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社長風書籍購入法

昨日は、計量技術の最先端トレンドに触れるため、ここに行ってきた。仕事の一部として今後の仕事の根幹を創るためである。偶然、知り合いも居り、また最新型の質量流量計も見せてもらい、計測器のトレンドを把握することができた。
計測というのは、製造・取引に関する基本品質を維持する重大なツールである。肉屋さんではかりを信用しないと取引できませんよね。だから検定制度がある。そういえば時々、「当たり前品質」という言葉を耳にする。しかし購買者がこれを要求するのは当然としてわかるが、時にこれが私にとってはすごく閾になってしまうのである。
「あたりまえのことを、あたりまえに、常に同じ品質で管理する」というのは、私はこれが、すなおに出来る人を尊敬する。「決まったとおりに、常に同じ品質(状況によっては低いなら低いなりに・高いなら高いなりに)で維持する。」というのは実はたいへんなことである。とどのつまり完璧に出来ることを要求するのだから。私は、こういうのはある意味苦手で、「カイゼン」を求めてしまうとか、「ルーチン作業を作業標準として明文化するルールを創りましょう」という”革命”的な話になってしまう・・・というかしてしまう。したがって人的依存にこれを行うのは、適性を見極めたマシン・人を計画的に配置する必要がある。
会社は 仕事を作る人 仕事を創る人 仕事を守る人 で出来ているという話がある。もちろん大概の人は2項目以上を兼ねているのであるが、もちろんその人の適性によってウエイトが異なるのである。自分がきちんとした同一品質でする適性から外れている。このことを、私は以前「社内教育費の支給管理」というゼニがからんだ仕事で、「つらーい」と悟った。エクセルをつかったのにも関わらず。(さすがに2回目以降はそんなミスをしないように、前任者の長年使った人的依存度の高いプログラムをざっくりいじった。つまり徹底的に改善しなければ、トラブルの芽がつめないと考えた。)たぶん私の成分(しょうぶん)は、非定常業務というものでおおむねできているんだろう。いつも同じ仕様・品質でものを作ったり、3DCADデータを均一な品質で作ったりを難なくできる定常業務をやりきる人材をうらやましいと思う。
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そういうひねくれた理由ではないが、国際展示場正門から、私は新規開業区間の豊洲までゆりかもめに乗って、そこから聖路加病院前経由のバスで八重洲口にいくという、変なルートをたどった。普通なら国際展示場-豊洲駅-八重洲口という路線があるのにも関わらず。(豊洲駅前は「ららぽーと豊洲」とかいうものが出来たり、芝浦工大が引っ越してくるということで騒然となっている。)
参考図書を買い込んできたのである。最近はアマゾンなどのシステムで書籍の価値はそれなりにわかるのだが、やっぱり中身を逐次的に比較しないと、有意な本かわからないということもあるので、大型書籍店でじっくり選ぶ必要がある。加えて、機械技術の本が近隣の書店の棚から減っている現実(その分IT関連が増えている)もあり、都内などの店に出向く必要がある。これはインターネットが充実しても変わらない。
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そこで買った本である。
広辞苑:(新古品)・・・やっぱりこれは執筆に必要である。国語辞典ではおっ付かない。
「ガセ」:①にせもの②うそ。でたらめ「ガセねた」とある。
「ねた」:①新聞記事などの材料②犯罪の証拠③道具、特に手品などの仕掛け④料理などの材料とある。
そうそう、過日の予算委員会の問答で「永田氏は、疑惑を「ガセネタ」と断じた小泉首相に「ガセとはどんな意味か」とただした。「辞書で調べてみますとね」と切り出した小泉首相は「ガセは偽物、ネタは商品。転じてインチキな情報のこと」「人騒がせ、お騒がせの『がせ』と解説する辞書もある」と、2度も説明した」ということは、小泉さんの使った辞書はこれではないのだろう。(苦笑)
医療の倫理(星野著):岩波新書 医療倫理を工業倫理と比較して論じるときに、これは精神論に特化した一つの答えとして読む。
空気圧縮機(松隈著):・・・従来レシプロについては多く語られていた空気圧縮機の選定概論。省エネを基本とした論旨である。(実は工場の動力の25%は空気圧縮機が占めているといわれる)回転型圧縮機に特化した書はいままでなかった。このことは圧縮機技術がかなり成熟・収斂しレビューが書ける状況になったことを示すが、著者の立場もあり特定のメカニズムを有利に持ち上げているのが少し不満。
流れわざのシルクロード(小川著):・・・流量計測の流れを通史的に眺めている非常に面白い本である。オーバル社の流量計のオーバルギアについて、ホブカッターの大手である園池製作所(現在のアマダソノイケ)の息がかかっていうのは製造工程からして「なるほど」というしかない。参考文献の筆者の中には、過去に大変お世話になった方の名もあり、懐かしい記憶がよみがえる。(なお、前項の回転式空気圧縮機のうちスクリュー圧縮機のローター用ホブカッターは、国内のどの会社もこの会社の技術の流れを組んでいる。)
実践的工学倫理(中村著):・・・この著者の本は先に通読させてもらったが、事例演習の内容中心で、実務が未経験な初学者には難しいという危惧をしていた。今回の本はおもいっきり大学生にわかるようなレベルに落とし込んであり、ニーズの多様化に対応している。面白いのは授業の進め方の実施例自体を示していること。教育現場に普及させたいのであろう。(前回は大阪大学在勤時・今回は立命館大学在勤の執筆というのも関係しているかも)
生産の技術(中尾・畑村著):この方は失敗学とか実際の設計シリーズでおなじみの先生。2人とも会社員経験があるというのを知ってびっくりしたが、だからこそ生産加工のテキスト(大学3年用)に「工学をまなんで創造しよう」というノリッジ活用議論を筆頭に始まり、最終章にエンジニア組織論である「実際はこういう組織で作られる」という利益算出などの技術経営の議論のガイダンスを設けて〆ているとは、恐れ入りました。
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〆て20,000円である。ところで、本屋で抽出して本を選び出したのだが、これについては、上述の中尾氏が本の参考文献欄にこんなことを書いているのを、事務所に戻ってから見つけた。
(引用)
この本を書くについて多くの本を参考にした。実は2001年筆者は八重洲ブックセンターにいって、生産加工と名の付くの本をパッとみて”よければお買い上げ”という社長風の書籍購入を始めてしてみた。すると驚いたことに買った本の多くは20年前に執筆された本だった。よく考えてみれば、1975年から1985年ごろが日本の工作機械や生産加工の絶頂期で、機械加工の絶頂期で機械加工に多くのヒトとカネが投資されたのである。
(後略)
で、その手法を私は同じ書店で図らずしも実践してしまったわけだ。まあ、私も個人事業主だから「シャチョウサン」だし。(爆笑)これも一種の「大人買い」ですかね。

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コメント

こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
流れわざのシルクロードは、なかなかおもしろかったです。ここにも書かれているように、機械関係の書籍を置いてある本屋は減っているので、ネットではなく、書店で購入して、品揃えを充実させてもらう必要もありますね。ちなみに、オーム社の売り上げの1割は紀伊国屋書店だそうです。

投稿: KADOTA | 2006年4月 9日 (日曜日) 09時37分

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