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有能/無能、働き者/怠け者

しばらく前にこんなのを見ておいたので控えておいた。あまりにも私には縁のない文章だったので、あとで読んで見ようとしたのだ。意外とリーダーシップというものは、これからの世では、突き詰めると面白い項目です。
ところでその引用元は 
http://members.jcom.home.ne.jp/2128866101/page015.html
ですが、いま消されているみたいですねえ。まあ、管理者もこんなことを気にしているんだあというわけで、おつきあいくださいませ。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐引用開始
有能か無能か、働き者か怠け者か 
軍人の役割分担や組織論を語る際に、よく「ゼークトの組織論」というのが出てきます。軍事だけにとどまらず、ビジネス界での組織運営を語る場で引き合いに出されてることもあり、すでにご存知の方も多いと思われますが、すなわち以下のような定義です。
> 軍人は有能か無能か、そして働き者か怠け者か、これらによって4種に分類できる。
> 有能な怠け者は司令官に、有能な働き者は参謀にせよ。
> 無能な怠け者は…そうだな、連絡将校ぐらいならできるだろう。
> 無能な働き者? それは処刑するしかあるまい。

  ハンス・フォン・ゼークト とは、第一次世界大戦の頃のドイツ軍の参謀で、「戦争は政治の破産である」という、軍人でありながら軍人の存在意義をおとしめるような発言を残しています。上記の引用文が一般に「ゼークトの組織論」と呼ばれているのですが… 本当にゼークトがこのように言った、書いた、という確かな出典はいまのところ見出せず(図書館とか本屋で軍事関連の本を丹念に調べたり、ネットでもあれこれ探したんですが…)、あと、いっぽうでこれと同様のリーダー論が「孫子の兵法」からだとする説もあるようで、現状、なんともいえません。ま、ともかく、この言がゼークトによるものであれ、孫子によるものであれ、軍人を分類する指標とするには確かに面白いので、ではキャラを、その4パターンに当てはめて考えてみましょというのです。
軍事的天才である英雄4人、および最大の害悪たる「無能な働き者」の代表格に当てはめられるのは、誰でしょう。私がためしに挙げてみたのはこんなところ。
有能な怠け者 (司令官向き) ・有能な働き者 (参謀向き)
リン・パオ
ヤン・ウェンリー ユースフ・トパロウル
ラインハルト・フォン・ローエングラム
無能な怠け者 (一般将兵タイプ)  ・無能な働き者 (…処刑しましょう)
たいていの軍人の皆さん ヘルベルト
アンドリュー・フォーク
トゥルナイゼン
ウィレム・ホーランド
有能な怠け者は司令官 
この格言(?)をはじめて知った時、「怠け者」のほうが司令官向き、というのに、まず自分はなるほどと得心したものでした。で、それに関連して第一に思い出したのは、ヤンの勤勉意欲に関する以下の記述だった。
> ヤンは全能でもなければ万能でもなく、じつのところ本質的に勤勉ですらなかった。
> 同盟軍の最前線の指揮官で彼ほど有給休暇を消化した者はいないし、彼の戦略も戦術も、 「なるべく楽をして勝つ」ことを最大の命題として考案されていた。

まあつまるところ「怠けたがり」のほうが司令官に向いてるというのは、要するにこういうことでしょう。
自分には不向きなこと、やるのが面倒くさいことは、他人を利用して上手く押し付ける。 → 他人の能力を信頼し仕事を分担して任せることで、結果的に組織を効率的に運営できる。
・自分はできるかぎり楽をしたいので、常に最小限の労力で最大限の効果が得られるような画策をする。→ 有能だから、そういったやりくりは実に上手い。
 
だから、こういう人物はおそらく、あまり責任のともなわない下の地位にいる間は、必要以上のこと(給料分以上の仕事)は、まったく自分からすすんではやろうとしない。むしろその能力を、「自分が楽をするため」に怠けるほうにそそいでしまう。
 まだ下にいた頃のラインハルトが、何かにつけ「おれに指揮権をよこせ、そうしたらすぐに片をつけてやるのに!!」と、自分の能力が地位の縛りで発揮できないのをわずらわしく思っていたのに対して、ヤンはというと「いまの自分の立場でやれるだけのことはやった、これ以上働いてやる義理はないさ」という態ですからね (笑)
 戦況が膠着していて上の者たちが考えあぐねている時、自分には効率のよい打開策の構想が浮かんでいたとしても、「まあ、でもそこまでは自分の領分じゃない」ってなところで、余計な労力を背負い込んでまで自主的に働こうという意欲がない、わかないのだと思う。だから、傍目にはその有能ぶりが見えにくい「怠け者」だから、この種の人間が実力を発揮するには、シドニー・シトレのような、その能力を見抜いておだてて、なかば強引に責任のある地位に押し上げてくれる人物の存在が必要になるわけですね。
 あと、リン・パオも、その当時の統合作戦本部長 (ビロライネン)、および最高評議会議長 (パトリシオ) に、周囲の不安や反対を押し切って異例の信任を受け、総司令官に推された身であります。当初、艦隊の提督たちをはじめ、多くの者はその能力を不安視していた。
有能な働き者は参謀 
では、同じ有能な者でも、「働き者」なら参謀止まりがよい、のは何故か? …これは、なまじ自身に能力があって、かつ勤勉、すなわち完璧を求めてとことん精励する気性であるがゆえに、
・他人にも自分と同等の完璧さを求めたがり、他人の無能ぶりがとことん許せない。→ 他人の能力をあまり信用せず、結果的に何でも自分でやりたがる傾向に陥る。
・完璧を欠けさせる失敗をしたくないので、常に最悪の事態が生じる可能性も考慮し、あらゆる場合に万全に対処できる下準備 (戦略的優位の確保) の労を惜しまない。→ 働き者で完璧主義だから、どこまでも先を見通してすすんで何らかの策を講じる。…ということか。

