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統計のリテラシー

少し肩のこらない話で、しかし深刻な話をしてみましょう。技術にせよなにについても持つべき「リテラシー」の敷居が高くなりすぎて、ついてこれる人が減ってるのでないかという問いかけです
統計で嘘をつく方法」という本が以前よく売れたことがある。統計というのはプロパガンダにもなりうるし、現象の一切片でしかないのだが、ついぞそれを出すと信じてしまうところがある。あまりよくない例ではあるが下記の記事をよんでみよう。
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「シングルファザー」急増のワケ(日刊ゲンダイ)
 父子家庭が急増している。総務省のデータによると、幼い子どもを抱える49歳までのシングルファザーは、05年が20万3000人。00年から5年間で1万2000人も増えているという。
 理由は離婚15万7000人で、死別2万7000人、未婚1万9000人と続く。離婚が圧倒的に多いのだが、驚くのは“未婚の父”がこの5年で4割以上も急増している点だ。
 シングルファザー支援に取り組む横須賀市議の藤野英明氏は、実態をこう解説する。
「育児放棄が社会問題となっているように、子育てできない女性が増えているのが大きい。私がかかわった共働きの公認会計士とスッチー夫婦は、妻が『子育てにのめり込めない』と言い出したため離婚した。また、男性にも『パートナーはいらないけど、子どもは欲しい』という考え方が広がっているせいもあるでしょう」
 シングルファザーを取り巻く環境は厳しい。失業率の高さは深刻で、平均の2倍超8.9%にも達している。
 総務省も「父子家庭には母子家庭のような公的補助はほとんどない。養育費をもらっているケースもほとんどないだろうから、生活に困窮することも少なくない」なんて分析しているが、だったら「支援策を増やすべき」(藤野英明氏=前出)じゃないか。
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非常に統計の見方が表層的だなあと感じるのである。出所が出所だからしかたがないと言えばそれまでだが、文句の付け所は一杯有る。たとえば要因分析にしたって、夫が失業したからこそ、離婚し、夫が子供達を育てている事例はいくつか知っている。内情もさまざまであり、まあ短信で議論するべき問題ではない。総務省も数値だけ見てるようなコメントで頼りがいがないなあ。(このデータだけ突き出されたらこういうしか術もないかも。)要するに、統計というのが入ると現実が見えなくなる事例であろう。本当に統計に頼るのなら、何重にも交差させた統計から見なければならないのだが、それは、データ採取の技術も、読み取る技術も、全て把握してからこそであるわけで。
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とまあ、文句を並べてみたが、この文面もよくよく考えてみると、実数と%との混在から、不如意にもわけが分からぬ報道になっており、いえるのは「ふーん。そういうトレンドがあるんだ。詳細をしらべなければ。」・・・という雰囲気的なところのみである。だけど、多数の人はもうこれで全部を知った気になるのでしょうね。
科学・学問が発達して、こういう誤解をするようなシステムについぞなりやすくなっていることはいえると思うが、乖離をうまく埋める手段を考えていけねばならないし、その努力を発信元(この場合なら市議さんと新聞記者)にカバーしてもらわなければならない。けれどその実、あまねく人に理解してもらうのはなかなか難しいようである。
また、新製品の市場の訴求を「会社内部」でするときにも、得てしてこのような誤解を招きやすいことを逆手にとって、プレゼンする場合もまま見かけるが、する人もする人なら、それを見抜けない人もそれなりに責任があるんです。とはいえ、もしその最終責任がどうなるといっても現実は人間の「力関係」で決まってしまうのが多くあるから顕在化してこないんですよね(泣)
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私たちの勉強不足もあろうが、今日見て爆笑し、そのあと徐々にあきれたのはこれ。
住吉美紀らNHK女子アナが合コン[日刊スポーツ:2007/06/12 10:47]
NHKの女子アナウンサーが同局のオムニバスコント番組「サラリーマンNEO」http://www.nhk.or.jp/neo/(火曜午後11時)の収録に初参加した。合コンするOL役を演じたのは、黒崎めぐみ(39)小野文恵(39)住吉美紀(34)塚原愛(31)の各アナウンサー。ぎこちない黒崎アナ、塚原アナの横で住吉アナは「別れなきゃ新しい出会いもないわよ。今すぐここで別れの電話しちゃいなさい」。04年紅白歌合戦の司会も務めた小野アナは「アルコールが入ってリラックスすると、もう少し話もうまいわ」とノリノリ。
同局広報部は「開かれたNHKをアピールしたい」と話していた
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この番組、民放のテーストがあって面白いんです。コントの質も良質だし、(世界の社食(社員食堂)から・・・なんてANBの「世界の車窓から」のパロディーをまじめにやってるんです。)担当者としてはNHKを変えたいという意志がある見たいな番組です。今日の内容も泣けた。(この合コンの中身は次回以降放送分らしい)ただねえ、
同局広報部は「開かれたNHKをアピールしたい」と話していた。
このコメントなんですよね。この言い方ではなんか大衆に媚びてるのではないのかな。しかもこの短信の書き方、裏があるのよね。(以下自粛)NHKの本務はなにか、もちろんコントも大衆文化として大事だけど、「開かれたNHK」とどこにつながりがあるんですかね。
こういう脈絡の突っ込みも、たまには必要なのではないかとおもってしまった。要するに、我々も、短信というのに依存していると、非常にいやらしい壷に落ちる可能性が有るんでしょうね。
というこの文章もまた短信なんですが・・・・

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