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普遍的な規則が未完成

----このまえ書いたことです---
会社を変わるということを考えたとき、「自分はいったいどれだけのものを製品化して、市場に訴求してきたのだろうか」と考えた。そこで、職務経歴書を書くついでに自分の職務の総決算棚卸しをやった。今なら、こうなる。
製品化:9個
社内の生産技術向けの装置開発:3個
製品化にいたらなかったもの:16個(製品は開発できたが販路にのらなかったもの・・・特許バーター品を含む)
製品化自体が技術的に出来なかったもの:2個
調査報告案件(先行技術調査)および技術評価法の社内新規導入:5個

問題は、なぜこの水子(みずこ)・・・製品化にいたらなかったもの(これらは死の谷・DEATH VALLEY なんていわれるみたいですね)の16件を、自分なりにばらしてみるとこうなります。
①技術の種(SEED)発で製品を開発してみたが、市場への訴求、潜在市場の開拓が出来なかった。
②市場要求(NEED)もありSEEDもあったので開発したが、市場規模が小さすぎた。
③公的機関から必要性を疑われ、結果市場全体が壊滅した。(撤退か倒産になった専業メーカ多し)
④技術的なクリティカルPASSを、共同開発先が受け入れなかった。(コンカレント開発を拒否した)
⑤親会社の業務にかぶるところがあり、一種の政治的圧力がかかった。

こういうことを考えると、あの技術や開発費用、PATの費用はどこへいってしまったのかという時間的・金銭的な問題と、技術伝承が気になります。小生の場合、今はこういう経験を積極的に積み重ねようとしても、開発原資がないという問題もあり、スポンサーを探すところからはじめる必要があるのです。そうすると限られた原資を如何に回転させるかという視点、そういう技術経営的なところが必要になってきたわけです。マス的な見地は本だけ読んでもと思い、実務経験がとかは必要だし、少なくともなんかの形で実践トレーニングをしなければならない。
いま、東京ではこういう団体があって、連携して立ち上げを計っているようです。
------------引用終了
私、早速、6校の専門職大学院コースのカタログを取り寄せてみました。ところが、まあ至極当然のことながら、6校とも目指す専門職に対するベクトルが違います。私の主観としてまとめてみましょうか。(順不同)
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(1)芝浦工大
技術と経営を結ぶ、実践的なという解決手法を体得させることが主眼
技術に関してよりもそれをどうつかうかというところに重点化・卒業生のネットワーク構築を重視
1年時1,980,000円@田町
(2)早稲田大
国際的な立脚の上に成り立った視点を重視(あまり目標たるベクトルを絞っていない)
研究や検討も技術をあくまで基礎とした全世界的視野を重視
1年時2,016,000円@高田馬場
(3)東京理科大
知材と技術経営のコースあり(ここでは後者)コーチングの技量を育成し将来につなげる
技術分野は、バイオなどの先端といわれるところに特化し創業を目指す
1年時1,700,000円@飯田橋
(4)日本工業大学(・・・この学校は東武動物公園にあるんですが)
実務的な視点からの教授を重視(特に中小企業の後継者育成に特化)
カリキュラムはIT・ナノテクなどがメインであるが主は経営理論、起業者に特化したカリキュラム
1年時1,700,000円@神保町(履修1年)
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(5)東京工業大
産・学・官の連携を軸とした技術運営方針を学ぶ。ファイナンス・知財も。
理論と実践の一体化 ・各分野総合化 ・固有文化に根ざした経営
       @三田・大岡山(博士課程あり)
(6)東京農工大
「リスク回避スキル」を強く押し出した教育。特に工業の分野別にカリキュラムを組んでいる。
メインは各分野の工学を中心に研究。開発プロセス論にしたがった指導を骨子とする。
1年時884,400円@小金井・田町(共通授業)
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どれがよい・悪い・正しい・まちがいというのではない。どれが、人の輪を作り、かつ如何に自分の考えたことを実践できるかということになるとこりゃ、是非を問う方が野暮です。ただ明確なのは、普遍的なMOTの教育・研究自体が暗中模索で、実は修士論文よりGr討議やゼミの中身のほうが役に立つという状況ではないですかね。
私の学びたかったことは、技術を先まで見通しできる、次世代のニーズなどが確度をもって予想できる技術の裏づけを体得することです。しかし、上4つの私学さんは、客員教授に各企業の「成功した人、ないしは失敗してもばねにして社会で生きながらえた人たち」を中心に考えている。私は、成功の経験を体得するのではなく、失敗の経験を蓄積して次世代に生かすという意味合いをもって望んでいるのだが、成功事例は自信には充分なるが、失敗事例は分析しネガティブに考えるほど味わいが出てくるという考え方だから、ちと迷うところです。
国立大学法人に関しては、自分の大学の産学協同システムとのコラボレーションを意図しているのが見える。いずれも工業では実績を得ている学校であるから、バックボーンとしての技術蓄積は期待できるが、それをいかに活用するかに関しては、より高所からみて大所高所から技術の方向をあれやこれやと議論しているのが、東京工大で、反対にいろんな開発時の困りごとに関しての下支えとなるサポートを行っているのが農工大のようである。

