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ロボットの定義付け

私も商品企画などの担当委員として職場で仕事をしたことがある。(失笑)
但しこの場合今ある技術や比較的開発要素の蓄積のある技術から技術要素を見つけ出して、市場調査を担当する商品企画部(NEEDS訴求型)との突合せを図るというプロジェクトの一員だったというわけで、一般的な商品企画とは違う形である。(SEED訴求型)従って、技術を横横断的に眺めるという意味では、販売店や特約店にいったりして情報収集を図ったが、それも自社の製品群の中での議論にとどまったので、専門家に言わすとやったうちに入らないといわれる範囲なのであろう

ところが、このプロジェクトであるが段々と人員が縮小された。というのは、既存製品の世界志向から離れない人も、結果的に見ると多く、そういう人をドンドンそのときの取纏管理職が外していったのである。どういうわけか私は最後の4人に残ってしまい、企画書を書いたり、市場状況調査に商社のシンクタンクに教わりに行ったりとかしていた。(今から考えると他にプロジェクトリーダを3つ、サブリーダ1つをやっていたことを考えれば、よく体が持ったなということもあるし、それ以前にこれが今の医者通いの遠因になってしまったという見方もあって、よかったのか悪かったのか。)で私が最後まで残ったのは「あいつはとんでもない視点から提言をする。一面的でないこういうアブノーマルな視点こそ必要だ」。まあそれがある意味私が群れをなさない代わりに、突飛な見方をすることを端的にいってるのかもしれません。(苦笑)
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さて、産業用ロボットの技術計算(応答速度など)を中心にやっていた技術者がいて、あるときに話題提供という形で色々紙に書いてきてくれたのをみんなで議論していたのだが、気になったのは、

○○ロボット
△△ロボット
□□ロボット
▽▽ロボット

・・・・・・・・

うーん、とみんなが頭を抱えてしまった。要するにこれを考えると、鉄腕アトムもなにもかも一緒になっている。ということは、ロボットという前に用途をくっつけると何でも「文面上では」ものになってしまうのだ
溶接ロボット・塗装ロボット・シーリングロボット・掃除ロボット・ハンドリングロボットetc.etc.
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そうなんですよね、このロボットというのは非常に概念が広いのである。そこで、誰かがそう問うた。曰く
これを他の言語で言い換えたらやはり同じことになるの?、どうなるかやってみよう。
溶接(ガス/冷却水)用流量計・塗装用(溶剤用)流量計・シーリング(樹脂用)流量計・掃除用積算粉塵計測流量計・ハンドリング用距離計(これは苦しいな・・・)etc.etc
これなんか具体的だよね。てことは、ロボットという言葉でくくるだけでなくもっと、ブレークダウンしなきゃならないんじゃない?
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これを考えると、もう少し用途を特徴付けしなければ、ロボットの真の用途開発はありえないという問題に突き当たるのである。要するにコンセプトを明確にしなければ、技術提案を図ることが出来ない。そして結論は各々カスタマイズすることが出来るものこそロボットの量産化であるということになった。
この当時のロボットはロボットアームがある、いまでいう旧時代のロボットをイメージ・・・いや引きずっているからこそこんな話題になってしまうのである。要するにSEEDS先行型の技術開発にNEEDS把握を同期させることをやらない限り、製品化につながらない。掃除と警備が必要なロボットなら、それに対し簡単にカスタマイズできるような、企業体質にしなければならない。工業生産という見方からすれば、一品生産というのはコストに会わないのは明確であるから、掃除と警備という事例でいうと建物ごとのプログラム投入だけで全て対応できる汎用性をもたせなければならないということは、大量生産という前提を持った企業の体質では不可能だ、少量多品種生産が出来る生産システムを提案していかない限り、いくら提案書を書いても取り上げられないのでは・・・たしかこの打合せは深夜までやっていた記憶がある。
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そして10年、アクチュエータも多様化し、速度、応答性は石の速度と、演算素子の分散統合化(多ノード化)によって選択幅が広がってきた。生産システムについても多品種少生産に対応するデジタル屋台方式(セイコーエプソンが嚆矢だとおもってましたがOMRONやROLANDなどの事例もあるみたいですね)で吊るしの背広でないがイージーオーダーシステムが出来るという兆しが見えてきた。
個の時代ということを言われて25年たつ。私は個の時代というのは個の時代に似せた大量生産という世界(携帯電話のように、各々が使う要素をなんでもかんでも取り込んでもコストアップにならないように取り込むことで自分だけの使い勝手だと認識させる「擬似的な個の時代」が大きく、それに意匠的工夫をいれたコスメティックなところをプラスしているだけと思っているところから精錬・排除でスリム化していく)と考えていくと考えているだけであり、本当のカスタムというものは、一部の自己資産を投入できる物品に限ると考えていたのであるが、ロボットに関してはそのようなまやかしが効かないことが分かる。従って、基本的な機械要素の開発・アクチュエーターの開発などを一度手戻りがあっても精錬しなおしていかなければならないと考える。
そこから始まる次世代のロボットの世界、今までの産業機械の思想とかなりの部分で決裂しなければならないと思っているし、事実先行研究者はそう思っているのだろうだが、そのような発想の転換を行うには類推でも行かないし、跳躍するのは危険だし、どういう考え方で既存志向から一般の人を導くことが出来るかな・・・ということに思いをはせてしまうのである。

