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どう逃げるか・どう生きるか

この2つの新聞短信。よく似ているが、実は物の裏表になる事例だなと思います。
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「心の病気」労災認定、過去最多の205人…30代が4割[読売新聞社:2007年05月17日 01時06分]
 仕事上のストレスからうつ病などの「心の病気」を抱えて2006年度に労災認定された人は前年度比61%増の205人に上り、過去最多となったことが16日、厚生労働省のまとめで分かった。
 このうち自殺者は同57%増の66人(1人は未遂)と、やはり過去最多。長時間労働による脳や心臓の病気で労災認定された人も最多で、働く人たちが心身共に疲弊している実態が浮かび上がった。厚労省は「周囲の支援が不十分な中で、過大な量の仕事を要求されているケースが目立つ」と警告している。
 厚労省によると、心の病気による労災認定者数は、前年度に比べ78人の増加で、02年度のほぼ2倍。業種別では、製造業(38人)、医療・福祉(27人)、運輸業、卸小売業(各20人)が多かった。
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このところ、こういう疾病でというかたは確かに多く、右肩上がりになっています。4年前の2倍になっていることが書かれていますね。自殺者は労災認定者の1/3になるようです。
この統計をみるとき考えなければならないのは、「自殺」されたからこそ「労災認定された」という事象が結構あるようです。当人に自覚があったかはともかくとして、そこまでしなければ判別できなかったということなのでしょう。それともう一つ、労災認定ということがやりやすくなってきた(つまり労災となるには会社側の認識と責任の受任が必要であるのだが、それについての管理側の「理解」が深まった・・・といえば聞こえがいいがそのリスクを犯してまでも業務をやってしまう(させてしまうとは、ここでは言わない)環境があるのだろう。

私はこれに関しては、少し考えていることがある。本当はもっと隠蔽したり&隠蔽して(苦笑)「自己都合」になっているところが多いのではないのかと。それは臨床的な統計をみれば分かるかもしれないが、表に出にくいことでもあろうし、潜在的なものが出てくるような意識付けが必要なんでしょうね。
厚労省は「周囲の支援が不十分な中で、過大な量の仕事を要求されているケースが目立つ」と警告しているという。まあ分析は当然であるが、分析の最適化がされているかの検証が未達の感じがする。従って(又言ってるが)PDCAのPまでも進んでいないという認識を持ってもらうべきかも知れない。多言は弄しないが、プランを立てるときに自分の役所の管掌範囲業務にとどまらず、その遠因はなにかというところと、「自律性・自浄性」に依存できるかどうかを考え・企画してもらわなければならないだろう。但し他の省庁にまたがるところはできるのか・・・というと(以下自粛
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さてこちらはその直後の配信であるが、
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出版社バイト掛け持ちで自殺、26歳女性に労災認定[読売新聞社:2007年05月17日 01時56分]
 出版社2社で掛け持ちアルバイトをしていた東京都杉並区の女性(当時26歳)が自殺したことについて、東京労働者災害補償保険審査官が労災を認定した。
 東京過労死弁護団事務局長の尾林芳匡弁護士と女性の母親(55)が16日、明らかにした。
 女性は杉並区のコミック誌の出版社に社員として勤めていたが、2004年9月に新宿区の別の出版社にアルバイトとして採用された。このため杉並区の出版社では正社員でなくなり、10月は両社をアルバイトとして掛け持ちしたが、精神疾患となり、同29日に静岡県内の実家で自殺した。
 両親は「精神疾患による自殺は業務上の災害だ」として労災保険給付を申請したが、新宿労働基準監督署は06年1月に「業務と精神疾患に因果関係はない」と判断した。しかし、東京労働者災害補償保険審査官は、両社合わせた時間外労働が月147時間に及び、自殺前日に杉並区の出版社社長から兼業を約4時間もしっ責されたことを重視し、労災認定した。
------------------引用終了
雑誌の編集業務はたしかに自己主張が出来るし面白いのでしょうが、決して収入の時間単価が高くない業界ともいえます。だからなのか、このようなダブルワークを同業でするということが出来るのですね。(業務内容によりますが)アルバイトという契約まで切り替えて掛け持ちをしなければならないのは、表立った問題でないなにか(たとえば、賃金単価の低さとか、急な個人的な収入増加の必要性とか、なんか起業計画があるとか)があるんでしょう。確かに女性でショップ店員と喫茶店ウエイターの掛け持ちというようなことをしていた人も知っていますけどね。場合によってはその人が若さゆえ可能な範囲の行動が見えなくなっていることもあるでしょう。この場合1月の勤務で自殺まで至ったのですし、直前の叱責がトリガーであるというのが明確であるならこの判断は価値があるのでしょう。けどね・・・・
そうでもしなければならなくなった状況判断、これに対してはこの女性の性格や事情などがあるのでしょうが、相談できる人が居なかったのか、相談した結果こういうことになったのか、一寸どこかに思い込みがあったのかなという「同情」を持つしかないですね。

これから、日本の雇用状況は変化しますし、以前の常識も通じない世界に突入していくと思います。難しいというか考えさせる報道ではあるものの、背景があまりにも見えないところが、この短信では感じます(といって報道できることではないでしょうが・・・

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