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今週の見本市

といいたくなるほど見本市ばっかりである。今回は自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2006(http://www.jsae.or.jp/2006expo/) である。調子悪いが、必須なので行ってきた。電車30分で着くことでもあるし。
というわけで私なりの、知見と印象を書いてみます。さすがに15000人/日ということは、日本の製造業が回り回って自動車工業を動かしているという現実を垣間見た気がする。
今回は小学生徒の遠足とか高校生の研修とかいうのが多かった。小学生はさすがにわからないみたい「へー」と言う状態だが、高校生は「これどうやって作るのか」とか聞いている事例があって、これからの学生は捨てたものではないなあと感心しています。
また私も、今回からは自分の事務所の名で参加する。これは案外メリットがあった。実は名刺を首からぶら下げているのだが、いままで名刺を見てコンペジターとわかると相手が説明をとめることが多かった。ところが、今回はそんなことがないのである。色々聞いてきました。
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(日産ディーゼル)
UDさん独自で尿素水で排ガス処理をするシステムを開発したということ。(このDISPENSERに関して、先日別のところで存在を教えてもらったが、)腐食性の問題などはまだあるようですね。ただ排ガスはかなり綺麗になるようです。あとは存在意義をどこまでUDが進めるかの問題かも。
(三菱ふそう)
小型エンジンでLi電池のアシストを受けるシステムを開発。意地悪して「MBECS(アキュムレータ補助型運転アシスト装置)の焼き直し?」と説明員に聞いたら、「一寸お持ちください」のあと主任さんクラスが恭しく来て・・・詳細に教えてもらいました。・・・はい。
(アイシン高丘)
これぞ見たかのように熱間プレス製品を並べている。薄いもの多い。「変に表綺麗だね」とカマをかけたら、名刺を見てから、「ブラストしてるんですよ。しかも其の上から塗装してます。1480まで確実に」・・・とかいう話。ピラー類とルーフ部材である。軽量化ということを謳いにしているが、もう少し沢山受注してランニングコストを下げたいという。ここでも名刺をみて説明員が対応しましたね。(ちなみに、私の名刺では金属という表現がありません)
(豊田鉄工)
センターピラースティフナーをVA提案し、結果はPATCH類のみを受けたとのこと。アイシンとの対抗意識むき出しで、「うちは鍛造メーカーでないですから、当社なりの方法でやります。めっき鋼板などを限界まで加熱して熱間プレスし、スラッジを出さないことで、砂うちを省略しています。いまはここまでだが、いずれは全面焼入れ+下部の接合としたい。」おいおい。すごい対抗心である。
(カルソニクカンセイ)
コックピットモジュールはいままでのコンセプトの延長線。冷媒圧縮機はいままでのを改良しているようだが、迫力不足。尿素水のタンクセットがおいてあったので聞いて見たら、(日産ディーゼルさんの要望)を口にするばかりであんまり教えてはくれなかった。けどUDさんのと形も違うし・・・まだいえないのでしょうね。ちなみに、業界人で、略して「カルカン」という人がいます。私も猫用のカルカンをはじめは想像しました。
(ケーヒン)
この前日本のLP瓦斯車の技術が遅れているという記載をみて、一寸きになってました。で説明の方に聞いてみると、①CNG車用のキャブレター・レギュレータは原価低減中である。段々と量産できるようになっている。ただアメリカ西海岸にかたよっていることもあるから、どこまでやりきるものかは検討中②LP瓦斯は国の補助が下りない。したがってT社・N社も従来型から改良する考え方ができないようだ。したがって改良計画を売り込めない。③大得意のHさんにはタクシー仕様がない。(あらそうだわ)研究は独自に進めてるが機が熟してないというかんじでした。
(住友電工)
圧縮機用の樹脂の改良に関するデータを要求したが、改めて説明に(事務所に)来ますという話になった。あまりにもこっちの話したステージが高すぎたみたい。
(NTN)
普通のベアリングの資料ももらったが、今回は樹脂材料である。細かい品番まで口にしたので、また相手が引いてしまった。
(クルップ)・・・旧JFEの関係があるらしい
ピラーは980相当、細い帯鋼で連続加工するのが売り。接合性の問題は解決できた(スポットでいける)。名刺をみてからおもむろに下1/3がスポット締結されたセンタースティフナーを見せる。なんと上がMnが多い・・・焼入れ性のよい590、下が焼入れ性の悪い590 スポットでテーラードののち、ホットプレスして成型(試作品だからかHWのあとがすこしありました)。上は1480まで上がって、下は元のままとのたまう。こんなのありですか!
(日立)
知り合いにあってしまった。別途事務所に来てくれということに。ORZ
(共和電業)
また知り合いに・・・こちらは栄転して近所の支店長になっている。押しかけてくるといっている。(泣)
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というわけでこのほかにも、豊田自動織機さんとか、ジェイテクトさんとか、東芝さんとか・・・・・5時間みっちりと話を聞いてきました。今後どうやって生かすか。どっちにせよ自動車自体ではなくても今後は、自動車になんらかの関係のある仕事・圧縮機に関係のある仕事・流体計測制御に関係のある仕事 という風に方向性がかたまってきたところもあり、しっかり動向を見つめていきたいです。それを知って工業界に関与するととっても強い武器になるのかも知れません。

