身の記述特許も(所有権利委譲すみではあるが)知的財産と大きくいうこともできる。これは使用対価の問題を語ることも出てくるが、これは別に語ることにする。
では、ある人が語った名言に著作権があるかというと、伝聞で人々が聞いて書き写すのかどうかということで変わってくると思える。
例えば「洛陽の紙価を高める(著書が好評でよく売れることのたとえ。〔晋の左思が「三都の賦」を作ったとき、これを写す人がたくさんいて洛陽の紙の値段が上がったという「晋書(文苑伝)」の故事から〕」ような活動をみんながするときその対価をどう筆者が得てるかによって関わってくるであろう。ところが、この筆者に対し反映されたのかと言うと・・・対価としての反映があったわけでもなく、官職に就いたというのに有利だったと言う訳でなく・・・ということだったらしい。
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左思:西晉時代の人(字・太冲)(250?-305?)
臨緇(現・山東省緇博)の人。庶民の出で風采が上がらなかった。現存する作品は、「雜詩」「招隱詩」「詠史」「悼離贈妹詩」「嬌女詩」等、僅かな詩賦が伝えられるのみで、「三都賦」がその代表作。文人で、儒學者の家に生まれ、小さいとき書法や鼓、琴を習うが、成就せず、学問に志して文学者となる。十年がかりで完成させた「三都賦」によって名声を博した。「三都賦」は当時の人々が争って紙を買って筆写したため、ただでさえ高かった紙の値段が更に上がったほどの人気ぶりだが、左思自身は不遇な生涯だったようだ
ということは、基本的にはこのような知識は、共有されるべきであるものであるという認識を、中国及びその文化影響下にある地域は持っていたわけである。
これが、ヨーロッパとは違うのであろう。知識階級は、知識階級に、それ以外の人はそれ以外に固定する傾向にあたのかなと思う。そこが多分その後の国民の志向が変わるのであろう。
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長谷川 町子(1920/1/30 - 1992/5/27)は、日本初の女性プロ漫画家。現在の佐賀県多久市出身。旧制山脇高女(現・山脇短大)卒。代表作に『サザエさん』、『いじわるばあさん』など。没後国民栄誉賞受賞。
彼女は自著の漫画・キャラクターによるもので、しばしば知的財産権のキーマンになった。
1970年、まだ曖昧模糊としていた知的財産権に関する先駆的行動として、作者に無断でキャラクターを使用していた関東のバス会社を提訴。これは通称「サザエさんバス事件」という重要判例となる。
Tバスは1951年より観光バスの車体に「サザエさん」の登場人物を描き運行していたが、作者である長谷川町子の使用許諾を得ていなかった。このため、作者側から使用差し止め要求があったというものである。(著作権対価を払うことがメインでない上に、それ自体を認める姿勢に無いことに留意されたい)5年間の結果、Tバスは敗訴し、多額の損害賠償金を払う結果となった。
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東京地裁昭和46年(ワ)151号昭和51年5月26日判決(認容)〔無体裁集8巻1号219頁〕
〔主文〕
一 被告は、原告に対し、金1,824万4,099円及びこれに対する昭和46年1月28日以降支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用は、これを2分し、その1を原告、その余を被告の負担とする。
四 この判決は、第一項に限り仮に執行することができる。  
〔事実〕  
1.原告(長谷川町子)は、漫画家で、漫画「サザエさん」をその代表作とする。漫画「サザエさん」は一日分4齣の画面によって構成された新聞連載漫画で、原告は、昭和21年以降これを著作し、当初は、夕刊フクニチに掲載して公表し、次いで昭和24年以降は、朝日新聞に掲載して公表し現在に至っている。
2.被告(Tバス株式会社)は、旅客自動車運送を業とする会社で、その本業である乗合バス部門のほか、昭和26年4月頃、観光バス部門を設け、その営業を開始するに当たって、その名称を「サザエさん観光」とし、昭和26年5月1日から昭和45年12月31日までの間、バスの車体の両側に、それぞれ別紙目録記載の頭部画(以下「本件頭部画」という。)を作出し(以下「本件行為」という。)、そのバスを運行して貸切バス業務を営んだ。
〔判示・認定事項〕 
被告の本件行為当時、既に漫画「サザエさん」は、現に当裁判所に顕著な事実である漫画「サザエさん」の内容のものであったと認められる。
●サザエさんは平凡なサラリーマンの妻として、家事,育児あるいは近所付合いなどにおいて明るい性格を展開するものとして描かれており、またその他の登場人物にしてもその役割,容ぼう,姿態などからして、各登場人物自体の性格が一貫した恒久的なものとして表現されており、更に特定の日の新聞に記載された特定の4齣の漫画「サザエさん」は、それ自体として著作権を発生せしめる著作物とみられ得る。
●他人が作成した漫画であっても、そこに登場する人物の容ぼう,姿態等からしてその人物が原告の作成する漫画「サザエさん」に登場するサザエ、カツオ、ワカメ等と同一または類似する人物として描かれていれば、その漫画は漫画「サザエさん」と誤認される場合があるであろうと解される。また、右のように長期間にわたって連載される漫画の登場人物は、話題ないし筋の単なる説明者というより、むしろ話題ないし筋の方こそそこに登場する人物にふさわしいものとして選択され表現されることの方が多いものと解される。
●漫画の登場人物自体の役割,容ぼう,姿態など恒久的なものとして与えられた表現は、言葉で表現された話題ないしは筋や、特定の齣における特定の登場人物の表情,頭部の向き,体の動きなどを超えたものであると解される。キャラクターという言葉は、右に述べたような連載漫画に例をとれば、そこに登場する人物の容ぼう,姿態,性格等を表現するものとしてとらえることができる。
●本件頭部画と同一又は類似のものを、漫画「サザエさん」の特定の齣の中にあるいは見出し得るかも知れない。しかし、そのような対比をするまでもなく、被告の本件行為は、原告が著作権を有する漫画「サザエさん」が長年月にわたって新聞紙上に掲載されて構成された漫画サザエさんの前説明のキャラクターを利用するものであって、結局のところ原告の著作権を侵害するものというべきである。
参考: http://www.u-pat.com/d-8.html
参考図画:http://www.u-pat.com/IMG/d8-1.gif
参考:http://www.kyoto-seika.ac.jp/hyogen/manga-gakkai/katudou/bukai/cyosaku/060616cyosaku02.html
(続く)

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