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組織の駒で居続けること

心理療法士の先生の所に行った帰り、大型書店で2冊も本をかってしまいました。
1:技術者倫理の世界 森北出版 1900円 藤本(佐世保高専) 編
次回学校で集中講義をするときは、技術的見地があまり出てこないこの本のほうが使えるかもしれない。(技術畑の経験者には帰ってピンと来ないであろうが)
まあ、こちらは置いておいてで。
2:踊る大捜査線に学ぶ組織論入門 かんき出版 1500円 金井(神戸大)田柳(フリー)著
この前のあれでないが、結構組織のあり方って分析するとおもしろいなあと思っていたら、この本である。小説の類は全く読まず、ノンフィクションに専ら目が向く当方であるが、今回に限っては、ついつい買ってしまいましたとさ。
これも、言うならばビジネス書ではある。ただ、具体的に、ある程度の規模の会社で、所轄配分が狭くなっている場合、どのように同僚に接し、同僚に語り掛け、同僚から暗黙知を授かり、知識に対して示唆を与えるという所は、会社生活(社会生活ではないですよ)をやる上では避けて通れないですね。
小さい会社なら、社長で、会社の損益分岐点も把握し、マシンの扱いもでき、なんでも一通り分かっていて、というのはそりゃすごいし、そういう会社とも担当者として、お付き合いしていますから(特に大学や研究機関から出たベンチャー会社で話を聞いてみると、卓見のある方はかなりいらっしゃいます。)その大変さと成し遂げる凄さはよーく分かります。けどね、ただその人が、生産ラインを構築して商品に乗り出せるかは、また別の面があると思うんです。そうなると、「暗黙の知」であった自分の感性、ノウハウ、キーポイントを口伝でなく、書面・電子帳票で伝授しなければならない。というのは、その段階で別の人を雇ってお願いしなければならないからです。それが以心伝心で行ける仲間だったらあんまり問題にはならないでしょうが、そんなことは、結構珍しいことですよね。この雇用流動化の時代。「暗黙知の共有化」というのは会社に集う人が増えるにしたがって、いずれは起こる問題の芽であります。
この本を読んでみると、今までの上司が何を思って「あんな理不尽な指示」をだしたか、反対に「あんな理不尽なことを言うからだれもついて行かなかったのだな」というところが、映画とオーバーラップして共感しやすいです。で、そしてですね、読むだけではだめでしょうから、自分に対してどう取り入れて行くかというのはこれからの私の課題ですな。
尤も、「踊る大捜査線」という物語は、元々その映像設定志向をアメリカのマニュアルを取り込んで翻案していると聞いたこともあります。したがってこのような課題は、ドメスティックな問題ではなく、実は世界の会社社会の共通の課題かもしれませんね。

でこれを読んでから、1の本を読み直すと、この手の本に必ずある事例が出てます。「JCOの臨界爆発事故」です。事故以前にちょっとした知り合いがJCOで業務監督者をしてまして、「自分がそのとき作業者さんたちの上司であったら、多分作業標準にサインしていたはず」というニュアンスのことをいってましたが、リーダーシップと業務指示の構築、これ思わぬ所でニアミスしてるのですよね。

意図して買ったわけでない2冊の本が、思わぬ所で交差点を作っている。人間もそうですが、本との出会いもまた不思議なものです。

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