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事業継承

年末のことである。
いつも良く行く事務所近所の中華料理屋さんが、店を閉めるという話が来た。確かに70歳を越した主人と奥さんがやってる店。役所が近くにあるからそれなりの固定客がいたそうだが、後継者もいないし、何しろ主人が年老いて(といってるが)、体力上チャーハンを作りたくても中華なべを振ると、最近は腕が痙攣するようになったらしいから仕方がない。
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「さびしくなりますね。お向かいが閉店とは」
「ええ。そうなんです。それ以前にこのビルの店子自体も減ってるのですよ。」
「ああそうですか。(このビルは、今の事務所を開くとき、空きがあった関係で検討した経緯もあり、情勢はわかる)」
「うち(とんかつ屋)も、後継者が居ないし。あそこ(中華料理屋)の主人とうちの主人とは10歳違いですから。10年後のうちを見るようですよ」
「そんな気弱な」

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なんていってるが、正直事業承継ということにこだわることは、決して得策でないと考えることも分かる。
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私の仕事も事業承継ということは考えないことにしてるし(事実可能性は乏しい)余り子供達にとって、私の生き様はいい意味でも悪い意味でも見本にこそなれ、今の事業自体は承継には向かない内容と思っている。
そんなことを話していたら、当の中華料理屋の奥さんが挨拶に現れた。まあ私も挨拶したのだが、固定客が居たとて体力の限界だし、借地(貸しビルの店子)だということもあったようだ。これからは、楽しく過ごしますよという話で、あるいみ潔い撤退だとも思った。自分にあのような「綺麗な身の施し方が出来るか」そこは考えなければならない。

会社員時代だと「定年」という意味で引導が一度渡される。その後働く事も出来るが、そこは自己認識が出来てるかを見られる試練でも有る。
私の父は、ある会社の役員を60歳過ぎで辞めて、これからは楽しく暮らそうと一度は老人会に出入りし、絵画教室(会社勤務・結婚時代の30年間は仕事一筋というわけで封印していたといっている)にも通い始めたものの、老人会には全然なじめなかったそうな。悶々としてると、退職後1月して以前の勤務先から常勤顧問の話が来たので10年間受けたということらしいが、会社一筋の技術者である父にとって、有る意味渡りに船だったみたいである。絵画教室は日曜なので通っていたらしい・・・)いずれにせよ事業継承はなじまない。
一方書道教室をやってる母は、もう内々に後継者を決めてるらしいが、当面は並行してやっていくことで話をしているし、後継者(学校の先生らしい)のほうも定年までは本格的に出来ないということもあるようだ。
引き際を綺麗にすることも、本当に大切。個人事業者はそこが分かりにくいところもあるからなおさら考えておかなければならぬ事である。
私のお世話になった元上司は、61歳で関連会社の職を退き(退いたとたん、強面は消えうせて、好々爺になってしまった。どうも会社というところが、この人の技術者の特性を殺していたということに、そのときかつての同僚みんなが気が付いたらしい。)郷里、福井県鯖江市の眼鏡製造会社の顧問になった。それまでも日本機械学会の要職という履歴も会ったからなあと思っていた。ところが、最近WBSを見ていたら、いきなり「注目企業特集」で当人が突如出てきたのでTVの前でずっこけてしまった。HPでよくよく調べると、オンリーワン技術で会社を再建させ、技術部長専務取締役になってるらしい。しかも、この会社の新規事業は、なんと彼が学位論文を書いたものに絡んでいたり、私も関わったある環境機器の部品製造技術を特化したりしてるんですよね。眼鏡のデザイナーズブランドのアドバイスもしてるらしい。(後者は思わず「おい」っと突っ込みたくなったorz。)これとて、引き際を見た上での再決定らしい。
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中華料理屋さんの話に戻る。
常連さんにはせめて残った道具を」と言う中華料理屋さんの奥さんの言葉で、奨めるままに中華どんぶり鉢など3客分をいただいてきた。聞くと、私が貰って行った後もいろんな人が貰っていったようだ。あまりもの綺麗な器に、去り際を「綺麗」にしたい中華料理屋さんのせめてもの「意気」を感じる。

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コメント

こんばんは
>引き際を綺麗にすることも、本当に大切。
そうですね。でも、これは個人事業者だからこそできることだと思います。

個人事業ではなくて、ある程度の規模を有する「企業」になってしまうと、雇用の問題などでそう簡単には廃業できない例がほとんどです。多くの場合は社長の息子が事業を引き継ぐことになるわけですが、そこで問題になるのが相続税です。
基本的にはお金持ちからは多くの税金を取るという、累進課税の考え方には賛成なのですが、中小企業のオーナーの相続税問題については同情します。工場の敷地などは確かにオーナーの財産なのかもしれませんが、それに多額の相続税が課せられてしまっては事業の存続どころではありません。このため、相続のタイミングにあわせて敢えて巨額の赤字を出して相続税の軽減を狙う中小企業も少なくないそうです。

すみません。デハボ1000さんの話の内容から少々外れたコメントになってしまいました。

投稿: kunihiko_ouchi | 2008年2月11日 (月曜日) 21時35分

>でも、これは個人事業者だからこそできることだと思います。
中華料理屋さんとかならこうなるんですよね。
>個人事業ではなくて、ある程度の規模を有する「企業」になってしまうと、雇用の問題などでそう簡単には廃業できない例がほとんどです。
確かに、このために黒字廃業をする会社もあるようですね。(例:パルナス)工場の敷地などオーナーの財産から外し、会社資産を資産管理会社に寄託したり、大きな商社などに資本投下をねがって株を持ってもらったりする例が多いようですが、苦労されるようです。将来的に新規創業のあしかせにならなければいいのですが。

投稿: デハボ1000 | 2008年2月11日 (月曜日) 22時42分

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