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カム・フォロアー曲線

金曜日、上長に部下が指示されている。曰く、このマシンのアームの駆動範囲を恒久的に計算できる演算方法がないのか、探してくるようにというわけだ。(詳細は余りにも専門的なことなので省略)しかも至近に。今までは、マシンメーカが機械毎に出している線図で読み取れということになっていて、設計者もブラックボックスとしていた事項である。

上長は、なんか用事が有るとのことで、「彼にこれこれを検討するように指示しておいたからな。」と当方にいって早早に帰って行った。で、当の本人は何を探せばいいのか皆目検討がつかない。文献を引っ張り出してみているし、何よりも彼と名義上一緒に仕事をしているのは、当方である。

で、具体的な線図の事例が彼の机上で、瞳とにらめっこしている。システムエンジニア(大卒)4年目のかれ。机に近づいて、「どうした」と声を掛けると、「いや、何が何やらさっぱり・・・」
「あら・・・・」そうだ。彼はSEであるが、元々経済学部出身だった。(言っておきますが、SEさんは必ず機械的素養が必要だとかいう気は、ありませんし、いわゆる工学・理学の技術者だけではシステムは動きません。むしろ、そのSEさんが今までの学業や生活の中で、どのような論理構成能力があるか、問題認識能力を創れるかという所のほうが、重要な場合が多いと思っています。
「うん。この曲線は一定速度回転における、クランクスライダー機構の疑似SIN曲線であるな。これは機械固有の物であるから、計算式はまあ普通の場合確立されているし、機械的寸法制約に依存するから数式は作れるし持ってこれる。で他の3つの線だな・・・・・」
ここまで、目線を合わせて話をしてきて彼は、思いっきり分からないというかイメージできない様である事を悟った。これは別に当然のことである。この機構がどんな物なのか、さっぱりイメージが作られないからだ。それは単に知らないということだけであり、口頭で説明したり簡単な絵図で見せてもおいそれと分かるとはまず思えない。今から彼が知れば、それで良いのだ。
ただ、他の3つの線は一瞬なんか分からなかった。15分考えて気がついたのが、「緩和曲線部を含んだカム・フロアー曲線」・・・ありゃー、これは設計段階でのマシンの仕込みの領域である。マシンメーカーのノウハウに関わることだから、線図だけで示しているのは実は当然である。しかし当方らが作る製品はこの線図の制約に依存している。1回1000万円もかかる手直しだってあるんだ。
「ようし、分かった。分かるような本を図書費用で手配してやるから。」元々回転機械設計を生業としている当方には、見えてきた。ただ、それ以前に、彼に理解してもらうためには、何らか専門的な文献とかの絵の沢山入った物が必要だわ。

翌日、医者で一式治療を受けたその足で、大きな町の本屋、専門書コーナーに私は立っていた。HPから叩き落とした在庫リスト一覧を手にして。当方手持ちの本では、わかりにくかったり、余りにも専門的なので渡せない。「機構学」のエリアでレベルに合った専門書を探す必要があるのだ。
まず、大学ないしは高専の機械専攻(最終2年ぐらい)で分かる、絵の一杯入っている物を探す。10冊ぐらいの中から1冊GET!。次にこれを数式(3列3行の行列式で評価)で示す専門書(専門職・大学院後期課程クラス)をGET。これで説明が出来る。かつこれ他の人間にも知っとかせないと、会社が今準備しようとしている製造マシンのオペレート原理がだれも分からないということになってしまう。
昨晩は、この本3冊を通読して、説明できる素地は整えた。さあ、明日がその日だ。こうやって仕事を面白くしなければ、技術者の技術者たる所以がないじゃないか。

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コメント

私自身は、機械の形となりたちと仕組み(=「からくり」)を見る目は自慢じゃないがかなりあると思います。
ただいかんせん「数式」の方が苦手でして…… ギリシャ文字を見ると頭がフリーズしてしまう(泣)んです。

投稿: TX650 | 2005年11月20日 (日曜日) 12時52分

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