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ワンフレーズ型

劇場政治」ということを、小泉前首相の時に批判の種にする人が多かった。曰くワンフレーズで物事を象徴的に語り、実行がそれに伴うということ。これは、なぜ・なぜ・なぜ・・・を繰り返す考え方(トヨタ式カイゼン)とは前半は対極をなすものであると管理者は考える。
政治の世界ではそれはあるトライアルとしてならいいであろう。「和を持って尊しとなす」聖徳太子との差異が非常に興味がある。ただ、科学者の端くれとして考えるに、少なくとも自分の関係すると思われる分野(特に技術・技能・現象)に関しては、ワンフレーズで抑えないで欲しい。もっと執拗に「事実」や「誤謬の発生源」を各人が追い求めて欲しいとおもう自覚がいるのだといいたいこのごろ。
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ワンフレーズ・・・というものは怖いものがある。私の面白いかつ情けない経験ですが、もう時効だろうからお話しましょう。(多少いじくってます。事情承知ください)

私が1部上場の産業機械工場で設計職として働いていた若い時の話。
ある日を境にして、受注決定案件が突如工場出荷直前にキャンセルされる事故がでた。それが日を追って他の機種にも増幅、あっという間に倉庫は満杯、1週間で生産計画を立てる部署がパンクしてしまった。これでは部品の生産計画立てられないぞと。協力工場からの部品は3ヶ月前に発注をかけてあるから、それ未満の工場内に取り込むしかない・・・・・・・・・
事業部は非常事態であることを社内発令した。程なく同業者も同じ現象で困っていること、同規模の会社の類似用途の産業機械も1週間ほど遅れて同じことが始まったということが、工業会経由で分かってきた。そしてどこでも言われた言葉。「なぜそうなったのか理解不能
そうですバブルがはじけたのですでこの原因は・・・・ということはここでは述べないですよ
急遽事業部の全員を漏れなく集めて、臨時集会が行われた。
内容は、
(1)緊急対応部署を立ち上げる(リスク対策部)それに伴う人事異動発令。
(2)当面工員さんの残業をゼロMUSTにして生産調整を行う。その他の人は全国の顧客巡回部隊(ルート営業)に一時応援をする。
(3)新規にスローガンを立ち上げる。
問題はこのスローガン。たっぷりの墨でかかれた横断幕にはこんな文句が。
顧客に 応える この事態

このとき私の横にいたある課長さんは言いました。
課「おい、デハボ1000クン。あれ日本語か?」
デ「・・・書いたかたはそうおもってらっしゃるんでしょうね」
課「こんな判じ物、工場に掲げてみろ。協力工場への恥さらしになるぞ」
デ「・・・まさに『止める方がいらっしゃらなかった』状態ですね。頭に韻を踏むことしか意味がないですね。」

・・・・この課長は直情の人で人望も厚く、看破できねえと、事業部長(この人の書いた文章ではなかったそうな)に談判したそうですが、その横断幕はその後もかなり長い間、工場の納入窓口用の門の脇に複数張られてました。
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古代のローマでしたが、演説で全部世論がひっくり返ったという歴史があります。言葉ってむずかしい。けど覚えてくれるためには、リスク覚悟で、ワンフレーズでならなければならない場合も多い。私のように誤解されやすい、かつ誤解させやすい人間には、非常にナーバスになる話でも有りますが、まだうまく操作出来ない歯がゆさもあります

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コメント

> 管理人様

当方にコメントを頂戴いたしましてありがとうございました。

このワンフレーズといいますか、一句といいますか、ウチの業界では、一句で全てがひっくり返るような言葉を「一転語」といいます。迷いの世界から悟りの世界への転入を表現するような、人生観の変貌を表現するかのような言葉です。

道元禅師という人は「愛語、よく回天のちからあることを、学すべきなり、ただ、能を賞するのみにあらず。」なんて言っているのですが、なかなか難しいです。たかが言葉、されど言葉、管理人様が仰るように、適語を発するというのはとても難しいですね。

投稿: tenjin95 | 2007年5月 2日 (水曜日) 09時50分

>一転語

いい言葉を教えていただきました。ぱっと今までのやったことの現実を知るような言葉。難しいです。
そういう意味ではこのあとの文章で述べた、裁判官の発言集もそうなのかも分かりません。仏教の格言を例に出して「説諭」を行ってる方もいるようです。

投稿: デハボ1000 | 2007年5月 2日 (水曜日) 10時23分

島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑(機械工学における中心的摩擦モード)の原理をついに解明。名称は炭素結晶の競合モデル/CCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能な本質的理論で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後48Vハイブリッドエンジンのコンパクト化(ピストンピンなど)の開発指針となってゆくことも期待されている。

投稿: 地球環境直球勝負 | 2017年7月29日 (土曜日) 03時02分

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