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あれ、こんなところに

今日、ある研究機関に用事で行ってきた。それはそれとして、帰りがけに実験室の脇を通ると差し掛け小屋がある。中に小型の機械がある。
「えーっ」
私が社会人になって2年目の時、散々難産して、主任と2人で徹夜を繰り返し、実験で腰を痛めながら、製品化した機械が、16年後の今そこにある。おそるおそる、機械の扉を開けてみた。ちゃんと動いている。オイルフィルターもちゃんと定期交換している。外装はさすがにほんの少しはげているが、内部はきれいにメンテナンスされている。タイムカウンターからするとかなりしっかり使っているようだ。
この機械、当時としては最高の性能、最低の騒音値を誇り、このような研究機関や歯医者さんには良く買っていただいた。(その分高価であった。)故障修理にも行ったし、毎夜この機械と寝食をともにしたか。部品の機械加工が鋳物材質のばらつきで、「出来ない」といっては、工場にすっ飛んでいき、組みつけが煩雑といえば、どこをどーすればいいのか、作業するみんなと円陣を組んで語り合った。時には前工程の不良が原因で、設計部隊の責任上、私が工員さん全員の前で土下座したこともある。この頃は子供もいなくて結婚もしていなかった。だけど難産して創った、「我が子」がここにいるんだよ。
あらためて正面を見て、「あらあ、2号ロット品じゃないのか。」正面パネルの設計変更前の品は50台しかない。(変更図面は僕の手書きであった。当時最後の手書き図面の製品であった。)内部の塗装は耐熱塗装に変更済みであるから、多分2号ロット(25台)のひとつである。初号品出荷から2ヶ月目の製品。

なぜか、こみあげるものがあった。自分は、この製品が完了して2年後研究所に異動になった。その2年間、別の機械を担当していたが、性能維持関係の業務であったため、日々の仕事が先に立ち、あんまり思い入れはない。また、研究所勤務になったため、これ以降10数年、私がかかわる色々な製品は先行試作、プロトタイプ製作(または先行試作品の納入と管理)が主であったこともあり、図面を引く前に納入先が確定していた(ないしは型式承認のため役所へ納入)ものがほとんどだったため、こんな出会いはまずない。

お互いに馬齢を重ねたもんだ。けど、この機械はいい環境でもあるが、ちゃんと手間をかけて、使って頂いている。やっぱり図面を一から書き、実験し、・・・・というものだからかなあ。この手の機械は普通15年ぐらいの寿命なのに、ちゃんとここにあるのがうれしい。ともにこれからも歩んでいくことになるのかもしれないが。
ORL2.2DA5。おい、この出会いはなんなのだろうか。おれをなんとかさせる演出か?

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コメント

私も先日、宮崎の街で自分がデザインした商品に再会しました。やっぱり大切に使われているようで嬉しく思いました。
モノをつくる醍醐味って、結局そういうところ、商品が自分たちの手を離れて大事にされ、役にたっているっていうところにあるように思います。

先程、呑んだ帰りにタクシーに乗ったら、運転席後ろの広告ポケットのパンフレットに私がデザインした商品の写真が…
いろいろありすぎるのも困ったもんです。

私の前の勤務先は、製品はほとんどオーダーメイドでしたので、私が少しでも関わったものは大体何処にあるか判ります。ただ向け先がほとんど専門工場なので、簡単に見に行けません。メンテの依頼でもないと、消息も不明と言うのも、なんだかなぁ。
唯一、そこに行けば簡単に見る事が出来る超有名製品(笑)は、バカ高い入園料が必要だし・・・(^^ゞ

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