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研究発表の立場は

九州大学のHPを過日見ていたら、学長名で下記のような文章が載っていた。(今日も一度見直すとなくなっているので、なにか理由があったのか分からないため、引用はできないのだが、とりあえず、その概要内容を書いてみる
------------------概要-------------------
1:最近、技術者・研究者の倫理と説明責任が大きな問題になっている。
2:その際、学会における口頭発表の内容が、先行してしまい、報道されたりすることがある。
3:正しい意味での学術的な成果は、査読付き論文であるので留意されたい。

(PS)工学部のHPにあったのです。見落としてました。一応転記します。(一部省略)
工学研究院長より「似非科学問題について」
最近,本研究院内の教員が検証の不十分な実験結果を発表することにより,似非科学としてマスコミに取りあげられるなどの事態が起こっています.そこで,本学教員による外部発表は口頭発表であっても社会的影響が大きいことを充分に考慮して,発表内容に細心の注意を払うよう勧告しております.また,学会における口頭発表だけでは研究内容が認知されたことにはならず,査読付き学術誌に論文が掲載されることで初めて研究内容が是認されることを各教員に再認識させております。
2007年4月12日  工学研究院長 
----------------------------------------
どうも、「学術発表をした」ということだけでCMを打っている商品や会社があることから、そういう誤解が起きているのだろうと思われる。確かにその段階では成果として判断するのは間違いなのだろう。それを一般の人が誤解するような商法が蔓延している事実も有るのですよね。
じつは「特許取得」という表現もそうで、これは自分の技術をガードし公的なところに確認してもらっって、自然科学的に間違いがない「と思われる」ということだけである。従って完全にそれが正当だという保証を与えているものではない。(勿論研究実績としては、評価されるものではあるが)このあたりにも、なかなか一般のひとが誤解を招く場合があるのかなあと考える。エセ科学に騙されるところには、案外この点の理解が難しいのかもしれない事情があるのですかね。

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コメント

以前、九大を訪問したとき、この研究院長の先生の研究室を案内していただきました。高校教員が2名訪問しただけなのに、東京からのお客さんということで、研究室総出での対応でした。こういうニュースはすぐに消すところなのに、2ヶ月以上も学部のトップページに掲載していることにも律儀さを感じます。

投稿: KADOTA | 2007年6月10日 (日曜日) 20時44分

偶然ですが、その九州大学で開かれた学会で昨日発表をしました。ピュアサイエンスではない分野なので「正しいかどうか」よりもアイディアや視点の独自性・有効性が問われるのですが、いずれにしても自戒したいと思います。

投稿: TX650 | 2007年6月10日 (日曜日) 22時22分

KADOTAさん
記載場所を見間違えていたようです。(本文を修正しました)確かに書いてある。大学院工学研究科側に相当な問題意識があると考えます。

自戒をしなければならないことだし、本当に「情報の質」というものの判断が難しいこのごろ、受信するかわもそうですが発信する側も、よっぽど吟味して議論していなければならない「はずです」が、下手に自粛ムードになるのも、別のところに類推して考えてしまいがちであり、発信側・受信側ともに考えなければなりません。

投稿: デハボ1000 | 2007年6月12日 (火曜日) 10時09分

査読のない学会発表や論文発表を積み重ねることで議論を深め、また評価を固めて研究を発展させていくという側面も大きいので、自粛ムードになってしまっては好ましくないですね。
むしろマスコミの薄っぺらで興味本位な捉え方こそ一番の問題点なのかもしれません。

投稿: TX650 | 2007年6月12日 (火曜日) 11時20分

http://d.hatena.ne.jp/kazima/20061003
これのことみたいですね。ううむ
これについてですが、大阪大学の菊池さんという先生が下記のように語ってます。
http://www.youtube.com/watch?v=sCKPIzb3ajA
-----------------------------
信じることは、個人の自由であります。また確実に私たち技術等に関わる場合には、按分して可能性としてはこれだけ・・・可能性のないのはこれだけ・・・「分からないのはこことここ」といって理解できるならいいのですが、現実の社会はとかくステレオタイプ「らしき」答えを求めてしまうのかもしれません。

投稿: デハボ1000 | 2007年6月12日 (火曜日) 14時05分

なるほどね、こういうおはなしですか…。
ここまでアレなのはまあともかくとしても、ご紹介のブログでも言及されている「マイナスイオン」なんか中学校の理科の知識があればおかしいとわかるのに、日本を代表する複数の大企業がまことしやかに宣伝したためにすっかり定着してしまいましたね。(同じ宣伝を海外でやったら不当表示で取締りの対象になる国もあるかも?)
「血液サラサラ」なんかも循環器の高度先端医療で有名な東京の某医大の教授が提唱したことの「言葉だけ」が独り歩きして、とうとう詐欺のネタにまでなってしまっています。
科学に関わることを説明するのにあんまりキャッチーな言葉を使うのも、そういう独り歩きの恐れがあっていかがなものかと思います。

投稿: TX650 | 2007年6月13日 (水曜日) 09時41分

電解水の精製装置などで問題が生じた経緯が根底にあります。私はその開発の当時開発のPL代理をやっていたので、裏側も知っており余計に自責感を持ってるわけなんです。(厚生省(当時)と国民生活センターとの喧嘩とか、医療関係の研究内容とか)
http://www.youtube.com/watch?v=sCKPIzb3ajA
を見て私は頭を抱えた人間です。
理科教育や倫理教育でかなり問題になってる項目であり、ある意味この自責感が私に「技術者の倫理感ってなんだろう」と動機付けをしてくれた材料であります。皮肉なことに。

投稿: デハボ1000 | 2007年6月13日 (水曜日) 13時00分

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