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しょうゆに関わるエトセトラ

スーパーに醤油の小瓶がならんでいる。手元の醤油ビンを見ると、「大豆・小麦・食塩・アルコール」(ワダカン醤油・・・青森)、「大豆・小麦・食塩」(キッコーマン・・千葉)となっている。これが普通の本醸造醤油なのであろう。
---引用:http://shop.slowbusiness.org/index.php?main_page=wordpress&page_id=58
しょうゆ製造にはどんな方法があるか知っていますか?JASでは製法別に分類されています。「本醸造」「新式醸造」「アミノ酸液混合」注:JAS法改定により平成18年4月12日以降表示が「本醸造」「混合醸造」「混合」に変更内容も微妙に変わるえような。)に製造方式に関わる名称などです。
本醸造しょうゆ:大豆(または脱脂加工大豆)、小麦、食塩(、アルコール)
新式醸造しょうゆ:脱脂加工大豆、小麦、食塩、アミノ酸液・・・
アミノ酸液混合しょうゆ:脱脂加工大豆、小麦、食塩、アミノ酸液、ブドウ糖果糖液糖、カラメル色素・・・
○本醸造しょうゆ
(0) 大豆を浸水させる(丸大豆使用の場合):約15時間
(1) 大豆を蒸し、小麦を炒り、種麹と混ぜ合わせて麹室に入れる。
(2) 約2日間、30度くらいの温度で麹を培養する。脱脂加工大豆を使う場合は、もっと時間が短縮できる。
(3) 熟成用の桶に移し、塩水と混ぜ合わせる。
(4) 醗酵させる:約半年 脱脂加工大豆を使う場合は、時間が短縮できる。
(5) 熟成(諸味(もろみ)という):約1年
(6) 諸味を搾り、「生揚げしょうゆ」の出来上がり。 「生揚げしょうゆ」を加熱(熟成停止)したものがこいくちしょうゆ。
○新式醸造しょうゆ
諸味、生揚げしょうゆまでの工程は、本醸造と同じ。もろ味または生揚げしょうゆにアミノ酸液を加え、醗酵・熟成させる(約1ヶ月)熟成後、食品添加物で、味、香り、色をととのえる。
○アミノ酸液混合しょうゆ
生揚げしょうゆにアミノ酸液を加え、醗酵・熟成させないで、食品添加物で味、香り、色をととのえる。
-----------中断
醤油の種類は日本農林規格(JAS)によって5つに分類されてるそうです。これらに全て「本醸造」「新式醸造」「アミノ酸液混合」の方式があるということ。
(1)こいくちしょうゆ (濃口醤油)
全国の消費量の約80%を占める最も一般的な醤油。塩分は15~17%程度。
(2)うすくちしょうゆ (淡口醤油)
関西で生まれた色の淡い醤油。全消費量の約15%を占め、素材色を美しくする炊合せや含め煮等の料理に向く。高濃度食塩で仕込む。濃口よりも塩分を1割多く使用し、塩分は18%程度。
(3)たまりじょうゆ (溜り醤油)
中部地方で主に作られる。独特の香味・濃厚なことが特徴。とろみのある色の濃いしょうゆで、加熱できれいな赤みが出るので、照焼きやせんべいなどの加工用に使う。塩分は16%程度。
(4)さいしこみしょうゆ (再仕込み醤油)
山口県を中心に山陰から九州地方にかけて造られている醤油。ほかの醤油は麹を食塩水で仕込むのに対し、生揚げを使って2度仕込みを行うため、再仕込みしょうゆと呼ばれる。塩分は16%程度。
(5)しろしょうゆ (白醤油)
小麦が主原料で、脱皮精白した小麦に、同じく脱皮精白した少量の大豆により麹を作り、食塩水に仕込んでつくる。淡口醤油よりもさらに色がうすく、糖分が高い。

