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あるいちゃだめ

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 <エスカレーター>横浜地下鉄「歩かないで」構造上想定外 
2007年11月26日10時44分 毎日新聞  【池田知広、渡辺暖、高橋昌紀】
エスカレーターでは歩かないでください」。横浜市営地下鉄は今秋から、全32駅構内に設置されたエスカレーターの乗り口にこんなポスターを掲示した。昇降客のために関東は右空け、関西は左空けがルールと思い込んでいる人も多いが、国土交通省によると、エスカレーターの構造はもともと、利用者が歩くことを想定していないという。
 きっかけは横浜市交通局に寄せられた苦情だった。「エスカレーターに孫と手をつないで並んで立っていたら、後ろから来た男性に『どけ、どけ』と言われ、孫が押された」「右側に乗ってしまった高齢者が左によけることもできず、後ろから来た人にせかされ、歩かされていた」
 交通局は5月から「エスカレーターでは歩かないで」と呼び掛け始めた。車内電光掲示板でも「エスカレーターは歩いたり走ったりすると大変危険です。手すりにつかまってご利用ください」と表示。9月からは乗り口にポスターも掲示した。それでも効果はあまり上がっていない。交通局担当者は「ラッシュ時などに右側を歩く人がまだ多い。継続することが大事なので、今後も続けていく」と定着を目指す。
 名古屋市営地下鉄は04年7月からエスカレーターでの歩行を禁止した。ポスターや車内放送、ホームの掲示板などで立ち止まるよう呼び掛けているが、歩く人はなくならない。地下鉄を利用する会社員(40)は「右側を歩いてはいけないの? 歩いている人をよく見るし……」。04年11月の市議会では、市議が「右側一列を空けるのが慣例なのに、なぜ突然歩行禁止なのか」と疑問を投げ掛けたほどだ。
 東京消防庁の調査では、都内で05年度にエスカレーター事故に遭った人は1199人。発生場所は駅が702人で最も多く6割近くを占める。うち333人が65歳以上の高齢者だ。消防庁は「エスカレーターは歩くとバランスを崩しやすく、他の利用者と接触する恐れがある。歩くことは避けるべきだ」と指摘する。
 エスカレーターは、建築基準法施行令で「幅は1.1メートル以下」と規定している。国交省建築指導課は「最大でも2人分の横幅しかない。右か左の手すりを必ず使えるように考えられている」と説明する。ただ「有効な取り締まり方法がない以上、法律などで禁止することは難しい。何よりも国民の合意が得られるかどうかが分からない」という。
 このほか、JR東日本はアナウンスで「ご注意ください」と注意喚起している。東京メトロはステッカーで「歩行は思わぬ事故のもとになりますのでご注意ください」と呼び掛ける。東京都営地下鉄も「駆け上がるのは危険です」と掲示しているが、歩行禁止を強制できないのが現状だ。
 川崎市のJR川崎駅自由通路で8月、破損部分にサンダルが挟まり、女性が指の一部を切断されたほか、10月には神奈川県平塚市のスーパーで、手すりと保護板の間に首を挟まれた男児が大けがをするなど、最近、エスカレーターでの事故が相次いでいる。しかし、歩行禁止に踏み切ることについて日本民営鉄道協会は「車内での携帯電話同様、歩行禁止についても利用者の機運が高まる必要がある」と語る。
--------------終了
できるとは思えないことを「車内での携帯電話同様、歩行禁止についても利用者の機運が高まる必要がある」といってしまうのは簡単です。(そもそも、携帯電話を車内で話さないということ自体世界でもコンセンサスが取れていません。中国は全くそのような制御がないどころか、「日本での制限は日本での中国人の商慣習を抑えてる。そんなことでは日本の商業が衰退する。」という一言余計な意見を出してるそうです。欧州は、鉄道では「携帯が使える車両とつかえない車両を同数連結」するようです。)そういう状況になった世界。どれが正しいなんてないんです。時計を巻き戻すようにすることは、出来ると思って述べてるのではなく、単に「責任回避」だけを考えてるような気がしますね
いやいや。「エスカレーターに孫と手をつないで並んで立っていたら、後ろから来た男性に『どけ、どけ』と言われ、孫が押された」「右側に乗ってしまった高齢者が左によけることもできず、後ろから来た人にせかされ、歩かされていた」確かにこのような事実はあるんでしょうね。これは一寸TPOを免れないというかなんというか。
私も、これに戸惑うことはあります。勿論、狭いエスカレータで一人しか幅がないところでエスカレータを歩いてくださいというのは問題ですよ。その場合はさすがにその人の考え方を疑います。選択肢が無いところで促す行為は、場所をわきまえてないといえるでしょう。けど、そもそもエレベータは歩く前提に出来ていないとはいまさらながら周知すること自体が困難なような気がします。
