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部品輸送専用列車

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トヨタ、関東自動車岩手工場向けの部品輸送列車を増便(日刊工業新聞 2007年10月16日)
 トヨタ自動車は16日、関東自動車岩手工場(岩手県(胆沢郡)金ケ崎町)向けの部品輸送専用列車を22日から2便に増便すると発表した。これまでは1便だったが、二酸化炭素(CO2)削減や輸送時間の短縮ができたため増便する。増便により愛知県から岩手工場への部品輸送は60%程度が鉄道輸送となる。
専用列車は、2006年11月からJR貨物などの協力を得て運行。1列車あたりの輸送個数は、31フィートコンテナ
で40個。関東自動車へは船による輸送が主体だったが、この一部を鉄道に切り替えた。トヨタは4月に名古屋-苫小牧間でも、補給部品の鉄道輸送を始めている。
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■ 1■ JR貨物・他 トヨタ自動車の部品輸送専用列車を増発(交通新聞)
 JR貨物とトヨタ自動車、トヨタ輸送、日本通運の4社は16日、昨年11月15日から運行しているトヨタ自動車の部品輸送専用列車「TOYOTA LONG PASS EXPRESS」(トヨタロングパスエクスプレス、名古屋臨海鉄道名古屋南貨物~盛岡貨物ターミナル間約900キロ)を22日から1往復増発し、1日2往復体制にすると発表した。
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トヨタ自動車は東北地方のシフトを強めているようです。関東自動車工業岩手工場は横須賀にあった工場の製造部門移転によるものですが、いまや主力工場(マークXなどの完成工場)として機能しています。(逆に横須賀は登記上の本社と、開発部門だけになりました)いままでの部品輸送は単純に考えると30%ぐらいですが、2列車にするにあたり、輸送占有率が60%になるんですからJR貨物としても大口になるんですね。まあ愛知県にある既存部品メーカーを一緒に移転させたり製造工場を移動させることが、製品開発・製造には決して利得とならないこともあるという考え方に基くのでありましょう。考え方によっては「カンバン方式」を柔軟に運用してるともいえますし、集荷業務を「形として」JR貨物が代行するという、輸送VAという意味合いもあるのかもしれません。なお、水沢からの帰り荷を確保する活動もしているため(パレットなどの回収もあるんですが)貨物列車は実質的にも返空と言う形にはならないようです。
愛知県の雇用情勢が強含みであることは、ある意味日本経済全体の地位向上につながっていますが、同時に周辺の地域での会社での雇用不足・それが納入業者におけるコストアップにつながるという面も指摘されています。意外だったのは「関東自動車へは船による輸送が主体だったが」というところで、従前は仙台港からのトラック輸送だったのですね。フェリー経由かな?(名古屋-仙台-苫小牧はフェリー便がありトレーラー輸送が成立します。)
ところで、そうなると、従前の仙台港-水沢間の輸送経路中になにがあるのかというと、宮城県栗原市にセントラル自動車の工場もありますねえ。セントラル自動車には関東自動車工業の資本が入ってるとききます。(関東自動車ではないぞっ(苦笑))しかも、2010年秋、宮城県黒川郡大衡村の第2仙台北部中核工業団地内に、本社工場(相模原市 最寄り駅:南橋本)に代わる新工場を進出。操業開始の計画と言う話だそうです。この工業団地ですが、なかなか埋まらないという話を、宮城県の職員さんから見本市に行くたびに聞いていましたが、この場所、仙台港からも近いし(ということは仙台港には大型コンテナの荷おろし装置を仙台臨海鉄道も持ってますから、その活用を考えることができますね。)そうで、たしかにトヨタ自動車東北が宮城県黒川郡大和町(つまり大衡村の隣町・・実はこの「仙台北部中核工業団地」は両町村にまたがっている)にありますねえ。
