« 目の疲れには | トップページ | 少しお仕事してきました »

物をくっつける

いざ、物を接合するとなると、意外とその思考様式は思いもかけず困難なものである。
-----------引用(日本機械学会誌 2007/9 P1)
まえがき-つなぐ・つける・はめる(高橋宏知氏 東京大学講師)
研究室の学生に実験装置の改良を指示すると、まずセロテープ(当方注:登録商標なんですが・・・)が登場した。それでは信頼性が不安であると苦言を呈すると、実験装置はセロテープでぐるぐる巻きになった。「機械系の学生だったらせめてネジぐらい使えよ」と思いながら、実験装置へのセロテープ禁止令をだした。しかし、何かを「つなぐ・つける・はめる」時、多くの技術的選択肢から、要求条件・制約条件・コストパフォーマンスを熟慮しながら最適な設計解を選び出す作業は、しばしば悩ましい。(後略)
---------------
というわけで、このあと溶接手法の選択による欠陥船の事例とか、色々話がでてくるのだが、そこは置いておく。
どうしても結合と言うものは、その手法があまりにも広すぎるため、しばしばその設計者や保守担当者個人の知ってるノウハウに頼ってしまうほど実は壮大で、幅広いものである
確かに、ざっと「鉄をくっつける」といっても溶接(それもアーク溶接から始まって、スポット・・・・・・・)・ネジ結合(これだって機械要素としてもまあ色々出てくる)、接着、溶着、鍛造圧接、圧入、かしめ・・・・ああきりがない(笑)。
後工程(つまり取り外しの有無)や、信頼性、微調整の有無、そして接合状況の欠陥があったどうかの検査まで全部見通した・・・は言い過ぎでも、ストーリーを描いた上で設計していかないと最適解がえられないですね。かつて・・じゃなくてかくて設計者はストーリーテラーともいえるんではないかと。 

もっとも難しいからといって設計行為の場面にはいろんな場面で、こういう選択肢が複数出てくるのは事実であるわけで、逃れられない性なんですな。そしてそれを暗黙知として頭に入れて置かなければならないのだが、だからマニュアル化すればいいというのは一寸短絡的なんだと思う。では答えを持ってるのかお前は!といわれると正直言って考え中なのではあるが、少なくとも、いろんな接合事例を見て、「なんでこうしてるのかなあ」といつも考える姿勢を持っておく、それが達人への第一歩なのかなあと思いながら生活してみるのも、技術向上には役立つと思う。ただあんまり突き詰めると、神経が参ってしまうともおもうので、どの按配がいいのか・・・と思いながらビールの缶をぐるりと嘗め回すように見るのは、一寸きついですかそうですか(苦笑)
ああ。だからこういう試行錯誤ならぬいったりきたりする迷走行為を「嵌まる」というのか
ブログランキング・にほんブログ村へ

|

« 目の疲れには | トップページ | 少しお仕事してきました »

コメント

気持ちの上で、一番気持ちよい接着方法は、やはり爆着ではないかと思う越渓です(笑)。
嵌っているデハボ1000さんをさらに嵌めてしまいそうなネタですが、「くっつける」という点で、最近ちょっと面白そうな発見があった模様なのでご報告を。
ヤモリの足がどこにでもくっついていられるメカニズムは、これまで謎とされてきた(水中でも真空でもくっつく)のですが、どうやら足裏の超微細な毛によってファンデルワールス力をコントロールし、物理吸着を起こしているのではないか、という論文が発表されたようです。
==>http://news.nationalgeographic.com/news/2007/07/070718-geckel-glue.html
モノがくっつくメカニズムって本当に面白いですね。お仕事となると面白いでは済まないのでしょうが・・・。
これを応用したら、

投稿: 越渓 | 2007年9月28日 (金曜日) 22時15分

うっかり送信ボタンを押してしまいました。
続きをちょっとだけ。

これを応用したら、皆スパイダーマンのように自由自在によじ登れるかもしれませんね。

投稿: 越渓 | 2007年9月28日 (金曜日) 22時17分

超音波ホッチキス(これも登録商標?)は、食品パックから鋼製の針をなくしたという意味で、画期的でした。高速振動ではあっても音波ではないだろう、という突っ込みは置いておきましょう。この接合メカニズムは、摩擦熱だけでは説明できないそうです。
それにしても、くっつけるといえばセロテープかガムテープ、教わっていないのだからしょうがないですが、ため息が出ますね。