なんですって。九州地方の醤油が甘い感じがするのはこのあたりに有るのかもしれません。とまれ5×3種の醤油、さらに減塩醤油なぞもあるから、JAS規格品でも結構いろいろ有るんですね。
--------------------再開
本醸造にしても、丸大豆を使う場合と脱脂加工大豆を使う場合で醗酵・熟成に要する時間が変わり、当然味にも違いがでます。丸大豆には油分が含まれ、油分が醗酵・熟成の段階で「グリセリン」に分解し、しょうゆの味がまろやかになるとか。
脱脂加工大豆は、「油分をわざわざとりのぞく加工した大豆」でもあるが、「植物油をとった後のかす」と解せます。植物油をとる際、大豆を使う場合には、ノルマルへキサンを使って、油脂成分を溶かして抽出することが多いようです。ただしノルマルへキサンは、低温揮発するから、大豆油の中に残留しないのですが、食の安全安心という観点からみるとちょっと不安になってしまいます。
--------------------終了
醤油の醸造方式は「本醸造」が基本ですが、「混合醸造方式」・「混合方式」では、大豆たんぱく質を塩酸分解してつくったアミノ酸液を使用しています。この「アミノ酸液」は本醸造で作られるアミノ酸とは異なる、独特の香りとうまみがあり、地域によっては、この風味を珍重するところがあるらしいです。
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だそうですが、私の母に言わすと「使えたものではない」とぼやくこと。聞くと、戦後醤油が入手できなかったときに町内会などで回ってくるものに醤油でなくて「アミノ酸液」ということがあったそうな。で家族の多かった幼い時の母は、醤油まがい物を作ることになったそうである。曰く
(1)アミノ酸液が配給で回ってくる。
(2)砂糖を少量の水分で煎ってカラメルを作成。茶色くする。
(3)これらを適当に混合し、場合によっては「グルタミン酸ナトリウム」を混ぜて出来上がり

なんだそうである。勿論今まで薄口醤油しか使わなかった人間には、味が会わない可能性があるので、それを議論することは差し控えたいと思う。けれども、どうもアミノ酸で思い出す「グルタミン酸ナトリウム」とは違う味のようである。醤油自体に「グルタミン酸ナトリウム」を入れることは、今はあまりないようだ。
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ここまでの記載で、気になるのは意外と、醸造とは違う、化学的な製法を使っていることである
「アミノ酸液」:大豆たんぱく質を塩酸分解・・・希塩酸に脱脂大豆を浸漬して分解したもの。塩酸分解ということで抵抗感を示す方も有る一方、味の調整として積極的に使う場合も有るとか。ちなみに今の「グルタミン酸ナトリウム」は醸造法である。
「脱脂加工大豆」:植物油をとる際、大豆では、ノルマルへキサンを使って、油脂成分を溶かして抽出することが多いようです。ノルマルへキサンは、低温揮発で大豆油の中に残留しない。
ただ食の安全安心という観点から見ると、不安といえば、そうかもと、いってしまいそう。

アミノ酸液は化学合成といえども、無機酸で溶解処理をしているから、本醸造醤油などに比べ、工業的な連続生成が容易なんだそうだ。また塩酸そのものも食塩の電気分解でも工業的に作れるものである。要するに化学工業・食品工業と考えれば、甲種焼酎(エチルアルコール)と本質はそう変わらない。だからこそ配給できる羽目になったようであるが、違和感が有る人には有る・・ということは否定できないと思う。
またノルマルヘキサンによる油分抽出は、サラダ油ではごく一般的であり、工業的には確立されたものであると聞く。むしろ使わないのは、古典的という上に、残渣処理の問題があり(油分が多いと廃棄処理が難しい上に、大豆の脱脂加工が不十分だと、自然発火など安全上問題がある。)ゴマ油以外は珍しいそうである。ごま油の場合は、油分抽出に薬品を使うのが、ごま油らしい風味を妨げるからという業者もあるからだそうな。(余談になるが、「サンポール」という便所の洗浄剤は昔は単に5%塩酸溶液であった。界面活性剤が入って使いやすくなったのは、サンポール社が大日本除虫菊社の傘下(のち吸収合併)になってからである。

