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持ち上げてから落とす

議論をするということはとても大変である。この前のN田氏の一件でもあるが、ものを語るには、かなりの裏を取らなければならないであろうとおもう。この前もN田氏の件は、同様のメールを件の記者が自民党のH沢議員に売り込んでいたものの、無視していたという話もあったらしく、その辺のリークもあったため国会で首相が「がせねた」の説教をするという話に発展しているようである。もちろんこのように切り込んでいく姿勢は評価できる。しかし裏付けがよわかったのね。若いから、まだやり直しは効くと思う。
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この手の有名人としては、衆議院の爆弾男と知られる、楢崎弥之介氏である。かれの持ち込み方は、直球勝負でずばずば切り込んでいくことに面白みがあった。(といえば失礼であって、たとえば買収のためにカネを持ってきた某社の社員に対しカネを引き取ってもらったところを隠しカメラで撮っておき、あとで公表したという用意周到なところもあったようだ。)とにかく、四方八方から、しかも隠密裏にしっかり裏をとっている。若手にもこれを説教していたそうだ。したがって、引退した今でも福岡でのかれの人気は高いらしい。
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そういえば、民社党の西尾氏(委員長を務めたかたである)の質問は相当のものだったと聞く。
まず、下手に出る。(先ほどの先生のお話、まことに理路整然、よくわかる検討結果の御開陳でございました)
次に、ある意味同意する。(何がしの議論については、非常に同感を覚えるものでございます・・・)
その問題の内包している問題を抽出する。(ですが、この話につきましてこのような考え方・・・・)
さらにえぐっていく。(この話をさらに詰めていきますと・・・(はじめの「先生」のお話まで否定するにちかい議論になってしまう)
つきましては、先生のご意見を拝聴いたしたく(というように追い込んでおいて引導を渡す)。

実は、基礎資料の丹念な裏読みと、裏付けがあるからいえるという側面もあるが、この論理推進方法は、王道といえる方法だそうである。前もって同意する姿勢を示しておいて、あとからじわりじわりと攻めていく。ただこれを予算委員会でできるというのは、それだけの能力がなければできないことなのだそうです。
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落語の落ちというのもある意味そういう要素がある。但し、この落としがずっこけるとつらーいものになる。(円菊師匠は、なかなか聞かせる落語をするのに、落とすところで言葉を詰まらせるなどの「詰めが甘い」ところがある。)
で、いきなり落語にいったのは、かの先代の林家正蔵師匠(後の彦六)のエピソードである。
かれは、有名な日本共産党のシンパであり、広報紙にもよく名前がのっていた。(実は小さいときの家の隣家が「赤旗」のとりつぎを生業としていたので、おこぼれがよく来ていた)ほとんど演説はしなかったようだが、後に三木のり平の息子である小林のり一氏(今の江戸むらさきのCMの声はこの人がやっている)が、南伸坊氏の筆による本でこう言っている。
「ただいまの・・・先生の、まことをもっておためごかしな話、まことにありがとうございます(すでにここでいやみを言っている)。しかしですよ、このように先生の庭で飼っている錦鯉を1匹ずつ絞め殺して鯉こくにして食べるがごとくの政治を続けていけば、いまに日本中の食べ物がすーっと無くなってしまう。(段々幽霊話に近くなってくる・・・彦六師匠は幽霊話の一人者であった。)・・・・・・」
これネタなにかかもしれないのですが、一度いやみたらしく持ち上げておいて、おどろおどろしく批判してしまうという方法は理にかなっているような気がする。また究極は落語のある一つの論理構成パターンに入っているというのはある意味やっていてまったくおかしくないですね。
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このように、いったん持ち上げられて、皿やかわらけを落とすがごとく、叩き落とせば、相手の粉砕は確実なものとなるわけで、これを狡猾というか、技法というか難しいものである。けどこういう話術も使わなければならないかと思うといいことなのか、よくないことなのか。
ところで以前天声人語の話をしたが、世の中に「天声人語メーカー」なるHPを見つけた。規定された升目を埋めるだけで文章が出来上がるのだが、ある程度話をもちあげておいて、「だが、しかーし」といって話をひっくり返してしまう、基本的な構成。たしかに上と同じ論理構成である。パターンが定性化されているということを見出したらしい。けど、このところの天声人語をよんでも必ずしもこのパターンじゃない。むしろ社説がこのパターンを踏んでいると思われるが、どうなのだろう。
まあ一回やってみることをお勧めいたします。ハイ。
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さて、ですよ。会社の人事にもこんなのがあるんです。あんまり有意なお仕事をなさっていないなあと思われる方が、ずんずん出世していく、そして子会社の理事(役員待遇)になる。(その段階で社員で無くなる。)2月ぐらい後に突如顧問になり、そのうち社をやめる。(というかその座を追われ)これも「持ち上げてから落とす」の一例である。そんな結果、つぶされていく人を結構見てきた。
是非は問えないが、僕はしたくない行為である。

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コメント

私は、同じ民社党の後輩である塚本三郎氏の慇懃無礼な「持ち上げてから落とす」が大変印象に残っているのですが、これはやはり民社党の伝統というか西尾末広氏仕込みだったんでしょうかねぇ?

投稿: TX650 | 2006年4月11日 (火曜日) 09時41分

すこし文献を読んでみると、これはかなり仕込んだふしがあります。大衆政党(というのは一刀両断ですが)は、今のように情報手段が少ない時代、演説で「プレゼン」してZ民党基盤などを「盗んで」回ったのですから、その手法を教えるのも(また盗むのも)手段だったとおもいます。
訴求手法としてはTV時代にならないと、「疑惑の総合商社」とか「そーり!そーり!・・・」てのはなりたたなかったでしょうね。
難しい話にはなりますが、全国水平社同盟の総会(初期)には優秀な小学生の演説があったそうです。内容はのこってないようですが。

投稿: デハボ1000 | 2006年4月11日 (火曜日) 10時19分

「雑民党基盤」ですか??


…シツレイしました~。
でも「J民党」の方が正しいと思いますけど。

投稿: TX650 | 2006年4月11日 (火曜日) 11時12分

あと「総理!総理!・・・」だったと思いますです。(管理者:そうですね。訂正いたしました)

投稿: TX650 | 2006年4月11日 (火曜日) 11時13分

雑民党の先生は一時不遇を囲ってましたが、最近バックアップしてくれる人が現れ、酒場を立ち上げ、また雑誌を立ち上げるのだとか。

投稿: デハボ1000 | 2006年4月11日 (火曜日) 14時12分

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