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農業用エンジンあるかな

10年ほど前、秋口になって収穫祭なんぞが開かれた。
というのは、この地にも農協がありましていろいろな催しをするんです。横浜市だからといって侮ってはいけません。農地なんて沢山あるんです。
事例1:園芸用の肥料とか苗木の販売
事例2:優秀な大根・ねぎ・果物の品評会
事例3:農協が斡旋する軽トラック(営農サンバーでした・・・orz)の契約会
事例4:もち・団子・うどん・焼き鳥などの模擬店

ここまでは普通ですね。ただこのときはおかしなものが出ていたのです。
「倉庫から出てきた農業用発動機の展示運転」
ほー、これはめずらしいなあ。そのころ仕事でヤンマー製の空冷エンジンを扱ったこともあるので、これは見る価値ありと出かけていった。でそこにあったのは2台の発動機である。
まず、でっかいフライホイールを手でぐいっと回す。(いまのエンジンはワイヤーを引っ張るですもんね)次にエンジンがぽんぽん回りだす。焼玉エンジンというわけではなく一応プラグが付いている。エンジン冷却はホッパー式・・・要するにですねエンジンの気筒周りに開放された水のたまりくちがあり、上が開放されている。普通のエンジンなら閉回路+ラジエターという構成が、水の沸騰による蒸発でまかなわれているわけです。水がたりなくなったら、上からホッパーを通じて流し込めるという代物である。燃料は灯油だそうで、灯油発動機という見方で区別すべきであろう。
もちろん、一発で動き始めるものでなく何回も起動動作をおこなって動く代物だし、燃費があんまりよくなさそうな、低速型のエンジンである。2馬力相当だといっても全体は今のエンジンなら5馬力相当という大きさである。

製造メーカー:①明和業 ②新明和福知山工場
製造:①昭和32年製 ②昭和35年製みたい
部品:ジェネレータ・国産電機
プラグ:NGK製(これは新品みたいです)

あれー、まず新明和工業というのは川西航空機の流れを汲む会社で、戦後日立製作所傘下に入っているが、「興業」ていうのはなにかいな。大体、福知山に工場ないよな。それと国産電機というのも日立系列だな・・・???
と観察しながらとどまること2時間。写真機を持ってなかったのが悔やまれる。どうやらこのときは廃却するから最後運転しようということだったらしい。保存状態は悪くなかったようで、ゴムのわれもなかった。
まあ、農協で買った発動機の売れ残りが倉庫の日のあたらんところで眠っていたのでしょう。

最近になってである、赤坂鉄工所という船舶エンジンの技術者だった人と話をしていた。そのひとはいまは会社がかわっているのだが、エンジンの話から漁船の焼玉エンジンの話が出てきた。
技「新明和さんまでエンジン作ってたんですから」
デ「へーそうなんですか」
技「なんかスクーターも作ったそうだが、結果的には撤退したのだそうです。」
デ「知りませんでしたね・・・あれ、そうか、そういうことだったのか

で調べたら、こんな資料が出てきた。http://www.ibara.ne.jp/~mitsugi/zhatsu.htmもちろん赤坂鉄工所も作ってるのだから、その経緯を彼が知ってるのは当然である。かつ、新明和工業というのは昭和40年ごろに名前がかわったものらしい。てことは、あのエンジンは結構由緒あるものなんでしたね。
富士重工業がラビットという名前のスクーターを製造していたのはよく知られるところである。京都市内はそれのリビルドをする工場もあった。その理由は結構なものである。「お坊さんが檀家のところに行くとき、ホンダのカブでは袈裟衣がひっかかって無理。(笑い)」けど、本当ですって。当時も今も駐車場がない街であるから説得力がある。お坊さんが袈裟を翻してスクーターで疾走する姿は見ごたえがある。で、富士重工のエンジンはかなりのところ農業用発動機の富士ロビン製と共用していたため、最近まで補修がきいたのだそうな。
新明和の場合も農業用エンジンがあったからその技術を生かしたのであろう。(ただ売れ高はよくなく、北海道では製造後10年のものが叩き売りされていたとか)HPの社史では出てこない話である。

こういったところについては、こんな研究をしている事例を見つけましたhttp://www.geocities.jp/croutonv/contents/structure.htmまあおもしろいですね。

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コメント

http://www.rose.ne.jp/~perceus/horo/kikai3.html

というのもあります。ホーロー看板のページです。

投稿: デハボ1000 | 2006年5月 3日 (水曜日) 14時29分

大戦中の主だった航空機メーカーは、三菱、川崎、中島、川西とみんな二輪車に進出してそれなりの実績を残していますね。
バスボディと並んで戦後混乱・復興期でも需要が旺盛であり、しかも航空機の技術や設備が転用できた、というのが要因だと思います。
(その意味では、事実上最後の参入であるヤマハだけは、航空部品の基礎があったとはいえ、事業・商品展開やマーケティング、デザインなどいろいろな面でちょっと毛色が違い、混乱期的ではなく高度成長期的なビジネスモデルだったといえます)

投稿: TX650 | 2006年5月 3日 (水曜日) 16時41分

http://oldengine.at.webry.info/
と言う団体が最近、NHKやタモリ倶楽部で出てます。

投稿: デハボ1000 | 2008年2月 9日 (土曜日) 00時41分

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