閑話休題。確かに現下の中国食品に関する信頼にはかなりつらいものがある。私の好物でも有るポークランチョンミートも廉価品が本土の市場で減っているのだが、どうも沖縄・ハワイ州などの有力市場の一翼にあった、中国製ポークランチョンミート缶詰が顧客の傾向として売れなくなったから、全体に米国・欧州製の価格が上がり、品不足気味になってるとか。(専門食品店で聞いた)けど、その判断をできるだけ感性や風評に頼らずに行うためには、私たちの足元で用いている食品が、一体どのようになっていて、今までどのような実績があって、・・・ということを考えてからでないといけないと考える。
あくまで、私個人としては、調味という食材であるから、がぶのみするものでなし(例外的に、徴兵逃れで醤油をがぶ飲みしたという話はあるんですけどアミノ酸液は、いままでの60年以上の実績をベースにしている以上、差し支えないものとしてみなしていいと思うし、「ノルマルヘキサンによる油分抽出」作業は、慎重に行うことを遵守するという条件が満たされたら、許される実績を積んでいると思う。
このように、物事を考えていくような姿勢を積み重ねることによって、食の審査能力というのが、自分でも身につくのだと思う。「きゅうりは形がいいのが旨い」という感覚より、形状で議論するのが食の本質・事の本質なのかを改めて考えるようにするべき。
じつは、この前、回るおすし屋さんで食事をして、勘定をしようとしたら、レジで「当店で使ってる醤油です」とビンに入れて売っている。でラベルを良く見ると、溜まり醤油だと勘違いしていたのだがどうも「アミノ酸液」を多量に使って、かつ「もう1回醸造」した醤油だったのである。(JAS準拠品ではないらしい)これは実質は「再仕込み醤油」であるが、前段の仕込を「アミノ酸液」で置き換えているものだったのだ。これなんぞは、どう評価したら良いのか困る醤油ですね。
別の話、この前、かつおのたたきを某所でいただいたら、それについてきた「にんにく」がとても旨いので、「なんですか、このにんにく?」と真顔で聞いてしまった。委細を聞くと、やはり、有名な青森の産地のものを、オーナーが選別して供しているのだ。魚をほめるのを忘れて(当然おいしいのだが)にんにくをほめるほうも問題ありですが、調理する人やオーナーの選択眼が高いということを、はからずしも示したわけである。
すべてのことを知ってくれといっても、むりであろう。しかーし、その姿勢をどこかに持っておき、常に「これはなぜかな」と考える。言い換えれば、いつも「なぜ」「なぜ」「なぜ」「なぜ」「なぜ」と5回繰り返す。ありゃ、これはじつはトヨタ自動車で行われる「カイゼン」の考え方と同じではないかっ。
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コメント

>確かに現下の中国食品に関する信頼にはかなりつらいものがある。
つい最近ネットで話題になった中国の「人毛醤油」のニュースには驚きましたが、戦中戦後には日本でも出回っていたらしい、と知り二度驚きました。確かに髪の毛からアミノ酸が取れますからね。。。

「中国に残る 髪の毛で造る「醤油」」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20060608/103900/

投稿: kunihiko_ouchi | 2007年7月28日 (土曜日) 01時13分

♪カニ食べ行こう~


って、エトセトラ違いでした。w


強引に話を持っていきますが、ただいまミナログでは、【ブログ討論会】
アナタはロボットとどんな関係を期待しますか?

なんてものをやってます。

皆さんで是非なんか書いてやってください。
よろしくお願い致します。

投稿: みどりかわ@ミナロ | 2007年7月31日 (火曜日) 18時20分

>戦中戦後には日本でも出回っていたらしい、と知り二度驚きました

えー、そうですか。これは・・・怖い。

投稿: デハボ1000 | 2007年7月31日 (火曜日) 19時27分

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