« リテラシー教育のニーズ | トップページ | 水素燃料電池(1) »

ハイパー技能職

大阪府東大阪市は東京都大田区・墨田区とならんで、中小企業・それも特殊な技術・開発で名前をはせた企業の多い町である。どちらも中小企業のみならず、大手の企業も結構製造拠点を構えていることも事実である。
このまえ、例によって中途覚睡で起きたら、日テレで「ドシロウト」(製作:山口放送)をやっていた。東大阪市で町工場をやっている親・息子2人でやっている会社がでている。.Excite エキサイト : テレビ番組表 1月20日[地上波/ 山口県/23 - 05時] 00:35~01:05, 山口放送, ドシロウト - 「東大阪親子職人魂」. (東大阪市を選んだ理由:出演者の吉岡美穂・松島尚美の出身地だからだって)
なんでも、ラジコン飛行機搭載用ロータリー(バンケル(Wankel))エンジンを受注で造っているらしい。もちろん主要な製品と言うより、図面による製品化受託と言う内容であるが、メカニズムなどを十分理解しないと出来ないしろものである。以前は受注で模型飛行機用のレシプロエンジンもつくっていたようだ。当然開発者との、念密な打ち合わせとそれを咀嚼する能力がないと無理なものである。というか、特殊な精度維持・加工技術がないと造れないものを専門で造っている。またそれだけの技能が、付加価値がないかぎりこの会社にはたのめないのであろう。
話の中では米MITに納入した、0.211cc/revの水素燃料用ロータリー(バンケル(Wankel))エンジンも見せていた。世界最小とか。なんでもアメリカでは作れない、どこでも作れないというものが、ここに集まってくるようだ。
所でこの会社は家族3人で運営しているが、息子2人はちゃんとした工業大学を出た、技術能力もある人物のようである。したがって研究者が図面を持ってくると(当然無理な寸法・精度が要求される。発注もとの技術蓄積のなさと、検討項目によって守りきりをしなければ成らぬものがある)そこの優先順位を聴取して、生産技術と自社の設備・協力工場や隣近所の町工場のネットワークをにらみながらこなしている。

残念ながら、自動加工機導入を目論む量産工場の目的は、チャッキング減少による精度向上・ポカミス減少とともに常に「人員削減」がついて回った。そのような産業界の志向から単純な旋盤のみを作っていた工場のなかには付加価値をつけられず、倒産したところもある(池貝・昌運・日立精機・・・・)。ところが、それを、生産技術の付加価値向上の転機としてとらえ、よそで作れないものを造っていくと言う会社と、よそでも造れるものを、納期と価格の低減・短縮に振り向けるというように考える企業と、加工工場の志向性が2つに分かれている気がする。
もちろん、図面をIGESデータでくれたら2日で造って差し上げます。工場は24時間稼動で一人3台の多段取りができる・・・・という会社があり宅配便の普及とあいまって、地方でこのような工場を立ち上げている場合も多い。但し一般交差以上、難削材となるとかなりのコストとなる。(具体的にはS45Cで造ってもらった品物を、(加工寸法は同じでいいからFC400連続鋳造材で造って。材料を支給する・・・と行ったとたんNGを食らったことがあった)これはこれで一つのビジネスモデル。そして、これに従事する技能者はハイパー技能者として有能な存在である。

もう一つのパターンとしてONLY ONE加工企業という、これを造るなら図面を含めて私どもは精度に忠実に造って差し上げます。その代わり加工方案は任せて。・・という会社。こういうところと私もいくつかお世話になったが、加工技術・加工原理から製品の機能まで遡及して図面も書ける。読める。提案も出来る。というジェネラリスト技能者が結構存在している。

これらの、ハイクラスの技能者は、私のつきあっっている限りの人になるが、大学の工学部を出ました。とか、高等専門学校出身です。とか、高校を出てから専門学校で学びましたとか、意識して設計とかいうことを机上でも経験していたり、ともかく向上心の高い、道を極めることを眼中に置いた方が多いというのは(もちろん、学校だけではないわけで、問題意識のある方は別に学歴云々は関係ないともいえるけど)なにか、その認識が高いということについては、見るべきものがあるのだなあと感心した次第である。要は物事に対する問題意識と使命感。

某学会情報で、大阪府立大に最新式の溶接・接合機械を寄贈(しかもこの機械、市内の業者たちが自発的に新規開発した、世界でも類の無いもの)して、東大阪市(と八尾市)と共同して継続委託研究をさせている。また宇宙関連の特殊機器メーカーが何社かあることもあって、「まいど1号」という飛翔体の打ち上げ構想がある。非常に意欲の高いことは大田区といいライバルである。(このなまえはなんとかならんかなあ・・・・)
所で、この技術援助をしているのが東京大学工学部の教授なのですが、彼は高校の同期でして・・・(以下自粛)

|

« リテラシー教育のニーズ | トップページ | 水素燃料電池(1) »

コメント

バンゲルではなくバンケル(Wankel)です。

>「まいど1号」という飛翔体の打ち上げ構想
ほとんどいしいひさいちの世界ですね。恐るべし関西人のセンス。深海調査艇「もうかりまっか1号」とか極地探査機「ぼちぼちでんな1号」とか何とかやりかねません。
「パスネット」「パスモ」「スイカ」に対して「スルッとKANSAI」「ピタパ」「イコカ」というのを見てもセンスの違いは歴然ですな。

投稿: TX650 | 2006年1月22日 (日曜日) 21時57分

商業広告の場合、ときとして「関東」と「近畿」では異なった表現を使っているそうです。(中島らもの筆による)九州は関東圏のフレーズを使うそうですが。

そういっても、国内で共通の認識が持てるCMのフレーズはやっぱりあります。「こどもといっしょにどこいこう・・・」という旧型STEPWAGONのCMなぞ、すっきりして日本国内なら膾炙しますな。

投稿: デハボ1000 | 2006年2月 9日 (木曜日) 04時26分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/8283469

この記事へのトラックバック一覧です: ハイパー技能職:

« リテラシー教育のニーズ | トップページ | 水素燃料電池(1) »