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コメント

こんばんは。
小学生あたりに聞き取りしたら「ロボット」とはどんなものを言うべきか分かるような気がします。そうすると少なくとも「人型」でないものはロボットではなくなりそうですね。

>私が群れをなさない代わりに、突飛な見方をすることを端的にいってるのかもしれません。
今日知人とコースター事故の原因について議論(でもないか)していたときに,僕が「防護柵とコースの距離が近かったのでは」と指摘したら,突飛な見方だと言われました。(笑)

投稿: niwatadumi | 2007年5月23日 (水曜日) 20時18分

こんにちは。最近は何らかの知能をもつものというような定義を加えているのもあるようですが、ロボットの定義は難しいと思います。それ以上に、一家に一台のロボット生活というのは、夢の夢でしょう。と、おもしろいロボットと開発しようとすればするほど思います。

投稿: KADOTA | 2007年5月23日 (水曜日) 20時23分

夜中に目が覚めてしまいました。

さて
ロボット [robot] 大辞林 第二版より
〔チェコスロバキアの作家チャペックが戯曲「人造人間」(R・U・R)中で用いた造語〕
(1)人造人間。電気・磁気・音波などにより、身体の各部を巧妙に動かしつつ種々な仕事をする人形。
(2)人間に類似した動きや形態をもち、複雑な動作をコンピューター操作により自動的に行う装置。 「産業用―」
(3)他人の指示のままに動く人。傀儡(かいらい)。
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(2)の内容がまあ一つの定義とすると、子供がいう人体のイメージはあながち外れているようではないようです。ただ、産業用ロボットを作っている工場で試運転の様子を子供に見せたら「これロボット?」という感じでした。
まあともかく名称に紛らわせず、機械のなすべきことの本質をしっかり議論して研究開発を行うことにしないと、実物とそのするべき役割が乖離したものが出来るということを示唆している。つまり「なんのために」という目的意識をみんなで議論することが非常に重要なんだなと感じます。

投稿: デハボ1000 | 2007年5月24日 (木曜日) 02時31分

昔の高級カメラで「ロボット」というのがありました。(↓機種の一例)
http://plaza.rakuten.co.jp/aruaruaru/diary/200705180000/
これなんかチャペックの定義よりむしろ現代的ロボットに近いイメージの命名かもしれません。まあ機能的にはいまの最新カメラの方がはるかにロボット化してるんですが(笑)。そういえば現代の多機能電子制御カメラの嚆矢ともいえる「キヤノンA-1」の広告コピーは「カメラロボット」でしたね。

投稿: TX650 | 2007年5月24日 (木曜日) 07時16分

>昔の高級カメラで「ロボット」

ほー、じつはロボットという定義は意外と脆弱なものがあるのです。
産業用の・・・はロボットですが、直交式ロボットをヤマハ発動機生は産業用機材扱い、松下電器製はロボットであるという形で統計上は認識が分かれているのです。直交ロボットがでたころは確かに「ロボット」に値するのですが今はモーター+ステージとも見うる。
どうやらもっと細かく見なければならないのですね。そこが商品企画なんでしょうな。

投稿: デハボ1000 | 2007年5月24日 (木曜日) 08時31分

ヤマハ発動機自身は直交式も「ロボット」と称してはいますが、統計上は違うんですね。ちなみに以前は直交式はヤマハ(株)製、関節式はヤマハ発動機製だったのですが、だいぶ前に統合したんでしたね。

投稿: TX650 | 2007年5月24日 (木曜日) 22時44分

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