どこの学校も、1年間でもがんばれば修士資格を得ますっていいますが、それよりもそこで得られる人脈(先生と・同窓生と)のほうが本当は大事なのではないか。その面では芝浦工大の提案は一つの答えだし、指導教官数と生徒数の比較で、コンサルテーション密度が高いことを訴求するのは農工大。そしてバックボーンたる工業技術(とそれを持つ教授たち)が高いことを、訴求しているのが東京工業大である。ここは判断が難しいね。
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MOTの普及の波は、もともと海外(特に米)からきている。枝葉になるが、私は法科大学院に進めなければ弁護士の資格が取れないなどという考えは、欧州的な階層社会の立脚地点にあるということから、今、日本であえて推奨してはならない考え方だと思っている。そういう人間にしてみればMOTの講義をむしろ選択して聴いて(一部の講義は聴講生を受け入れているみたいです)あとは、どれだけ知己を得るために、どれだけ他人の知己になるためにまい進することで、ケーススタディにのらない実践結果を見出し、自己蓄積していくほうが、私の素性にはあっているかもしれない。

そういうことで、いまはあせらずに今後は各種講義録などで勉強してみて、それでも「力が不足した」と感じた段階で、学校に入るのでもいいかなと思っています。ただしそのためには、上述した学習費ぐらいの図書費用、セミナー受講料は考えなければなえらないでしょう。
皆さんにも、こんな本読んだらいいんじゃないかとかあったら、書き込みでご指導いただければ幸甚です。

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コメント

いっそ、うちの「都市科学」(これでググったらすぐどこだかわかりますが…)くらい幅が広い方がいいかもわかりませんね、というのは冗談としても、「技術経営」にとらわれず経営学や建築学の計画論なんかかじって見るのもいいかもしれませんね。デザイン学科の工業デザイン理論なんかもいいかもしれません。

投稿: TX650 | 2006年3月10日 (金曜日) 23時17分

その建設系の計画論ですが、
都市計画学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/cpij/index.html
土木学会・土木計画学研究委員会
http://www.jsce.or.jp/committee/ip/
あたりの論文集をご覧になると別の視点が得られるかもしれません。ちなみに土木計画学の今年の春大会は青葉山が会場です。

投稿: TX650 | 2006年3月11日 (土曜日) 00時27分

ちょっとタイトルをよく見てなかったのですが…
>普遍的な規則が未完成
経営・企画・計画といった分野は、物理学の法則と違って人間の意識・心理といったパラメータが入るので、「普遍的な」というのはもとより存在しないのではないか?ケーススタディの積み重ねのみが期待されるのではないか?と思います。
最近都市計画の歴史なんかもちょっとかじったので、そういう感想を持ちました。

投稿: TX650 | 2006年3月11日 (土曜日) 23時45分

>普遍的な規則が未完成

もしそんなのが見つけられるのなら、世の中こんあに製品化で悩むものではないでしょ。けどそこにいくアプローチもまだ確立できていないということを言いたかったのですわ。

投稿: デハボ1000 | 2006年3月12日 (日曜日) 20時37分

アプローチも含めて「確立」ということはありえないと考えています。
建築分野の場合は特に、ことさらに他人と違うアプローチを取りたがる、という傾向も強いですし…。確立されているのはそれらの歴史的分野だけかもしれませんね。

投稿: TX650 | 2006年3月12日 (日曜日) 23時08分

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