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技術者として・人間として


建築士の計算書偽造の件、まあ、色々話題になってますな。事の重大さを気がついた建築士さんの中には自殺者も出てます。意匠設計の建築士は,構造計算の建築士に官庁認可用の書類を外注するのは普通のことなので、責任うんぬんになったとしても、「技術者としてのプライド」の問題としても、辛かろうと思います。
そこで、ここでは、中途半端に長い私の技術者生活の経験からすこし私見を述べたいと思います。

今回の件、現実的には2つの問題があります。
1:許認可に関する権限の委譲が専門的すぎる場合の監督責任と実運用上の技術問題について。
民活という言葉が出て久しいですが、本当に民間に移管して良い物かどうかという問題が、最低の形で露呈しました。一つのフローで技術的承認を得るシステムが現段階で妥当かどうかは正直疑問があります。事実、国が一手にまとめている(例:防爆の認可は(独)法人の清瀬の研究所(厚生労働省所管)から変えられない状態)場合も有ります。この理由は、余りにも高度な判断と、海外規格整合性が求められるためだからです。
一方、民間車検など、すでにかなり委譲されている場合は、不法な改造を見逃したなどの問題がやっぱり残るなど、問題が時々顕在化します。
今回のような方法と類似した物として、高圧ガス圧力容器・燃料油等危険物などの認証があります。県+政令指定都市単位での認可が行われますのも同じです。この場合でも、一旦計算書(高圧ガスの場合はその計算式などが、表形式で決まっていたり、それを計算する指定ソフトで行うなどの一連の事例があります。あたしは表形式の手計算ばっかりでした(但し、技術用電卓は必要)。)をつくるのですが、結果的には、製造するメーカーにその所在する都道府県の労働基準監督所指定の高圧ガス保安協会(天下りが多い・・・)に集約してテストを集約委託していますから、「ある意味」一意性は保たれます。
今回の場合、認証会社を新たに作る民間委譲は、アメリカなどでは事例が有るのですが、日本の建屋における資産価値の重大性を考えるとなじまないとも思えます。むしろ旧来のように都道府県で認可を行う様に一旦受け付けだけをし、そのうちの50%程度をアトランダムに認証会社に役所から再委託という形になっておけば、かなりこのような癒着が減るのではないでしょうか。これだと、構造設計計算書を見る認証事業者が建築士側にとって不特定になりますから、歯止めにはなります。
(なんか交通局の職員業務委託みたいだな。最近、横浜市営地下鉄の駅員がほとんど若い人になりましたが、どうも駅員さんの民間委託が始まったみたいです。)

2:技術者としての倫理観の問題
実は、これはこの2年間私が、自主勉強してきて、かつ某所でしゃべった項目であり、今後も私は関わらざるを得ないものであります。実は技術士と1級建築士はアジア太平洋技術者相互認証の対象になっており、同じ枠で括られるため洒落になりません。本件、解明が不十分なためあくまで現段階での論評はさけますが、多分、世界的な工業倫理のTEXTの大きな「実例集」に乗ることが間違いないと思います。今後いずれは同業者になってしまうであろう人間として、残念かつやるせない感じです。

このところの報道としては、弁護士の名義貸しという意味で民主党 西村真吾議員が収監という話。あんまり酌量余地はなさそうですけどね。まあさむらい稼業(士・・・と付くからこういう言い方があります)はつらいよなあ。
閑話休題。技術者として社会にどう関わってくるかは、いまや技術者だけの問題じゃないんですな。人間個人の考え方、真っ当な生活、誠意ある活動にかかわってきます。突き詰めると、日本人のすべてが「おかみ」という呪縛から放たれたとき、その時の一挙手一挙動が個々に関わってくることに成るのです。たとえば、世界の標準がこうなのだからといって、本当に今までのドメスティックな議論が捨て去るにしか値しないものなのか、世界標準に併せなくてはどうかを、全国民に判断を「各々の自己責任にゆだねて」それを求めることが、果たしてBESTの答えなのか・・・今、僕らはそこまでさかのぼって考えなくてはならないかもしれません。

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コメント

西村代議士の所属は自民党ではなく民主党です。まあ似たようなもんですが(笑)。

投稿: TX650 | 2005年11月27日 (日曜日) 22時32分

朝、気がついたのでなおしました。けどどっちでもいいクラスの人なのかと思案する(以下自粛)

投稿: デハボ1000 | 2005年11月28日 (月曜日) 12時35分

真実かどうかは別にして、西村議員は「TVタックル」という番組(テレ朝)で毎度かなり強硬な意見を吐いており、それが当局の勘に触わったのだという意見があるらしい。(中央官庁の消息筋)曰く、T本議員辞職や、U草早大教授逮捕と根元は同じだと。事実かは???だが、落胆を禁じ得ない。加えて今般の前原民主党代表の米国での発言は、大勢翼賛的知見が見え隠れし、いささか不愉快である。

投稿: デハボ1000 | 2005年12月25日 (日曜日) 03時35分

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