« 日本一長い踏切だとか | トップページ | 眠れぬ夜はPDCA »

歩行者と自転車

----------引用
青い道路は自転車専用、東京・世田谷でレーン実験[読売新聞社:2007年12月09日 03時16分]
 激増する自転車と歩行者の衝突事故を防ごうと、東京・世田谷区は9日から、車道両端を青色に塗装した「自転車走行レーン」の社会実験を始める。自転車と歩行者の通行場所を区別した上で、レーンでの自転車の進行方向も指定する。国土交通省によると、車道を塗装した自転車一方通行レーンが設けられるのは珍しいという。
 実験区間は、東急田園都市線・三軒茶屋駅に近い明薬通りの約600メートル。片側1車線の車道の両端に青色レーン(幅45センチ)を設け、自転車の進行方向を自動車と同じ方向に限定する。車道に隣接する歩道にも、白い点線で区切った自転車走行レーンを設置し、車道を走る自転車とは逆方向の一方通行を促す。
----------終了
どうしても「自転車」は歩行者の分類にされるのが日本の感覚のようですが、あくまで自転車は軽車両ですから、本当は自動車の仲間です。いまや「そんなやつはない」といわれそうですが、リアカーを引いた自転車があればそれはまず普通は歩道を走らせることはありますまい
こんな誤解が起こるのは、歩道の中には自転車通行可能としているところが多いこともありますし、一部の自転車用の道は、「歩行者と自転車」というくくり方をするので、ついぞ一緒にしてしまう人が多いんでしょうね。軽車両は、自動車などと同じく道路交通法では「車両」に含まれ、道路(歩道や路側帯と車道の区別のある道路においては、車道)の左側端に寄って通行しなければなりません。なお軽車両は路側帯も通行することができるが、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならないと定められています。自転車も含めて軽車両は追越しなどの一時的並走を除くと並走してはいけないようです。けど、新聞記事にもあるように自転車と歩行者の衝突事故というのは結構多いのです。歩行者の通行を妨げないような速度と方法はとっさの判断がつきにくいからでしょう、狭いところを無理して通るところが多いからなおさら事故が発生するし、そういうところに限って道が狭い駅前だったりするものだからなおさら問題になるというわけです。この場所も駅近くですし、「東急田園都市線・三軒茶屋駅に近い」ということで(・・・どうやら「明薬通り」というのは明治薬科大学が以前あった所の前の通りですな。参考:こちら。今も大学の設備が残ってるのか分からないのですが、地図の上では痕跡があるようです・・・)バスの通過もあるという道路のようですから、事故が多いのなら良いベンチマーク選択のようですね。なお大分でもかなり類似した実験が行われているようです。
-----------
社会実験という言葉がいろんなところに適用されるようになって来ました。頭の中で考えても本当に問題が生じないか、ないしは投資に応じた結果の回収ができるかという確認が必要になってきたということでしょう。私は交通計画・都市計画というテリトリーは詳しくないのですが、交通施策を確認するという意味でのフイールドワークが積極的におこなわれるようになってきているということは、予算の適正な活用と、身の丈にあった運用を適正に評価するという意味で、非常に良い傾向であるとは思います。また、地域特性などもあるから、それこそ東京の標準的方策が大阪で通用するとは限らないというところ。
ここまで来ると今のところでは、机上検討が必ずしも完璧でありえないということがあります。そこに対してフレキシブルな計画を行うことで従来は対応してるのですが、アバウトな方針決定が容認できない費用対効果が求められてるからですよね。
----------
ブログランキング・にほんブログ村へ