でこのトヨタ自動車東北のHPを見ますと、納入先・納品元にセントラル自動車・関東自動車の他に、フタバ平泉とかアイシン東北なぞもリストに入っているようですから、製品群を考えるとわから無くもないです。
トヨタ自動車は比較的鉄道と言うものをある意味有効につかおうという姿勢はあったようで、愛知環状鉄道の前の岡多線時代を考えると、貨物輸送は、岡多線開業時から行われていた岡崎~北野桝塚間のトヨタ自動車の自動車輸送(1984年末終了)岡崎~北岡崎間のユニチカ岡崎工場向けの原料輸送(1999年9月終了)となるとききます。但しJR貨物はいまだ岡崎~北岡崎間の第二種鉄道事業者となっているのはこのあたりの含みがあるのですかね。(三河豊田駅からトヨタ自動車本社工場に貨物専用線を設ける計画がある由。かつてあった名鉄挙母線のトヨタ自動車前駅と愛知環状鉄道三河豊田駅はほぼ同じ位置という。最近は急に乗降客が増えているらしい。)
特に、最近は通勤用自家用バスや貸切バスを活用して、従業員の鉄道通勤を奨励するという事もしているとききます。(事実愛知環状鉄道の乗客数も名鉄豊田線も通勤客の増加がある上に、三河線に至っては自治体が複線化のてこ入れをしているという話もある。)バランスよく交通の体制を整えるという体制は、エコの立場からも会社のCSR活動として考えられているのだとおもいますが、成り立つのかのはよほど考えなければならないと思うところです。(それは、鉄道経営というだけでなくて、会社経営・さらには環境マネージメントという側面からみた大局的視野に基けなければならないはずです。)両立できるようにするには、それなりの財源と地域の「経営」をする地方自治体の腕が期待されるところです。むずかしそうですがね・・・
なお、「トヨタは4月に名古屋-苫小牧間でも、補給部品の鉄道輸送を始めている。」というのはトヨタ自動車北海道からの駆動部品出荷のようですね。
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もちろん、環境と言う意味では外注業者と完成車製造工場の同期生産(ジャストインタイムと同意と見てもいいでしょう)という観点から、完成車工場に近いところに工場団地を一緒に設置してそこに優先的に協力工場を誘致することで、デリバリーを簡単にすることと、協力工場の支援・協力工場の確保を図る会社もあります。本田技研工業が世界各国でやってきた一つのビジネスモデルがこのパターンですが、これも自動車輸送を前提にしてというところはトヨタと一線を画するものの、環境改善の側面もあるといわれており、お互いの社風・出自の違いがわかるというかなんというか・・・とお互いに競い合うことは、こういう場面ではいいのだろうなと考えてしまいますね。
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それはそうと、こうなるとまた撮影するものが増えたなあと言う意見(苦笑)とか機関車(EH500?)の追加はどうなるとかはあるのですが、今後は名古屋-仙台港という専用貨物が増加するかもしれません。(宮城野ではこれ以上の自動車の進入は反って困難な気が・・・)小牛田での貨物扱いが復活する・・てことはないだろうなあ。(現段階でも石巻線の輸送のため、小牛田での組み換えはある。けどそうすると古川のオフラインターミナルの意味が薄れるし)

