« 8がつです | トップページ | 睡眠道具一式210円(税込) »

身ぃ削ってナンボ

「笑点」で歌丸師匠がときどき政治的な話を後付にする例として、過日はあまりにもタイムリーな後付けとして、
本日の笑点は以上でございます。梅雨にてうっとうしい時期でございますあしたはテポドンが降って来るかも知れません。皆様ご自愛ください。」
という事例を取り上げた。このようにウイットのとんだ、かつ即興的な話題の泉は一昼夜ではつくれないのである。経験・実践がものを言う。とくに秀逸なのはテポドンを注意しようとしてもご自愛ではすまないのである。こういうウイットに富んだ話を次期総理、次期外務大臣にも学習し、サミットなどで使っていただきたい。
--------------------
実は学会発表などもそこである。最近はパワーポイントという革命的なプログラムができ、効率がよくなったが、その前のスライドなんぞ、字のみを書いたスライドを作るために現像液を使う作業はいやなにおいがした。またアクロバットリーダーでもプレゼンを行うことはままあるから、それも一つかもしれないが。まあともかく、練習をするにしても、色々な機材が出てきており、ある意味凝りやすくなった・・・反面些細なことで、はい作り直し・・・というのもあるからどっちがいいのかなあである。
一方、学会発表の質問者もそうである。実は問題意識を常に持ってないかぎり成り立たないのである。聞くならそれだけの知識の地盤をまがりなりにも持たなければならない。というわけで、雑学もこういうときには役に立つ。で先日某学会で、土木が専門でもないのに、
-----------------
デ「デハボ1000と申します。先生の発表、興味を持って聞かせていただきました。つきましては質問を一つ。この廃航空基地(鹿屋)の構築物は、写真を見ますと(PPTで示してもらう)コンクリートのみの作りとしても他のものに比べて薄いと見えます。ところで近年、戦時中突貫工事で作られた九州地区の鉄道の橋梁が鉄筋ではなく竹筋で出来ている事例を耳にしました(松浦鉄道などらしい。ただ証明はされていない)。写真で見る限り、強度不足でかつ周りには竹が生い茂っているという状況で、かつ構築物に崩れがあると見受けました。このようなことから、もしかしたら当該建築物は戦争末期の建築でもあり、竹筋製ではないかという推測もありうると思います。見解などを教示ねがいたく。」
先「たしかに、モッコなどを当時女子学生の動員で竹を用いてつくったという資料は別紙の通りのこっており、証言者もおります。だが、崩れた場所を見てもそのようなものが入っているとは思えませんでした。また円弧状を描いた太鼓橋のような構造であることと、中心部に少し強度を考慮したふくらみが見えることから、違うと推測しますが、次回からはその視点で見てみます。」