ところでいままで内燃機関の話でしたが、外燃機関の話があるんですねえ。それはあさってぐらいにUPしますか。(苦笑)


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コメント

またまた細密なディティールばかり見てきて…って、ほとんど(別室を使って行なうセッションの一部以外)細かい部分的な話の集合体、というのが、このイベント、いや自動車産業というものの特質かもしれないですね。
行きつけのバイク屋の店主の息子さんはクルマ好きバイク好きだったのに、業界のそういう細分化体制に夢を持てなくて異業種に就職したそうです。

投稿: TX650 | 2006年5月25日 (木曜日) 21時51分

大きなイベントというのもありますが、工業会に加入している会社の数は圧倒的に部品工業会がおおいからでしょうね。カーメーカー各社もコンセプトカーなどの試乗会をおこなっていましたが、今回は見るだけで、乗るのは割愛しました。

細分化の傾向は家電でもそういう傾向があるんです。物足りない人は物足りないだろうとはおもいますが、逆にココの専門に特化できることを、使命感を持って活動している人もおおいのも事実なので、各人のポリシーによるのではないかと考えます。(冷蔵庫のヒンジを設計し続けて30年というのも、一寸ですけどね。)

投稿: デハボ1000 | 2006年5月26日 (金曜日) 11時57分

まず私の最初のコメントは「特化したところで使命感を持つ」ことを否定するものではなく、全体像を考える仕事がしたくてもそれが叶わないこと、細分化された仕事「だけ」がクルマづくりの仕事になってしまっていることを問題としているのだということを申し上げておきます。
で、特化したところで使命感を持つのはそれはそれで結構なんですけど、使命感を持つあまり、その特化した仕事の、プロジェクト全体の中での位置づけや目的を見失ってしまっている(もしくは最初から見ようとすらしない…)ひとが多いのも困ったものだと思います。
クルマはエンジンだけ、タイヤだけ、ブレーキだけ、センターピラーだけ…で成り立つものではなく、全体がひとつのコンセプトのもとにまとまってドライバーが運転して走って、それで初めてクルマなわけですから。
私が過去に在籍した自動車メーカーでも、部分部分の専門家を育てる方針の会社と、逆にそうならないように横断的な部署構成やローテーションを行なっている会社がありましたが、後者の商品の方が、クルマ全体や商品群全体としてのまとまりはよかったように思います。

投稿: TX650 | 2006年5月27日 (土曜日) 13時23分

今週だったんですね。研修で行けませんでしたけど、モーターショーとは違った意味で面白いメッセですよね。

投稿: mac | 2006年5月27日 (土曜日) 21時50分

TX650殿:私は卓観的に見る方向に進める、トータルマネージメントをする技術者 とたとえば細分的に見るバルブヘッド機構なり騒音技術なり操舵性能評価を持つ細分的な技術者、異なるベクトルを如何に管理者がコラボレーションするという3者が居ることによって車つくりというものは成り立つわけで、どれが欠けても新規車開発は成り立たないとおもうのですが。
MAC殿:モーターショーとは違う意味でというところはよくわかるのです。ただ今年は意外な部品大手 (KYB・SHOWAとか栃木富士機械とか)ないところもあったので、これは全部でない、もっと裾野が広いんだということの認識はしてなくちゃなりませんね。

投稿: デハボ1000 | 2006年5月27日 (土曜日) 22時57分

>どれが欠けても新規車開発は成り立たないとおもうのですが。

「細分的」な人は勿論必要です。ただ、
1)全体像を見る職掌が欠落していたり軽視されていたりするケースが往々にして見受けられること
2)「細分的」な人も全体像を(考案しないまでも)理解し念頭に置きながら細部の仕事を進める必要があること
を申し上げたいわけです。
例えば操舵性能評価をするのであれば、その車が狙う市場、購買層、価格帯、訴求したい商品性…を念頭に置かないと評価の基準すら定まらないですよね。

デハボさんは「細分的」な技術者は全体像を念頭に置く必要は(必ずしも)なく、そこを方向付けして個別に完結した課題として与えてやるのが管理者の仕事だとおっしゃりたいのでしょうか?だとしたら見解の相違としかいいようがありませんが…。

もうひとつ、私が下の方で書いた「後者」の会社の例では、エンジン設計者、車体設計者、電装設計者、実験者の区分けはされますが、その中で例えばバルブヘッド機構の専門家、クランクシャフト支持の専門家、燃料噴射の専門家…といった専門分けはされません。あるプロジェクトでバルブヘッドを担当した人が次のプロジェクトではシリンダブロックを担当し…ということを繰り返してエンジン全体を見られる技術者が育つ、というシステムです。またそのようなシステムですから、あるプロジェクトの中で担当以外の部位に対して突っ込んだ意見を言う(例えばある車でホイール設計担当の人がシートの設計について意見する)ことがむしろ奨励されすらします。
ただこの会社でもエンジンと車体は別々だし、市場性やデザインなどもまた別の部署、別の職掌です。最初に書いたバイク店主の子息が実態を見聞して結局断念したのも、まさにこの会社でありまして…

投稿: TX650 | 2006年5月28日 (日曜日) 12時58分

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