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参考:【自動車】トヨタ、17年ぶり国内に車両工場を建設 東北・北海道で選定[07/09/14](日刊工業新聞)
トヨタ自動車が東北、北海道を軸に新車両工場の建設を計画していることが、13日までに明らかになった。09年をめどに稼働する。国内では17年ぶりの車両工場で、投資額は総額1000億円近くに上る見込み。進出候補先をすでに 宮城県内ほか数カ所に絞っており、年内にも正式決定する。増産対応ではなく、国内での車両生産の再編をにらんだ動き。トヨタによる地方への大型投資は、 大きな雇用創出が期待できるだけに、地方活性化の起爆剤ともなりそうだ。
新工場の生産能力は、年間15万-20万台程度になる見通し。(中略)
今後は地域経済が低迷する東北や北海道への投資を加速。新工場建設計画は、雇用創出などで貢献できるという、地域経済への配慮が働いたという側面もある。

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コメント

こんばんは。
かつてGMが絶頂期にあったとき、当時のGM社長は「GMにとって良いことは米国にとっても良いことである」という有名な言葉を残したそうですが、今の日本は「トヨタにとって良いことは・・・」といった感じですね。
トヨタは福岡の工場も生産能力を増強していますが、こちらも部品輸送も鉄道を使っているのでしょうか。だとすればJR貨物にとって本当に大得意先ですね。

投稿: kunihiko_ouchi | 2007年10月20日 (土曜日) 01時07分

>「GMにとって良いことは米国にとっても良いことである」
良くいけシャーシャーと(GMには恨みは無いがデルファイは少なからず(以下自粛))。
>トヨタは福岡の工場も生産能力を増強していますが
こちらは使ってないようです。(1)当時は筑豊地区の失業率が高く、部品工場が付いてきた。(2)同じ地区にN自動車が工場を作ったこともあり、立地が極めてよくなった。(3)広島・山口近辺からの(M社に関連した会社の)部品供給があった
からのようです。
なお、福岡県は「北部九州自動車製造150万台構想」を打ち出しており、トヨタや日産といった九州内に工場を持つ自動車産業の業務が急増。 ここ数年、求人が「前年比2割増」という好調振りなんだそうですって。

投稿: デハボ1000 | 2007年10月20日 (土曜日) 02時19分

北海道在住のSUBALです。
私の勤務先のすぐ近くで、デンソーの新工場建設工事が始まりました。以上現地からのレポートでした。

投稿: SUBAL | 2007年10月20日 (土曜日) 07時18分

TB、コメント有難うございました。
最近、トヨタ系の東北シフトが着々と進んでますね。東北に基盤を持つ僕の勤務先としても、安閑としていられない状況です。人材確保に響いてきますからね。

投稿: mac | 2007年10月20日 (土曜日) 10時02分

>私の勤務先のすぐ近くで、デンソーの新工場建設工事が始まりました
>株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:深谷 紘一)は、北海道千歳市に車載用半導体製品を生産する新会社を設立します。
あらあ。どうも相乗りするつもりですね。もっとも苫小牧・千歳付近には自動車関係会社が他にもあるという見方も出来ます。
>人材確保に響いてきますからね。
かなり影響が考えられますね。人材確保と言う側面がかなり高いだけに、なんらか対策いるかもともいえましょうね。それにしても宮城県のHPを見ると工業団地がすごく作られている。

投稿: デハボ1000 | 2007年10月20日 (土曜日) 11時55分

当初は室蘭近辺に分工場を建てる計画であったのを、トヨタ進出の話を聞いて急遽進出先を岩手県宮古市に変更したという鍛造メーカーのことを知っています。トヨタが進出するのは地域経済にとってはプラスかもしれませんが、地元の中小企業にとっては人材確保の点で脅威そのものですよね。

投稿: kunihiko_ouchi | 2007年10月23日 (火曜日) 01時06分

>進出先を岩手県宮古市に変更した
ほう。鍛造メーカーですか。商売とすれば室蘭なら、I自動車の関連もあるかも知れないのですが。宮古にしても釜石にせよ鉄という意味では比較的なじみのある地域ですが・・経営判断になやむでしょうね。
アメリカでの話ですが、アメリカにトヨタ自動車の組立工場が出来、人財確保をしてるのはまあ有りうる話ですが、近所の「日系」自動車部品会社の人材を引っこ抜くわ、しかもそこはそのトヨタの工場の大口納入先ということで、文句もつけられず・・というジレンマを聞いたことがあります。

投稿: デハボ1000 | 2007年10月23日 (火曜日) 05時16分

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