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祖父の足跡(4)

(承前)

さてここまで書いて、皆さんはお分かりになったのだと思う。
馬場康夫氏は、技術でなく、1987年(彼が独立した年)-現在のマーケティングと社会動向の変化に対しそれを対応できなかったりした「空白の10年」に注目したかったのだということを。要旨は複数あり。

(1)技術はマシンからITへという移行した時代になってしまったということ。(マシンの上にITが乗っかっただけなのですよ。真実は!)
(2)生産は製品機構からプログラムという、わかりやすく言えば「特許権主義」から「著作権主義」への移行。
(3)すなわち(2)は日本の得意分野から、米の得意分野への壮大なる回帰であること。
(4)空白の10年をネガティブに捕らえることしか、いままでみな取り込んでいなかったということ。
(5)その間の生活感覚の差異が、マーケティング理論としてまとまっていないこと(ないしはマユツバものが多いこと)
(6)成功体験のみが闊歩しており、「過去トラ」に対する分析が、MOTなどでも語られないこと。
(7)それを示唆するためには、経済シンクタンクなどの傾向値を見ながら考えていく必要があること。
(8)バブル後の家庭回帰という側面も見逃せないこと。

そこで、実は偶然にも会社員時代に親しんだ、「落穂ひろい」という解析技術。又は失敗学という設計工学では新しいジャンルが、この解析と今後の日本のマーケティング技術構築の一切片になることに気が付いたのではないかということ。これは、「気まぐれコンセプト」という連載漫画を20数年継続していることからも、馬場氏は気が付いていたのではと思う。
気が付くというのは、祖父の仕事(非売品として、また日立社外秘としてこの功績は文面になっている)と言動を振り返れば、彼なら気が付くのであろうという仮説。けれども。
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この前書いた話だが 80年代 90年代の技術トラブル経緯、そしてその反映結果が、今評価の対象になっていることを、私はMIXIでテューリアのシャンデリア落下事件について集中的にアクセスが入っていることから気が付いた(過去ログ分析をしてみた)。このような過去を振り返り未来に生かす、「落穂ひろい」というある会社独自の活動が、実はいろんなところに波及しているということに私は驚くとともに、もしかしたらこのときに、「技術者倫理」が従来の一所懸命的、奉公的精神から、一発に崩れた源になったのではないのか(これは、耐震偽造事件(姉歯元1級建築士該当分)の判決主文で、偽造開始が2000年というところと一致する。但し管理者はこの判決文の趣旨が、決して玉成されたものでないことには不安を持っている。)と考えるのである。
それを、たまたま馬場康夫氏が映画にした。かつこれを知ってか知らずか「技術の日立製作所が自らをネタにした。(MOFの地下室で、無造作にフローラ(日立のPCのブランド)の空箱が積み上げられているのには笑った。)これは、過去のこともあろうが、今期赤字に成ろうとしている会社(主因は発電所事故の賠償によるのだが)がするものとしてはあまりにも、腹が大きすぎる行動である(笑)。

失敗学が全てのものに汎用的に用いられること、技術者倫理学もそこにあるが、覚せいして私達は行動すること。監督としては非常に腰が低い(サラリーマンみたいだそうな)彼がどんな切り口で今後活動するのか、面白く見させていただこう。

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それと、あのねえ、日立さん、1980年には株式会社日立製作所家電研究所ってのはあったのよ。(確かに、この時期から、機械研究所などに業務移管が始まっている)けど、それをネタにするのってどっか開き直ってるんですかね
しかもこの映画に使う洗濯乾燥機=タイムマシンの元になった機種(BD-V1ガーネット色)が販売されていて、しかも今回黄色いBD-V1を3名様にプレゼント・・・何かあったのですか?それとも、時代を変えようとしてるんですか?それなら私は喜んでおります。

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参考文献:
(1):バブルでGo 映画パンフレット:東宝
(2):バブルでGo タイムマシンはドラム式(ノベライズ版) 角川文庫 ISBN-978-4-04-384101-1

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コメント

---引用

ドラムのサイズを可能な限り大きくする、考え方としては至ってシンプルだが、ドラム式洗濯機のさまざまな問題を解決することができる、この画期的な技術を採用した日立の洗濯機「ビッグドラム」。この技術にたどり着いた経緯について開発陣に話を伺った。
 ドラム式洗濯乾燥機の構造は、上からバネでドラムをつり下げると同時に、下からもサスペンションでドラムを支えるという構造になっている。ドラムの回転を押さえるなら、単純にサスペンションの強度を上げれば良いと考えがちだが、そうではない。
 「洗濯中の振動は一様ではありません。回転がはじまった当初は振動が大きく、回転が安定してくるに従って振動は小刻みになるが回数は増えてきます。例えるなら、はじめの大きな振動はラリーカーで悪路を走破する場合で、後者はリムジンで舗装路を走るようなものです。よって、悪路に適した固いサスペンションと舗装路に適したやわらかいサスペンションの両方の特性を同時に備える必要がありました」(三好氏)。
 固いサスペンションと柔らかいサスペンションを共存させる。言葉にすると簡単だが、実現は難しい。そこで、自動車機器を製造する日立製作所オートモティブシステムグループと機械研究所の協力を得た。つまり、自動車の技術を洗濯機に投入したわけだ。
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やっぱり!

投稿: デハボ1000 | 2007年2月26日 (月曜日) 10時05分

日立金属(株)冶金研究所が境界潤滑の原理を解明。

https://www.researchgate.net/profile/Kunichika_Kubota/publication/296699696_Low_friction_loss_can_be_realized_by_high_strength_self-lubricating_alloy/links/56d9177108aee1aa5f8035b0.pdf?inViewer=0&pdfJsDownload=0&origin=publication_detail

投稿: 低フリクション | 2016年10月10日 (月曜日) 21時14分

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