投稿: SUBAL | 2007年9月29日 (土曜日) 08時27分

SUBALさん
> くっつけるといえばセロテープかガムテープ、教わっていないのだからしょうがないですが、ため息が出ますね。
接着といえば何でも瞬間接着剤、という人も多いですね。コンビニにも瞬間接着剤しかおいてないし…。
大げさにいえば、これでは未来のものづくりニッポンを背負って立つ少年少女エンジニアも育たないわけでして(鬱)。

投稿: TX650 | 2007年9月30日 (日曜日) 10時33分

>やはり爆着
ややっ。そうきましたか。大物かつ異物接合だと設備コストをなんとかすれば、使えるものですしね。
でヤモリの記事を見させていただきましたが、もしこの機構の発生が偶然の所作なんでしょうが、それにたどり付いた自然に対し、畏怖を覚えますね。
>接合メカニズムは、摩擦熱だけでは説明できないそうです
まあ、木工用接着剤の接合にしたって、アンカー機構という一般論だけでは説明できないそうです。そこにつきつめる面白みが有るのだと、自分を慰めて(笑)おります。
>教わっていないのだからしょうがないですが
>大げさにいえば、これでは未来のものづくりニッポンを背負って立つ少年少女エンジニアも育たないわけでして
まあ、教わってどうなるものとも思わないです。多分この「テープ禁止令」を出された生徒は考えるでしょうし、その見方が育てるならそれでいいのかもと、少し割り切るしかないでしょね。

投稿: デハボ1000 | 2007年10月 1日 (月曜日) 09時08分

工夫しようにも身近な場所でモノ(接着剤)が瞬着しか手に入らないわけでして…。昔は街の文具店や模型店に行けば4~5種類くらいはありましたよね。いまそういう店がないわけなんですよ。

投稿: TX650 | 2007年10月 1日 (月曜日) 16時41分

接着剤については、「ブリッジコンテスト」の過程で勉強をさせてもらいました。学生が調べたのですが、瞬間接着剤(シアノアクリレート系)は、引張りには強いけれどせん断にはさっぱりだとか、軽さをと見た目を考慮すれば2液のエポキシ系より木材には酢酸ビニル系の木工用ボンドの勝ち、とか・・・それはそれで面白いですね。でも結局は、接着剤で接合した部分にいかに強い引張応力が生じないようにするかが勝負のポイントだったりするわけです。
当地では「ホーマック」というホームセンターには、一通りの接着剤は売っています。

投稿: SUBAL | 2007年10月 1日 (月曜日) 21時17分

SUBALさんもTX650さんも有る意味では同じことに収斂してるような気もしますね。確かにシアノアクリケート系は強度のばらつきが環境の水分で変わるとかいうのもありますし、最近は危険物ということもあってか「ゴムのり」を知らんのもいたりしますから(自動車関係ででも!)そんなのは、やっていったり、人とコミニュケーションを取っていくと、話の端々に出てくるものだと以前ならみんな思っていたわけです。けど現実はどうか。そのパラダイムはほころんでる気がします。
やっぱり、今日の日刊工業ではないですが、モノつくりの環境(人的な環境)というのが段々見えにくくなってるのかなあと思いますね。私たちはそれに対してどうアシスト(底上げ)していくか、どのステージに立つ工業に関わる人も試行錯誤してると見えますし、具体例も聞いています。(地場の製造工場が、小学生らに対して工業的な見方に乗っ取った工作教室を開いたり、自社ラボを開放してるといううれしい話もあります。)私見ごめんなさい。

投稿: デハボ1000 | 2007年10月 1日 (月曜日) 21時27分

SUBALさん
そうなんですよね。確かにホームセンターに行けば、昔はいくつもの店を回らなければならなかったいろいろな材料が揃います。でも私の実家や勤務先(東京23区内です)では、どちらも車やバスで15~20分くらいは行かないとその種の店舗がなかったりします(いま住んでいるところも徒歩圏になかったのですが、こちらは駅前再開発で昨年開店しました)。これでは子供達が気軽に、というわけにはいかないですよね。
便利な郊外のロードサイド店、でもそれが都市機能の空洞化を招いている…と、まちづくりの課題に行き着いてしまいましたが。

投稿: TX650 | 2007年10月 2日 (火曜日) 06時03分

TOOLが多くても使い方が分からないと意味が無いですから、どうしても私はそれに対する知識というほうに目が行ってしまいます。

投稿: デハボ1000 | 2007年10月 3日 (水曜日) 11時10分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/16600793

この記事へのトラックバック一覧です: 物をくっつける:

« 目の疲れには | トップページ | 少しお仕事してきました »