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青い鋳鉄管

さて、工事等を行ってると段々なにをしてるのか興味が出てくるものである。かなり前のことであるが、面白いものだと感じたことがあったので、書いておこうか。

仕事柄、パイプのアイソメ図(配管図面の斜視図。2D図面として工事図面によく用いられる)はCADでよく書くことがあった時期の話である。品川駅構内の南のはずれを基点として、300Aぐらいの鋳鉄管(フランジ鋳出し)のパイプがいくつかおいてあることを通勤の怠惰な毎日、東海道線から見る車中から見つけた。で毎日毎日こつこつこつこつこのパイプが組み立てられ横浜方面に伸びていく。
ただ、管の径がそこそこ大きい割りに管の肉厚は薄いようである。しかも鋳物の管。青色に塗ってあるというわけでつらつら考えるとこんな想像が成り立つ。
・JISの基準から考えると、青色配管というからには内容物は雑用水であろう
・流れる圧力は余り高くない。現場交換を容易にするからか溶接もしてない。
・配管の屈曲も最小限にしてあるが、場所によっては建屋を迂回しているところもある

で品川駅から大井町駅を付きぬけてこのパイプラインは暑いさなか2ヶ月ぐらい作業の結果伸びていったのであるが、しばらく大森方面に行ったところでこのパイプは突如消えてしまった。まるで「3Dパイプ(OpenGL) スクリーンセーバー」が途中で止まった様な感じがする。

こういうのは非常になにがあるのか興味があるところである。そこで地図を見てみると、
http://maps.nifty.com/index.jsp?type=1&scl=25000&nl=35/35/45.570&el=139/44/21.266
この地図を見てもらうと小さな川が流れているのが分かる。立会川というが、川下に京浜急行線の同名の駅があることから存在をご存知のかたも多かろう。正直言って汚い川である(上流も暗渠になっているから水量がそもそも少ない)。
そのうち、JR東からの情報発表があって「ああそうか」と私はひざを打ったのだった。
(1)総武快速・横須賀線の地下区間(錦糸町-品川)のトンネルのなかからは、土中の水分が漏水と言う形で流れ込んで来るのでポンプで常時くみ出している。
(2)地中水は厳格な飲用用途ということでなければ、下水道処理されることに法規上決まっている。(なおここの地下水は少し塩分をふくんでいるそうな)
(3)下水としてこれらの水を見た場合、非常に綺麗なので、下水道処理場ではむしろ、汚水の希釈に使うぐらいである。しかもこの排水は24時間でるので、他の下水道の水のような沈殿処理のための装置をいれることは、実際上汚泥分離の阻害になることもある。
(4)そこで東京都とJR東は相談した結果、この地下水を「中水」・・・つまり処理前の雨水同等と扱い、水質汚濁のある中小河川に排出することにより、河川のどぶ川化を防止することにした。
(5)この作業により、東京都は下水の処理施設の流入自体を押さえることが出来、処理工程の変更も考えると設備増加ペースを落とすこともできるため、財政上も有利である。
(6)また東京都23区内の中小河川は半ばどぶ川化しているものが散見されるが、ここに中水を流し込むことによって河川の水をきれいにし、環境整備に有利である。
(7)一方JR東日本はこの地下水を、東京都に有償で下水処理してもらっていたのだが、その処理コストが削減できることになる。
というわけでこの青いパイプラインは地下水を立会川に流し込むために作ったものだそうだ。(注:いまは錦糸町側にも同様な施設があるそうだが当方は詳細を知らない)さて、この立会川は先に述べたようにどぶ川であったためか、藻など魚のご飯が結構植わっていたのであるから、そこに清水がながれ水位があがりとなると、「ぼら」(の稚魚らしい。東京湾内では割と生殖していたものだそうな)が立会川駅付近あたりの開口部に沢山遡上してきて、結構話題になった。(いまは遡上する魚は減っているがそれでも、以前のことを考えればいいそうな)さすがに、私はそこでつりをすることは無いと思うが、少しでも環境が変わってコンクリートで3方囲われた河川が生気を取り戻せるなら、なかなか粋なことである。
パイプラインというからには、ベンチャーズなぞを思い出す事もあろうかと思うが、石油プラントとは又違うパイプラインの話であった
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(PS)参考:http://umichan.chat-jp.com/kamata/column/tachiaigawa.htm

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コメント

> アイゾメ図
アイソメ図(isometric projection)です。
「アイゾメ図」と言う人も散見しますが、書体のゴシックを「ゴチック」と呼ぶのと同じで感心しません。

投稿: TX650 | 2007年9月16日 (日曜日) 11時42分

ひえー、直しきれてなかった!

投稿: デハボ1000 | 2007年9月16日 (日曜日) 12時48分

京急の立会川は大井競技場へ行くのによく使います。2年ほど前から、駅前に坂本龍馬の銅像が建っているのですが、江戸時代、土佐藩の下屋敷があったことから、若き日の坂本龍馬もここ立会川周辺で剣術修行をしていたことから駅前には龍馬の銅像が建てられたそうです。これで町おこしをというのもあるようですが、まずはあの汚い川をどうにかしなければと思います。近くの品川水族館がある公園は割と水がきれいな(この付近としては)感じがして、先日貝を捕っている人などを見かけましたが。

投稿: KADOTA | 2007年9月16日 (日曜日) 22時06分

以前駅近辺に親戚が住んでいました。その当時に比べればまだ川は綺麗になったような気がします。もっと川を綺麗にする方法として、海の水を川の上流にポンプで回したりしてるそうですが、焼け石に水ですね。そもそも家庭の汚水が入ってくることからなんとかしなければとは思いますが、上流を暗渠にしたのがそもそもの・・・・
龍馬の銅像は知りませんでした。

投稿: デハボ1000 | 2007年9月16日 (日曜日) 22時15分

こんばんは。
ベンチャーズのパイプラインは多分サーフィン用語ですよね。
ボラの稚魚を房総方面では「イナッコ」と呼びます。工業地帯の近くの海や河口でもよく水面から飛び跳ねてます。汚染されてるとは思えない元気さですよ。内臓以外は大丈夫ってことはないかなぁ。

投稿: niwatadumi | 2007年9月16日 (日曜日) 23時41分

>以前、某掲示板で、ベンチャーズ曲の「パイプライン」のことを重油を通すパイプを想像していた人が居られましたので・・・誰だっけ?大きい波がつくり出す、波の輪のことです。
「私だよ」(byにしおかすみこ)となってしまいました。(恥)

房総では大丈夫なんでしょうが、立会川ではかなり河口から運河を経由して上がってくるようなので釣るより、やさしく見守っていたい場所です。

投稿: デハボ1000 | 2007年9月17日 (月曜日) 06時27分

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