ユースフ・トパロウルがまさしく、この条件にぴったりの人材であることに異存はないと思うのだ、本来は。ただ、彼にはその「完璧主義」が部下への制裁に向かうのを自制するよう進言してくれる補佐役が近くにいたため、かろうじて司令官としても立ち行きできたのではないか、と考える。それから、キルヒアイスの死後、「まず自分が陣頭に出て、ヤンを倒す」というその一点に固執したあたりも、多少、完璧を求める働き者ゆえの弊害が出たのだと思う。ここが怠け者なら、周囲からの風評など意に介することなく、「損害が少なくてすむ、楽な方法」を選択して無難におさめていたはずなので。
 まあだから、本来の気質はこうであっても、そのうえで他人の能力を認めてそれを生かす度量、進言を聞き入れる余裕がある人物であれば、覇気も野心も旺盛なカリスマ的リーダーになれるタイプ、ということでしょうか。
無能な働き者は… 
さて、ではようやっとお待ちかね(?)の、ここ。「無能な怠け者」は、つまりこれら3タイプのいずれにも該当しない「その他大勢」ということだと思うので、この解説項目からは除外します。
 では、上に挙げた人物の害悪ぶりを、列挙してみますと。
・ヘルベルト: 皇帝の三男で、次期皇帝候補として箔をつけさせたいという政略的な思惑により帝国元帥、および遠征軍総司令官となる。一度の小さな勝利に酔って節度を失い、艦隊の分散進撃という愚策を命じる。結果、同盟軍に完膚なきまでに敗北。
・アンドリュー・フォーク:自らの出世欲のため、帝国への侵攻計画を、私的なルートを通じて最高評議会議長の秘書に持ち込む。遠征軍総司令部の作戦参謀。戦略構想自体がそもそもまともではなく、戦術面では「高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処」という、ビュコックいわく「要するに、行き当たりばったりということではないのかな」
・イザーク・フェルナンド・フォン・トゥルナイゼン:自らを選ばれた者と思い込んでいた。バーミリオン会戦の前哨戦にて、他部隊との連携を欠いて突出し、その隙をつけこまれてヤンに叩きのめされる。オーベルシュタインいわく、「声は遠くにとどくのに、目は近くのものしか見えない。忌避すべき輩ですな」
・ウィレム・ホーランド:第11艦隊司令官。ビュコックやウランフの掣肘を受けることを好まず、非常識な艦隊運動で奮戦するも、限界点に達したところをラインハルトに見極められ、わずか三分で返り討ちにされる。
要は、無能なくせに余計なことすんじゃねーよ!! というような方々ですね。探せば他にもまだまだ該当者は出て来るはず。
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結論:
・働き者といっても評価はいろいろ。共同作業をするならその人との巡り会わせが大切。
・自分の能力の限界点を把握するべし。
・参謀と将軍という取り合わせは縁。
・うまく怠けることができる人は幸い。

けど私、そんな器用なことむりっ。

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コメント

引用している話は、アニメか軍事小説の世界の人物のことだったでしょうか?(私も元サイトを読んだことがあるのですが覚えていません)
それから「参謀と将校の取り合わせ」という意味がよくわからないのですが…。司令官も参謀も(連絡将校も)、将校が任ぜられる仕事(職種)のひとつです。司令官のことをおっしゃりたいのなら将校ではなく将軍でしょう。(管理者注:そのようですので誤記訂正)

投稿: TX650 | 2006年5月12日 (金曜日) 09時52分

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E8%8B%B1%E9%9B%84%E4%BC%9D%E8%AA%AC

というので元ねたは小説だそうです。近年テレビゲーム化されたためまたはやっとるみたい。

投稿: デハボ1000 | 2006年5月12日 (金曜日) 12時33分

「銀英伝」ですか。
学生時代、というと20数年前に一気に読みました。なかなか面白かったけど、登場人物が多すぎて覚え切れませんでした。

投稿: mac | 2006年5月14日 (日曜日) 11時07分

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