川崎市のJR川崎駅自由通路のも事故。確かに出来た17年前から「あるかないでください」という掲示はされてましたが、幅が1.1m幅で2人が並べる構造であったから、人が片方によってましたからし、どなたも「出来ないことを書いてある」という認識でまずこのようなことはムリでした。ここは結構メンテナンスをよくしていたことは事実です。但し、そのとき4台あるエレベータを3台・2台にして処理していたのですが、日中でもこれをされるとエレベーターの前は人がオーバーフローしていました。そもそもこのエスカレータ1Fから3Fまで一発で上がる構造なので、階段で降りる人は多いのですが上がる人はほとんどいないのですよね。これもメンテナンスはほんとに地場の会社の意地をかけて維持作業をしていたようですが、それでも、アルミ鋳物の経年劣化と思われる破損で事故を誘発してしまったというわけです。
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一寸古い資料です。
まち・みせ観察記15【エスカレーター社会】(03/02/10)
東京では、急ぐ人はエスカレーターの右側を歩く。すなわち留まっている人は、左側。所用で大阪へ出かけると、新大阪で地下鉄御堂筋線のホームに上るエスカレーター、大阪空港の到着ロビーへ降りるエスカレーター。無意識に左側に寄ってエスカレーターで立ち止まった次の瞬間、自分が他の人々の邪魔になっていることに気が付く。左右が、東京と大阪で逆なのだ。 その後、観察してみて分ったことは、パリもロンドンも大阪と同じだった。因みに、ニューヨークも大阪。どうやら世界標準は大阪らしい。
動いているエスカレーターを歩いて上り下りする人が出てくるのは、「長いエスカレーターが登場したこと」に最大の原因がある。そして、「エスカレーターを歩いて登れば(降りれば)、もっと早く目的地に着ける」ことに意味を見出す人が十分に居ること。
 エスカレーターの発明は、既にその時代に世界最大のエレベーターメーカーであった米国Otis社のチャールズ・シーバーガーによるもので、1900年のパリ万博で発表された。日本で最初に、エスカレーターが導入されたのは、1914年東京の三越百貨店なので、発表からわずか10数年で、かなりの普及を見たのであろう。 (中略)
 1970年以前に、エスカレーターが導入されていた場所は、主として「顧客(=ユーザー)が付加価値への対価を支払うことを期待できる場所」であった。そこでのユーザーのビヘービアは、極限すれば「動いているエスカレーターに、だまって乗れば移動してくれるのが、サービスである。しかるに、なぜ、さらにその上を自力で歩いて加速しなければならないのか」ということであろう。一般的にエスカレーターでは、「歩くこと危険なのでやめろ」が基調。第一「お急ぎの方はエレベーター」で、エスカレーターでは歩く必要がなかったのだ。
 事情を変えたのが地下鉄。大阪の御堂筋線、東京では銀座線、丸ノ内線、あたりまでは、いいのだが、地下交差が始まったとたんに、地下3階、4階にまで駅を作る必要が生じ、ひどいところでは、地下50mというところも出現するようになった。これを、「全部階段を歩いて登れ」というのは、サービスに欠けること甚だしく、地下鉄運営者達は、ようやくエスカレーターを設置することとなった。 もうひとつは、バリアフリー。健常者でも一苦労の階段には、エレベーターエスカレーターが次々と設置されていく。
------------------------中断
これもそうですが、すでにかなり前から東京駅総武快速・横須賀線乗り場のように始めから階段が常用されない構造ってところはありますよね。(非常階段のみ)
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今は、東京の人がせっかちで、大阪はそうでもないと私達は感じるが、ちょっと前まで、大阪の人はせっかちで、無駄がないと思われていた。そのひとつが、阪急梅田駅のエスカレーターと、動く歩道。阪急梅田駅は、東西に走るJR線の北側にあり、そこから阪急百貨店あたりを経て、キタのビジネス街の中に入っていくには、ちょっと距離がある。 阪急電鉄は、終着駅形式の梅田駅で、改札を出てすぐにエスカレーターを、さらに、その先のJRの高架下には動く歩道を設置した。通勤客は、これを加速の道具として利用する。つまり、移動時間節約のためにエスカレーターとか、動く歩道の上を、さらに歩くのだ。 通勤の中に持ち込まれたエスカレーターは、電車の延長であり、高速移動の手段となったのだ。
-------------------------中断
阪急梅田駅は、駅の位置の変更(元は阪急百貨店の脇にターミナルがあった)があって、改築で駅が引っ込み、一部路線で他社との旅客逸走ふが考えられたため、その代替としての意味の設営だと聞いています。そしてこの歩道はできたころから「歩いてください」という掲示があったのです。(当然歩けない人は左右によるのですが)そこは自己責任という考え方を設置者が持っていたのです。概して関東に依存する感覚を嫌う関西は、公的な所より自己責任という認識が強く、良かれ悪しかれ同じイメージで取ると理解不能に陥ります。
-------------------------再開
 話を地下鉄に戻す。東京では、営団地下鉄半蔵門線と同じく有楽町線の乗換え駅である、永田町のエスカレーターだったのではないか?エスカレーター脇の階段が96段だから、一段が17cmとして、高低差16m強。通常のオフィスビルの5階分に相当する。
