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試作品の現場主義

どうも、仕事が押している。はあ。

さて、試作品を作ったり、単品のジグを造ったりする工程はなかなか見えないものである。われわれが、量産品と違う考え方をしなければならないのは、
「試作品を作る工場の工程能力・事実・現象を親身になって把握する」
ことである。

チャンピオンデータが必要な機械加工品の場合、その加工会社の技術の能力が把握されていないと、期待される性能とか形状とか精度が得られないことがある。数値を出してこれにあうように造れ、手直しをするから・・・というのは、研究者としての怠慢である。特に樹脂ものの場合なら、機械加工品と成型品ですでに違うという考え方はしたほうがいい。(荒さ・精度・そりなどの幾何公差から、配合剤の偏析などまでありますよ。)
また、相手先から外注にさらに出す場合もあるだけに、その辺の工程管理をしっかりしていないと、ミスをおこす。結構今まで辛酸をなめてきた苦しい僕の経験から見ても、現場を出来るだけ理解し、納得して造ってもらって、納得して納品していただく。そこから研究・改善・開発は始まるのだ。
研究段階のものは、どんなところに、地雷が埋まっているか判らぬ。出来るだけ、加工の現場に立会い、問題を現場に合致するように解決(場合によっては妥協というのもあり)する。また一品ものが多いから、作業者のミスや間違えやすいところを、最初に指摘するのもひとつの方法。
本当は、研究所の中に加工工場が備えられているべきなのは、まさにこの現場主義による。けど、それが全部の部品にかなう会社・研究機関というのは国内でもほんの一握りであるのも事実。となると、工場に足しげく通い、声を聞き、声を出し、よく割目して、製作品を見つめること。そこが、やっぱり基本である。なにしろすべての「アクシデントは現場で起こっている」のだから。

とはいえ、なかなか疲れるんだよね。けど得るものもおおいですよ。

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コメント

機械設計8月号にこんなのが出ていたそうです。
【機械設計者にわかって欲しい4つのこと】
過度な寸法精度はコストがかかります!
(適度な公差、必要な公差を考えて設計するのは当然のこと。不具合の温床になるだけです)
現場では、図面がすべての情報源です!
(現場では設計者の図面で仕事が始まります。基準線が不明、寸法線の抜け、設計ミスはもってのほか。設計者への不信感が増すだけです
加工のことはやはり現場が一番詳しいです!
(加工に詳しい設計者もいるでしょうが、やはり現場のプロには叶いません。自身の設計だけにこだわらず、現場の意見を聞き入れる寛容さが必要です)
加工現場と協調することが大切です!(時間を割いてでも、お互いに協議しながら進めていく方が、良い部品、良い製品の完成につながります)
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さて、私もコメントを書いてみました。

研究者・開発者の初期検討の場合、公差などは意図的に設計趣旨を反映させるため公差などをぎりぎりに設定してしまいます。これは開発投資と割り切りますが、その場合でも、業者に図面を持って押しかけていき、議論を出し合わないとまず成功しません。(よくしました)しかし、会社機構のなかでは、このような行動が分業制。技術秘匿の名の下に、異端児扱いされることが非常に多く「そんなことやっとるなら報告書書けい」とかさんざんな言われ方をします。
ところ変わって、これを設計者が量産に移す場面が来ます。そのときには経済的検討(例:公差緩和・加工法変更)をしなけりゃならんのに、それをする余裕もなければ、すべもない。ついつい単純累積公差の押さえ込みでやっちまうというPOORな現状が、近年特に目に付きます。現場にいかないから、その公差1つで工程に捨て加工が入ってるとかいうのがわからぬし、現場サイドの技術者も目が届かない。
あと機械設計者の上に電子回路屋さんがいる場合、この点の概念が理解できない(というかいざとなれば可変抵抗1個で済むんだから、機械もそうだろ)という場合が多く、理解されないで苦労するということも経験しました。
最近、当方は独立し技術士(機械部門)稼業をしておりますが、計測の分野でもおなじことが多い。学習能力がないのか。これで会社のシステムがフレキシブルでないところは一目瞭然です。
ある意味で欧米の設計者と称するものの、傲慢かつ指示の横流しスタイルが日本に忍び寄ってきたみたいで、情けないですね。では。
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投稿: デハボ1000 | 2006年2月 9日 (木曜日) 04時14分

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