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技術者の知恵蓄積化(4)

(承前)
いままで3項に渡って、技術者の知恵をどう蓄積するかを考えてきたが、人材の流動化/人材の価値固定化というトレンドのリスクに対抗して、わたしたちは如何に活動していけばいいのかというと、もう自分のスキルは自分で守る≒自分で育て上げるしかないのである。
(1)自分を特化できる、売り込めるような人材に育て上げよう。 
 視野を広くしていくしかない。ただ、会社固有の文化というものがあるから、3年ぐらいはそれに流されてみるかというのも一つの見方。その3年ですが、たとえば部品の購買ルートを変化させて、安く製品化に持ち込むネゴシエーションの技術を持つ(ネゴシエーションは安く買うという意味ではない。品質的に優れるから、少し高くても新たな取引先を開拓させてくれという情報網を積み上げることを、社内に説得するのも1つ)、ある専門的な測定器によって得られる評価方法を幅広く会得し、かつ応用的な測定方法も展開して部署のキーマンになる、etc、etcである。
それで自分の位置が一応客観的になることで、他人との特徴付けが出来たら、「本当にこの場所で自分は仕事できるか・・・」というのが見えてくる。(私はこの時期に新規開発に没頭してしまい、そんな余力がのこっていない状況であったのが、良くも悪くも残念である)一つ「際までやった」というのは、次に仕事を見出す(間違っても、上司から与えられるのを待つのではなく、こういうのもいいんじゃないですか・・・などとこちらからもって行くべき)のにいい鍛錬になる。
(2)独自のデータベースや人脈を持とう
 データベースというのはなにも、新しいデータ/価値ある固有のデータでなく、たとえばこの技術を自動車のレギュレーションではどう読めるか・・・、とか、この作業の要点は一体何のためにやっているか、もしかしたらこの作業は後段の作業に対し悪影響を及ぼしているかという視点で見るというのがいいと考える。つまりどっか他の人と違う視点から物をみて、語れるかということである。このような鋭角的な視点でもいいし、この製品が川下(原材料の生成)から川下(使い勝手・挙句の果ては壊れさま事例まで)というところを横断的に語れるほど製品を愛している。おはようからおやすみまで暮らしを見つめ続けるライオン技術者であるというのも一つの視点。私の場合、あることから同業者の技術者やキーマンに対する人脈を作ることが出来たということがラッキーであった。そのためには(会社内部の機密とかいう問題は避けざるをえないとして)技術や、市場動向などについて、気軽に話せるという人と時間を作ることである。当然これはメールやTELで出来るものではなく、面談によることになる。それを聞いて、答えられないなら勉強したり、主張をまとめたりしておいて、後はそれとなくメールで意見するなんぞもいいかも。
(3)人脈・知識の鉱脈を川上に遡って広げていこう
技術の見方を定めていくと、たとえばレギュレーションに特化した見方が出来るなら、その筋の役所の研究施設(消防なら消防研究所)や顧客(油なら元売とか・反対にオイルフィルタの専門工場のキーマンとか上流下流にとどまらない)に広げていくことで、技術を教わる場所も増えて、ノウハウは飛躍的に増えていく。但し与えるからいただける。与えるための技術の資本投下は怠るべきではないね。大学の先生を頼るのもいいかもしれない。今、私学では母校に聞きに来るOBを期待しているみたい(リクルートという面があるのかな?)だから、いいのではないか。聞くは一時の恥。聞かぬは末代の恥とかいうね。
(4) (2)(3)をもう一~二回やって自分の得手を複数個持つこと。

これだけやっておけば、習慣になってしまう。そうなると、知識をデータベースに落として段々会社に供与しても、自分が「知識や技術のスポンジ」みたいなものであるから、どうなっても食っていける。(但しここでストレスを強く感じるならば、そのスピードを遅くすることにしたほうがいい。でないとストレスが貴殿をだめにする。)
もっとも(1)のみを深く追求しても食ってはいける。けど昇給昇格を期待しない、サラリーを期待するだけの生活になる。そこで自分の趣味などに力を削ぐことを追求するのもまた一つの考えである。それは人生の価値観による。

残念ながら、人生は計算どおりにならないと、つくづく思う。またある人は業務はゴルフのロングコースみたいなものという。一発ロングを飛ばして、最後を刻んでカップインするか、始めから刻んで入れるかは、リカバーの違いだけである。ゴールはカップインにあるのだから。どうせ計算どおりにならないのならば、それぐらい割り切っちまえよ。

あと設計・開発業務で述べたが、製品企画・狭義の製品デザインもおなじことが言えるような気がする。とはいえ外から見ると内から経験するのは大違い。どなたかこういう意見があるよという方、アドバイスをいただけますか?

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