そこで問題になってきたのが、日本のエスカレーター速度の「トロさ」。 階段は上り下り兼用で、しかも狭いので、走り降りる、或いは駆け上るには適さないし、だいいち危険だ。かといって、そのままエスカレーターに黙って乗っていては、電車1台乗り遅れてしまう。そこで、エスカレーターのルールが変わる。 「前に歩ける(走れる)余地があるときは、歩く(走る)ことができる
しかし、人々はさらに早く移動することを願い、その結果、片側を歩行者のために開けるルールができあがった。
これは東京の話だが、もとから地下鉄が深く、或いは、早くから、駅構内へのエスカレーター導入が進んでいた、ロンドン、パリ、モスクワ、ニューヨーク、或いは、せっかちと云われた大阪では、それより早い時期にルールが確立していた。
要するに、エスカレーターの右開け、左開けがルール化(不文律を含め)されるためには、
・エスカレーターが相当数普及し(普段エスカレーターに乗らない人が多いと、ルールとして機能しない)
・長いエスカレーターが、あちこちにあって、歩かないと時間が無駄になる
・歩かない人と歩く人が存在する
といった条件が必要。
--------------------------- 終了(以降は原典を参照ください)
日本のエスカレーター速度の「トロさ」という記載ですが、乗り降りの速度の時、足を拠られて将棋倒しにならないようにという配慮があるため規制が加えられているんですよね。ただし日本では安全性優先。ところが世界では「安全は全てに優先する」という言葉は、(工業経営では1901年にアメリカで提唱されているが)余り言われないのです。危なければ使わなければいいという自由(≒放任・責任放棄)があるんです。
ところでこの要望がさらに大きくなるなら、次の世代は高速エスカレーターとなるでしょう。一定傾斜でなく、途中に平面走行部分があるエスカレーターも横浜駅ビルとか秋葉原駅に登場しています(いずれも日立製:長いエレベーターを使ってもらおうとしても不安感が大きいためでおっくうがる人が老齢の方を中心におおいという現実があるのを払拭したいということも開発の理由と聞きます。)。 さらに三菱電気では、乗降時の危険防止のため、傾斜部高速エスカレーターを開発していると聞きます。とはいえ、特に下りエスカレーターでの緊急停止は、高齢者、妊産婦等に限らず、健常者であっても危険が伴います。この危険は、高速化するほど減速度が増えますから力が掛かり、危険が増加するという側面があります。
モスクワの地下鉄のエスカレーターは地下鉄自体が防空壕化の考慮もありひどく深いところにありますが、これは思い切り早いそうです。時に将棋倒しになったりなったりする事例があり、すでに何回か駆動用チェーンが切れて崩落事故をおこしたりしてるんですが、ここももうエスカレータを歩くのが常態化してるとはいわれていますね。
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だから、 「国土交通省によると、エスカレーターの構造はもともと、利用者が歩くことを想定していないという。」のは認証上の問題であって、基本設計上とか安全率についてはすでに考慮されないといけないものが多いはずです。となると認可の基準自体がそもそも形骸化しているということではないだろうか
設計基準というのが、変化しないで済むことはないわけです。但し今までのエスカレータの中の実績(メンテナンス記録)を集めてみれば、磨耗サイクルなどを見なおしたら、規則あるシステムを許容した歩けるエレベータは設計拘束がそこまで厳しくない設計は出来るはずだと思います。
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設計者は、近頃のようになにかと問題が広くなり、風評被害が会社存立に関わる世界になると、製品保証のために、なんでもかんでも安全サイドにすることで責任を回避する傾向にあります。そうしないと経費削減にならないし、すでに今の製品も赤字・黒字のバランスシートぎりぎりで製品化している事かえら、市場退場という場面が目の前につらさがってるからです。そしてもし事故があってもそのリスクを誰も負えない/負わない状況(要するにそれは自分達の雇用も、会社も・・・そして生計・命が維持できないということ)ですから。みんなが目をふたしているとしかいえないことだろうと思います。以前なら辛うじてそのあたり、新規機構を取り込んだ事例で投資する事例は官公庁などであったのですが、いまや官公庁は価格優先になり、そのことが誰しも飛躍をすることのリスクを取れなくなりました。
よく考えたらわかるのでしょうが、「横浜市営地下鉄」「名古屋市営地下鉄」「東京都営地下鉄」「JR東日本」「東京メトロ」というところが並んでいますが、いわゆる私鉄は少ないですよね。とはいえ、中には東横線(みなとみらい線)横浜駅のエスカレーターなど、相当深いところに駅がありますが、エスカレータも高速・低速などを選べるようになっていたりします(自動運転機構など複雑な機構が施されています)からそれなりの投資をすることが出来るところはすることになっているんでしょう。けどそれがメジャーになっていないし、マーケティングによる先駆者事例という認識とならず、「金余りの特殊事例だから」という形で需要喚起にならないこともまた事実のようです。
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