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乗り物もの真似

寄席芸が好きな人のBLOGを見ていたらこういうのがあった。
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立川(たちかわ)真司という人を知ってますか?
あるラジオの寄席番組を聞いていたら、立川真司なる人が漫才と落語の間に登場。(TBSラジオのいわゆる「爛漫ラジオ寄席」らしい)紹介としては「乗り物もの真似」ということになっていた。(注:寄席で言う「諸芸」・・色物の扱い)ありがちな車掌のもの真似もあることはあったが(中川家礼二がよくやるやつ)、結構なウェートを占めていたのが、駅構内の擬音模写。発車ベル、ブザーなどの細かいものから、当然ながら車両の動く様子まで。
なにより当人が鉄道が好きなのだなというのが伝わってくる。こんなことがひとつの芸になってしまうとは思わなかった
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立川真司さんのHPがhttp://homepage3.nifty.com/monomane/にあります。ライブのサンプルデータもありますので、少し見ていたのですが、まあ鉄道趣味芸を高度に発展させたものだと思います。勿論漫談家としての技量もあるのでしょう。「電車でGO」のゲーム中のアナウンスもやっていたということです(じつは私は知らなかった)航空機物真似もされてます。
さて、中川家礼二氏の物真似は「京阪電車急行の停止駅アナウンス」が有名ですが、じつはもっとコアなの(大阪市営バスの運転手の物真似)もなかなかです。ちなみに、京阪電鉄の車内アナウンスは車掌が「声の通りを良くするため(元乗務員談)」裏声のような声でするのがいまだ伝統になってるようで、関西芸人で物真似をする方が結構多かったです。若きころの桂文珍もしていたそうな。(交野線・京津線・石山坂本線のワンマン車の車内アナウンスはそんなことないようですが。)
意外なところでは、友近さんがバスのドアエンジンの音ってのをしますね。まあ、私の知り合いにはかなり濃いのが多かったからでしょう、宴会芸で「2ストロークUDのバスエンジン音」「いすゞのエンジン音」「ふそうB8エンジンのアイドリング」と分けてやるのも居ました(爆笑)ので、同類だあという感じです。
ただ、中国から流れてきた物まね芸は元々花鳥風月や動物をまねたものが源泉でして(江戸家小猫 ・(故)江戸家猫八が近い)人まねは日本のどちらかと言えば、本邦オリジナルであるらしい。歌舞伎の真似などが基本的なものだったと聞きます。(政治家とかは当時は一般的な声の媒体に乗らなかった)その後、放送の普及に従い、役者や映画俳優の真似から、後には政治家の真似(吉田茂・田中角栄・大平正芳・福田赳夫など)が多く題材になった。故渡辺美智雄議員にいたっては吉田茂・田中角栄・大平正芳・福田赳夫の真似芸をゴールデンタイムの「演芸番組」で披露した事例もある。そして今の物真似芸に流れていくわけですから別に不思議でもないわけですね。
かなり前(昭和の御世)知人は、昭和天皇の物真似を得意としておりまして、学園祭で度々やっていたところ、来賓(と言う形)の校長から賞と景品を貰ってました。どうも用意をしてあったらしく、表書きには「天皇賞」と書いてあったことが。
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こんなことがひとつの芸になってしまうとは思わなかった
というご意見ですが、確かに寄席であれば、おやあとなることもあるかも知れない。けどそのような歴史が常に繰り返された結果が今の寄席であることを考えると、別にこれはクリエータの感性由来ですから、成す様になるというのが正解だろうと思います。たとえば4代目の「立川談志」は扇子一本で真打を務める実力者であったが、「郭巨の釜掘り」というマイム・ギャグを考案し人気を博したことは有名です。(中国の二十四孝・孝子の文句を参考。要するにこの時代の民衆は二十四孝の元ネタを知ってることが前提ですよね)この当時、明治の「珍芸の四天王」というのがあり、この中には円太郎馬車をモチーフした4代目橘家圓太郎の例もある。彼は乗り合いバスのクラクションであるラッパを持ち吹きながら寄席の中を歩き回ったようです。(この事から、乗合馬車のことを「圓太郎」「圓太郎馬車」と呼んだ。更に圓太郎亡き後、関東大震災直後の交通復旧手段として急遽登場した東京市営バスは(T型フオード改造の)急造で馬車のような車体ということで、「圓太郎バス」と呼ばれたと聞く。)もしかしたら交通をモチーフにした演芸はこれが嚆矢かも。
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となると決して、新奇なものではないのです。ただその作者に「当人が鉄道が好きなのだなというのが」あるからこそ芸になる。(これは中川家礼二さんも同じ)そういうセルフコントロールが出来る場面が与えられ、それが常にあるのが「芸」の世界の面白さだと思っています。

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