全然専門外の話をやってしまったのですが、それなりに話が通ってしまいました。どうせ出るならこれぐらい強気に・・・というと感じを悪くするクレーマーみたいなので、そこはおいてください。但し学会講演中に掛詞をいう私みたいな発表者は願い下げであろう。
-----------------
ところで笑福亭鶴光という落語家がいる。彼は長い間深夜放送をやっていたので、ついつい本格落語が出来ない落語家という評価をされそうであるが、実は関西の古典落語をさせれば一流であることは、関東では案外知られていない。このため、関西の古典落語を習いに関東の落語家さんが来るそうである。私も「川崎市民寄席」と「鈴本演芸場」で見たことがある。トリ(主任)であった。
もっとも彼が関東にいるのはJOLFラジオの連続枠を持っていたこともあるが、落語芸術協会が、かれの力量を知り、関東でも寄席に出てくださいというわけで、上方落語協会に入っているのに加え、落語芸術協会の客員として迎えたことによる。関西では二つ目・・真打・・とかいう階級制度がないので、対応するランクがないが、実力を評価しているからか、関東の寄席では、彼はかならず主任を勤めることになっている。鈴本でも主人公が乗り移ったような話を40分しっかり聞かせてもらった。吹田市の彼の家には小さいながらも高座(高座渋谷にあらず)と桟敷をつくり、研鑽している由。
ところで、実はかれは新作が苦手で、今でもほとんど掛けない。ということは上のような歌丸師匠のような時事的な前ぶりは苦手なのである。そこでどうしたかというと。突然小話から入るイノベーティングな手法を編み出した。
高座に上がっていきなり「えー、小話その1・・・・・・(笑)、小話その2・・・・・・(笑)、小話その3・・・・・・・(笑)、えーいまではそんなに遠いとはおもわれませんが、昔は池田というとものすごく遠いところに思われたようで(以降・・池田の猪買い)」いまは、一応前振りをするが、雑談から突如話しに入っていく(そのとき見台(けんだい)を使い、扇子でばしっと机を叩いて場面展開を表すのが、関西クオリティー・・・・)
----------------------------
この人の傾向は、どうも落語の弟子にいいのがいないということである。それは、彼自身の落語に対する真剣なスタンスを分かってもらえない焦りがあると見た。たとえば嘉門達夫は弟子だったのだがやめ、桑田佳祐の声がけで今の替え歌芸で一家を成す。(今の芸名は桑田氏の命名)力を付けてきたのが笑福亭学光あたりかなあ。鶴光の中では、落語とラジオは「別物」として厳密に分けられていて、「ラジオのファンが高座に足を運んでくれるということは期待していない」(趣旨)と発言している。こういった区別が2つの道を極める姿勢につながり、現在の定評を得る要因になっているとも言える。
---------------------------
ところでその本業としてではなく、面白いところで弟子を作ったといえるのが、彼の彼たる所以である。
オールナイトニッポン(日曜早朝1~5時)には女性アイドルもアシスタントとして出演しており(深夜4時台にアシスタント単独のコーナーもあった)、日高のり子、川島なお美、松本明子、坂上とし恵らも、アイドルとして売れなかった時代に鶴光のオールナイトのアシスタントを務めた。(なおMBS「ヤングタウン」で石川優子も彼のアシスタントをしていたことがある)川島なお美は後に文化放送で自分の番組をもつ(しかも本人は隠したがるが、木へんにホワイト柏村武昭議員司会の、「お笑い漫画道場」にずーっと出演)からベースがあったのだし外したとしてもだ、他の4人は、彼の影響でトークを覚えたといっても過言ではない。
松本明子はフジテレビ「オールナイトフジ」と「オールナイトニッポン」とで同時放送を行った際、鶴光と片岡鶴太郎にそそのかされて、いわゆる放送禁止用語を叫び(連呼し)謹慎処分となるが、復帰後はバラドルとして、スターダムにのし上がっていった。(1984年4月1日の記憶が・・・前日国鉄日中線が廃線となり、翌日三陸鉄道が開業ということもあって、喜多方から宮古への自動車での移動中、この場面をカーラジオで直接聞いた記憶がある(爆笑))
日高のり子は後に声優としてブレイクした。皆さんごぞんじの「タッチ」 の朝倉南をはじめ数多くあり、現在でも深夜時間帯アニメ(ふつうーの)の声の出演がある。しかし一方、その後のKBS京都「はいぱぁナイト」で身ぃ削ってナンボと自ら公言したほどの師匠(=鶴光)譲りの暴走トークで大人気を集める事になる。
石川優子もそういうことがあったが比較的おとなしい感じだった。(ただぼけ・乗り突っ込みは師匠譲りだなと思う)
坂上とし恵は野ノ村真の奥さんであるが、喧嘩の席で啖呵を切ったとかいう武勇伝も聞く。
---------------------
このほど、プレジデント誌で発表された記事に、日本人が本当に仕事をしたいと思っている・満足している率は2%であり外国を下回っているという記事がある。もちろん誘導設問の可能性もあり検証をしていない状態で走るのは禁物であるが、きれいごとのみで仕事が進められるという理想がそういう解釈を生んだのであり、「身ぃ削ってナンボ」となればまたこの数字は変わっていくことを期待したい。(本当に身を削ぐと任侠道の指つめ(みそぎ)になるし、私みたいに職務にのめりこむあまり有機溶媒中毒になりかかることもあるから、文面は文面として解釈してね。)

|

« 8がつです | トップページ | 睡眠道具一式210円(税込) »

コメント

鶴光師匠のお話、非常に勉強になりました。そうだったんですね~。私は米朝好きの枝雀嫌いと公言しつつ、全く不勉強でありました。
>きれいごとのみで仕事が進められるという理想がそういう解釈を生んだのであり
ある日、「全ての仕事は売春である」と悟ってからは、仕事との間に一定の折り合いが付くようになった気がします。そういう仕事でさえ、得られる快楽というものはあるものですしね。

投稿: 越渓 | 2006年8月 2日 (水曜日) 10時50分

>ある日、「全ての仕事は売春である」と悟ってからは、仕事との間に一定の折り合いが付くようになった気がします。そういう仕事でさえ、得られる快楽というものはあるものですしね。

くしくも私も似たことを思ったことがあります。当時の勤務地の途中に川崎堀之内の●ー●街がありますが、彼女らは労働という意味と自分の能力(時にプライド)を留保して仕事をしているんだなと感じたとき、職業の貴賎なし という一文を思い出しました。

投稿: デハボ1000 | 2006年8月 4日 (金曜日) 10時45分

堀之内、です。堀ノ内だと京急のずーっと先になります。
私は堀之内であんまり「感じた」ことはないですが(笑)

投稿: TX650 | 2006年8月 4日 (金曜日) 11時44分

越渓さま

ちゃんとした落語会の客でも、ラジオのイメージが消えてないらしく「この人本当にちゃんとした落語するの」と疑っていた人が、みな納得して帰って行きます。
落語芸術協会のHPでは真打の欄に一人はなれて名前が書いてあり(略歴のページに飛ぶ)ますが、これは、大阪落語では真打とかいう制度がないので、「真打とみなす」と扱っている証拠になります。確かに主任(とり)しかみたことがありません。なお横浜にぎわい座(桜木町)も定席(半月分のみ)となってるようですが、これは歌丸師匠が働いたものだとか

投稿: デハボ1000 | 2006年8月 7日 (月曜日) 22時45分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/11199974

この記事へのトラックバック一覧です: 身ぃ削ってナンボ:

« 8がつです | トップページ | 睡眠道具一式210円(税込) »