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モノづくりの“秘伝のたれ”

今日は他の人のBLOGに面白いものがあったので拾ってみた。

引用元 いい会社ってどんなだろう http://plaza.rakuten.co.jp/sennjyou3033/diary/200610270000/
-------引用開始--
日経ビジネスの巻末に 岡野工業代表社員の岡野さんが記事になっています。たった1ページの記事ですが とてもいいことを言っておられます。 製造業に身を置くものへの諫言とも言えるでしょうか。岡野工業は社員6人の町工場ながら そこにしか出来ないモノづくり(注:トランスファープレス深絞り技術です)で大学や大手企業が日参すると言う会社です。
 テルモ社と共同で 蚊の針と同じ太さの注射針も作っています。直径わずか0.08ミリ・・ 痛くないという優れもの。これにチャレンジするのですからとてつもない頑固な職人のイメージがあります。自らを社長と言わず 代表社員というあたりもユニーク。
 その岡野さん 得意先から相談を受け その原因を探る為に相手の会社に行ったのだそうです。 その会社は 岡野さんの目にも立派な工場。明るくきれいで 整理整頓が行き届いています。 使っている設備も 最新のものばかり。普通なら問題が起こるはずはないようにみられるのです。 違いは最後の仕上げのやり方。(管理者注:いわゆる調整作業)これを岡野さんは モノづくりの“秘伝のたれ”と仰います
 これを教え その後その得意先からの工場見学を受け入れさらに 求めに応じて 工場の設備、道具の詳細 さらにはレイアウトまで教えたのです。ここまでするのはなかなか出来ない事です。だって、秘伝のたれを教え それを作るところまで包み隠さずですからね。
 この話の中に 岡野さんの諫言がつまっています

 <岡野さんからの諫言1>
日本のモノづくりは 見せかけの効率ばかりを追い求め技能やノウハウの“伝承”といった地道な作業をすっ飛ばしてしまった。

大量生産の影で 今まで伝えられてきたノウハウがそのまま暗黙知となってしまい 先輩から後輩に引き継げていないものも出てきました。(管理者注:いまになってデータベース化などと慌てふためく会社が後をたたないです。)徹底的に教え込むと言う文化は まだまだ必要なのかもしれません。併せて そういう『暗黙知』を明文化して残して行かないとせっかく蓄えた力にヒビが入って行くのですね。

<岡野さんからの諫言2>
競争力を高めるには自社のノウハウを他に提供する事も大切だ.そうして 自分達がもっと上に行こうとする努力をしなくてはならない。

 ノウハウを提供する事に危惧を感じる人に対し「あなたは進歩する事が嫌いなのか」と問い掛けます。(管理者注:ひとに物を教えるには少なくともそれ以上勉強しなければならない
 すごい胆力です。 すごい自信です。

(管理者注:このような技術伝承というのは、国民性も含め経験を踏まないと難しいところがある。) 
 日米貿易摩擦の際 トヨタは その生産方式を開示するようアメリカから求められ GMと合弁会社を作りました。同時に アメリカ人相手に トヨタ生産方式を教える学校を設立。卒業生が その合弁会社NUMMIで働く事を目指しました。ところが トヨタ生産方式を学んだ人たちはアメリカの会社に転職し、合弁会社には残ってくれなかったのです。
 (筆者が)トヨタに在籍していた頃 そこの責任者に話を聞くチャンスがありました。教えれば教えるだけ 競争相手に塩を送る事になると悩んで豊田章一郎社長に相談したのだそうです。
 即答だったそうです。「それが社会貢献と言う事だ
 改めてそのことばを思い出しました。意味は少し違うのかもしれませんが 自分はもっと先にいるのだという意思であり 自信と決意が言わせた言葉だと考えています。
----------------------------引用終了

 日立も同じことがあります。昭和初期に県や町に多額の金を寄付して、常陸多賀に公立学校「多賀高等工業学校」をつくりました。ところが、肝心の卒業生が案外他の地方に行って、その地方の有力業者に就職してしまう。困ったことだと上に相談すると、即時に
日本全体が技術力を上昇させ、みんなの技術力が上がり、工業立国になる。それでいいじゃないのか」という答え。
多賀工業専門学校は、のち、より陣容を充実させる必要性ができ、結果的に茨城大学工学部になりました。国に対して寄付という珍しい経緯です。
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岡野社長は、一癖も二癖もあるが素晴らしいエンジニアに違いない。そして意外と同じことを立派な経営者は言っているものである。私も、不祥ながら自分のノウハウらしきものを出来る限り提示・提案し、そのレスポンスを改めて取り込む事で更にスキルアップを図りたい人間である。

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