このような活動典拠の一つとして、都市計画によって造られたある中量輸送鉄道が、(パーソントリップ調査ベースであるが)そのパラメータの触り方で誤差が大きくなりすぎ、結果的に経営が破綻してしまうことがあったということも事例でしょう。以前なら失敗事例どまりであったのですが、国庫への費用返還とか一寸難しい事例を起こしたことになりました。この考えの動機は「失敗事例」の分析・蓄積としては貴重ですが、お金を返せ・返さないということに絡んでしまうと、純粋な検討内容が、あらぬ歪曲を生じることになると考えます。その意味で恣意的取り扱いをしなければ面白い事例と考えます。
名古屋大学工学部での卒論の研究事例:http://www.trans.civil.nagoya-u.ac.jp/thesis/h14/nagamax.pdf
----------
工業製品も、試験販売ということは多いです。それをしないと、本当の意味で商品になりうるものかが分からない。よく一般民生品ですと宮城県内限定とか静岡県内限定とかいう形で評価されることが多いです。北陸地方限定というのもそういうことが多いと聞きます。(東京や大阪では先行発売という形では多いが、試験的意味ということはそう多くないようです。)さらに極端な場合は、本当に一部の都市限定で販売する事もあるようです。
昨日もそのようなマーケティングに使えるフリー統計ソフトを推奨される人の話を聞いて来ました。その人は癌の発生率の統計に基いたゲノム解析にお使いになってるようですが、マーケティングにもつかえるし、エクセルなどで処理できない大量なデータの相関を取るのにいいんですよ・・・ということでした。(生化学情報は公開されてるそうな)勿論そのマーケティングに使えるアプリケーションやデータ蓄積があるかというと、どうもそうではないようです。それはそうでしょう。製品の特質だけでなく感覚的要素まで考えなければならないのだろうと考えますと、ソフト依存ということは難しいのは容易に想像出来ます。事実、工学的分析ツールでマーケティングに使えるというものはいろいろ提案されていますが、いざ実務に使うとなると、骨子は使えるとはいえ、そう簡単に全体が使えるものが無く、実例も少ない。専門家の技量や経験が結構依存しますから、まだ社会実験の事前検討までとなると、使いつらいかもしれませんね
----------
ただ、愚痴を覚悟で申し上げますと、このような半ば職人芸的な技量でさえ、人的依存度を低くするための提案がされ、定量化ということが非常に強く求められてることは間違えないようです。恐ろしいのは意匠の世界まで、(純デザイン的技量にCGが使われるようになったことはともかく)評価定量化ということが、産業界・経済界から強く訴求されること。デザインにいたっても暗黙知とくくられるのは一寸違うように感じますが、日本はそこまでしなければ人件費・総合的経費を落とせないとかいう名目でこれを言われるのは、創造という行為を軽んじてるしかない気がしますね。私でも。
以前3Dスキャン装置で創作物を点群データで集め、それをいろいろCGなどで触ることで類似意匠や類似創作物を作るという事例を見つけました。機械加工の工具などなら分からなくもないところもありますが、工業意匠ではそれをしてしまうと創作物に対する考え方自体が損なわれるという考え方は分かります。そういうのを著作権で縛るのは当然だと思いますが、そんなことを考える以前に食えないというなら、そのような倫理感を捨て去っても食わなければならないという、経営陣の意図が企業の論理として喧伝されるに至りました。そこが企業倫理でありそこに対してホイッスルを吹くなら徹底的に争うしかないとまで追い詰められた人たちがいます。勿論そういう商売が正等であるという考え方が大きい地域や所が、市場の価格を決定しだした事実もあります。そんな世界に誰がしたといっても、「お前は使えなくなったのだ」という判決を受けるのが、嘘でなく語られる世界になりました。
すでに売れる小説が統計的解析データを基に作られるというのは「ハーレクイーンロマンス」の事例があるそうですが、ではそれが本当に消耗品でなく声価を得るものかというと、はてさて。

|

« 日本一長い踏切だとか | トップページ | 眠れぬ夜はPDCA »

コメント

明薬通りは三軒茶屋駅から最短でも数100m離れており、「駅近く」というよりはむしろ住宅地の中の道路です。

デザインの定量的評価に対する学術サイドからのアプローチは「日本デザイン学会」の論文集などを読んでみたことがありますが、とにかく客観性の面で疑問なものが多く、所詮無茶な行為なのではないかという印象を受けました。

投稿: TX650 | 2007年12月12日 (水曜日) 13時53分

>三軒茶屋駅に近い
という新聞記事から地図を当ると迷いますね。(私も時間を要した)ランドマーク・・と言うことですかね。
>デザインの定量的評価に対する学術サイドからのアプローチ
確かに感性工学というアプローチからもあるようですが、なにをもって定量化するかが第一の問題だと思うんです。しかも工業経営的見地からの視点で「売れる意匠」を追求すること自体相当の外乱要因があるでしょう。その認識が管理者に足りない場面が結構多いのではないでしょうか。

投稿: デハボ1000 | 2007年12月12日 (水曜日) 20時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/17316112

この記事へのトラックバック一覧です: 歩行者と自転車:

« 日本一長い踏切だとか | トップページ | 眠れぬ夜はPDCA »